6/30
整形
カナと病院の廊下をぽんやりと歩く。
「ふと思ったんだけど、…」
「なに?」
「全身、機械の身体になってみるのも面白いと思わない?」
「いや、僕はあんまり…」
「飽きたら人工皮膚にできるんだしさあ…」
「変わった趣味だね、カナって」
「そう?」
気がつくと、サチと街をぶらついていた。
「…ねえ?」
「なに?」
「整形、とかって興味、ある?」
「別に整形なんかしなくても、サチは十分、キレイだよ」
「そーかな?」
…ウフフ、と、サチが嬉しそうに笑った。
「じゃ、このままでいよ」
カナがこっちを見ている。
「カナ、キレイだから、そのままの方がいいよ」
「もう、地顔、半分しかないけどね」
嬉しそうにカナが笑った。