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頭半分
気がつくと病院だった。
優しそうな女性の看護師が、僕に挨拶した。
トイレに行きたくなった。
鏡がある。
そこに僕の姿が映っていた。
頭の半分が、機械になっていた…。
トイレからの帰り道、キレイな、同じ年頃の女の子に会った。
彼女の頭部も半分くらい、機械だった。
「あなたも自殺しようとしたの?」
「ああ…」
「私も…」
彼女が微笑んだ。
「私、カナ。よろしくね」
「僕はヒロ」
ベッドに戻って考えた。
銃。あれは現実だったんだ。
僕は頭を撃った。しかし、死ななかった。
じゃあ、あれは…、サチとユリの世界はなんなんだろう?
僕は眠った。