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発射と告白
銃を手にとった。
誰を打とうか?
僕は自分の頭に銃口を向けた。そして引き金を引いた。
気がつくと、教室だった。
「ヒロはさあ、ユリのこと、好きなんでしょう?」
はあ?ヒロ?ユリ?
…そうだ。僕の名前はヒロだった。
ユリ?
「もし、好きじゃないんだったら、私と付き合ってよ」
「…いいけど」
僕の記憶は、ユリのこと、そんなに好きじゃないと言っていた。
じゃあ、こいつ。今、しゃべってる、自分がかわいいのをはなにかけてる奴の名前、なんてったっけ?
サチだ。
「じゃあ、サチ。これからよろしく」
「こっちこそ」
サチがウインクした。
「ヒロ、浮気しないでね」
僕らは街を歩いた。
結構楽しい。楽しいのに…。
…僕、どうしてあんなことしたんだろう?
自殺…。