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「あっ! すいません。おい! やめろ」

 里山に声をかけた報道陣の中の記者らしき一人が振り返って撮影を制止した。

「で、なにかあったんですか?」

 里山は、ドギマギしながら、途切れ途切れに小声で言った。

「いやぁ~、それは、こちらがおたずねしたいことですよ。なんでも、そのお宅の猫、話すそうじゃないですか」

 瞬間、小次郎は危険を感じ、素早くキッチンへもどった。その素早さは、記者らしき男が「そのお宅の猫…」と言い始めた瞬間で、言い終わったときにはすでに小次郎の姿はなかった。

「ははは…なにを馬鹿な。そんなこと、ある訳がないじゃないですか、なあ、お前」

 里山は振り向きながら茫然ぼうぜんと立つ沙希代に助けを求めた。

「えっ? ええ…、もちろん」

「そうですかぁ~? …まあ、私どもも半信半疑っていうか、そう聞こえるのかなあ…くらいの気分で寄せて戴いたんですよ、実は。猫がぺラぺラ話す訳がないですからね」

「ええ、そりゃ、そうですよ。いったい誰が、そんなことを?」

 里山は情報の出どころが気になった。小次郎と話しているところなど、誰にも見られた覚えがなかったし、だいいち、そんな不注意を自分も小次郎も犯す訳がなかったからだ。

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