葛藤
右に揺れて
左に揺れて
どちらにも近づけないで
君は立ち止まっている
進みたい道は決まっていても
この危うい均衡を
崩すタイミングを探している
右を振り返って
左を見つめたまま
どちらにも告げられないで
君は立ち留まっている
紡ぐ言葉は決まっていても
この張り詰めた糸を
切るタイミングを探している
優しくて
残酷で
気遣い屋で
愚かしい君
初めて君が
誰かを愛しいと告げたから
その誰かと
同じ道を歩けるように
僕はそれだけを
静かに祈る
いるかもしれない神様に
その誰かと
明日も笑っていられるように
僕はそれだけを
密かに願う
あるかもしれない永遠に
君がその一歩を踏み出すまでの
そのはてしない一瞬に
僕は夜明けを希う