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プロローグ

 ある日、私は異世界に紛れこんでしまった。

気づいた時には、大草原の真ん中に、裸でポツンと立っていた。


 周りを見渡し、深呼吸をしたとたん、私は気を失った・・・。


 これは夢の中だろうか?私は暗闇の中にいる。

私の耳には、絶えず囁き声が聞こえている・・・。

なにを言っているだ?囁きだが、声ははっきり聞こえる。

なんだこれは?私がバカなのか?そんなはずはない。



 ここに来る前の私は、平凡なサラリーマンだった。

年齢は25歳、大学も卒業している。一般的な教養もあった。

いや、どちらかと言うと、学校では優秀なほうだった。

決してバカではない。



 私は、言葉に集中してみる事にした。

外国語だと、お手上げだと思ったからである。

しかし、私に分かる言葉だ。

言葉は分かる。しかし内容が分からない。

どうすればいいのだ?

この暗闇に死ぬまでいるのか?

囁き声「以上。契約しますか?」

なんの契約だ・・・?

囁き声「契約しますか?」

なんだ?いきなり契約しますか?と言われて契約できるか。

囁き声「契約しますか?」

当然する訳がない。

私は「契約しません。」と答えた。

囁き声「契約しますか?」

なんだこれは?私は契約しないと言ったはずだ。

囁き声「契約しますか?」

私は「契約しません。」とまた、答えた。

囁き声「契約しますか?」



なんだ?契約とは同意するか同意しないかの二択ではないのか?

ずっと囁いていた言葉が契約内容なのだろうが、私は理解できていない。

内容が理解できていないのに契約する訳にも行かない。


 私の耳元では、ずっと「契約しますか?」って囁き続いている。

かれこれ何時間だ?聞かれる度に、私は「しません。」と返事をしていた。

私は諦めた・・・。


私は仕方がなく。「契約します。」と答えた。


囁き声が違う事を話しだした。

囁き声「あなたが契約を破れば、罰せられます・・・。」


もういい、疲れた。罰せられる?そもそも何を契約したのか分からないのだ。

罰せられると聞かされても、どうしようもない。

それに、もう疲れた・・・。


囁き声「あなたは、これから異世界に戻されます。あなたの降り立つ大地は

    イリーナと呼ばれてます。イリーナ大陸です。」


異世界に戻される?私が異世界でなにをした?ただ裸で、つっ立ってただけ

ではないか・・・。大陸の名前なんぞ、どうでもいい話だ。


囁き声「イリーナ大陸には大小さまざまな街がありますが、あなたが最初に

    向かう先は、ベジテという街です。また、あなたの力では、ベジテ

    にしか行けません。」


そうなのか?また一択かー。どうでもいい情報だ。


囁き声「イリーナ全域は、モンスターに襲われ荒廃しています。あなたに課

    せられた使命は、モンスター達を討伐し、イリーナ大陸を平和にす

    る事です。正義の力で戦ってください。」


ふーん、戦うのか、モンスターって言うくらいだから悪い奴らなんだろうな。


囁き声「あなたは、この世界で魔法使いになります。名前は竜二です。」


魔法使いか、異世界だし、魔法も使えるんだろうな。

けど、名前はなんだ?私の名前は竜一だぞ?なんで微妙に変えるんだ?


囁き声「さぁ、冒険の始まりです。正義の力で平和にしてください。」


そうか、どうでもいいから、ここから出してくれ。

そして、竜二は、また気を失った・・・。



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