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ナンバルゲニア・シャムラードの日常 42

「おはようございます!」 


 突然のことに全員が入り口に目を向けた。


「どうしたんですか……?」 


 しばらくおたおたと大柄な隊員が周りを見回す。


「神前、少しはどっしりと構えて見せろよな」 


 ランが苦虫を噛み潰したような表情で長身の隊員に視線を送る。その長身の隊員、神前誠しんぜんまことはしばらくどうするべきか迷っていると言うようにこの部屋の異物と言うことで共通認識のあるキムに向かって笑顔を向けてみた。


「ああ、神前。昼飯の注文だけど……」 


「食べてきました……」 


「美味しかったですよね、焼肉」 


 神前の長身の後ろから甲高い少年のような声が響いた。彼が先ほどまで話題になっていた怪しげな美少年アン・ナン・パク。浅黒い肌の首筋を軽く自分で撫でながらゆっくりと第三小隊のがらりと空いた机に向かっていく。


「誠ちゃん達焼肉食べたの?ずるいな」 


「焼肉か……」 


 シャムは羨望の目で、要は怪しむような目でまだ入り口で棒立ち状態の誠に目を向けた。


「あの……別に……そんな……」 


「いつまでそこに立ってるんだ?いい加減すわれよ」 


 ランの言葉にようやく踏ん切りがついたというように誠は要の正面の自分の席に座った。その様子を一部始終ニヤニヤ笑いながら見つめていたキムはメモに注文を書き付けるとそのまま誠が立っていた部屋の入り口へと向かう。


「それじゃあ注文してきますから」 


「頼むぞ」 


 キムが出て行くと部屋の住人の視線は自然と着替えたばかりの勤務服のネクタイを締めなおしている誠に向かうことになった。しばらくネクタイの先を気にしていた誠だが、すぐにシャム達の視線が自分に向かっていることに気づくとそれを受け流すように無視してそのまま端末の起動ボタンを押した。



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