表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/151

ナンバルゲニア・シャムラードの日常 37

「解剖か……」 


「俺がですか?」 


 突然の声に驚いて振り返る要。そこにはつなぎを着た技術部整備班班長の島田正人准尉が立っていた。


「ちゃんとノックぐらいしろ!」 


「しました。気づいてないのは西園寺さんくらいですよ」 


「アタシも気が付かなかったよ!」 


「ナンバルゲニア中尉は……まあいいです」 


 そう言うと島田はディスクを一枚シャムの前に差し出した。


「何?これ」 


 シャムの言葉に大きく肩を落とす島田。そして要に目をやる。要は自分が話しの相手で無いと分かるとそそくさと自分の席に戻って書類の作成を開始していた。


「先週の対消滅エンジンの位相空間転移実験の修正結果です」 


「エンジン?あの時はちゃんと回ったじゃん」 


 抗議するような調子のシャムに大きくため息をついた後、島田は頭を掻いてどう説明するか考え直しているように見えた。


「無駄無駄。どうせシャムにはわからねえよ」 


「要ちゃん酷い!アタシだって……」 


「じゃあ対消滅エンジンの起動に必要な条件言ってみろよ」 


 要にそう言われると黙って何も言えないシャム。フォローしてやるかどうか考えている吉田は黙って動くことも無かった。


「まあぶっちゃけ理屈が分からなくてもきっちり成果はありましたと言うのが結論なんですがね」 


 島田はそう言うとそのまま立ち去ろうとする。シャムは首を捻りながら相変わらず対消滅エンジンの理論を思い出そうとしていた。


「ああ、解剖なら最適の人材がいたな」 


 何気ない要の一言にびくりと驚いたようによろける島田。それを見てさらに要はにんまりと笑って立ち上がりそのまま島田の肩を叩いた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ