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ナンバルゲニア・シャムラードの日常 18

「俊平、シャワーは?」 


「隊舎だ。そこまでは一緒だろ?」 


 熊のゆっくりとした歩みにあわせて吉田も進む。まもなく隊員達も出勤してくる時間。ハンガーからは私服に着替えた警備部員と整備班員が談笑しながら歩き出していた。


「ご苦労さん!」 


 吉田の叫び声に隊員達は思わず敬礼をする。それを見てシャムは笑顔でハンガーに向かう吉田を見送った。


「じゃあ行こうね、グレゴリウス」 


「わう」 


 シャムの言葉に返事をするとシャムを乗せたまま部隊のゲートに向かった。


「おはよう!」 


 そこには白いセダンでゲートをくぐろうとする運用艦『高雄』艦長の鈴木リアナ中佐の姿があった。


「お姉さん!おはよう!」 


「元気ね、シャムちゃんは……それとグレゴリウス君も」 


「わう!」 


 窓から顔を出して白い髪をなびかせるリアナ。シャムは笑みを浮かべながら彼女の隣までグレゴリウスに乗って進んだ。


「それよりお姉さん。赤ちゃんは……」 


 シャムが言うようにリアナは妊娠していた。現在は艦長の各種の指示権限を副長のアイシャ・クラウゼ少佐に委任中で、遠からずアイシャが艦長代理に就任することが決まっていた。


「そんなにすぐには出てこないわよ。それより寒いのによく平気ね」 


「うん!私の村はもっと寒かったから」 


 リアナの言葉にシャムは長く暮らしていた故郷を思い出した。森と雪と風。今の季節は木の幹に寄り添うようにして雪のせいで動きの鈍い鹿などを狙って狩をしていたことを思い出す。


「そう……じゃあまたね」 


 回想に浸っているシャムを笑顔で見つめながらリアナはそう言うとそのまま窓を閉めて車を駐車場へと進めた。



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