表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/151

ナンバルゲニア・シャムラードの日常 120

 正門の前には20世紀のドイツのワゴン車のレプリカが止まっていた。吉田お気に入りの一台。


「乗れよ、明石達はもう出たぞ」 


 吉田に急かされてシャムは駆け足で車に乗り込んだ。


「積んでくれてたんだ」 


 後部にはシャムのバイクがロープで固定された状態で乗せられている。


「まあな、気が利くだろ?」 


「そうだね」 


 シャムの笑顔を見ると吉田は車を出した。


 正門前の車止めもすでに夜の闇の中に沈んでいる。そこから真っ直ぐ、ゲートの明かりだけが頼りだった。


「おい!」 


 ゲートに着いた吉田が窓を開けて叫ぶ。うたた寝をしていた古参の警備部員がめんどくさそうにゲートのスイッチを押す。


「お先!」 


 吉田はそう叫ぶのそのまま不眠の大工場の中に車を乗り入れた。


 昼間ほどではないがやはり大型トレーラーが資材を満載して行き来している。そんな工場内の道路を吉田は慣れたハンドルさばきで車を走らせた。


「パーラの話……」 


「ああ、クバルカ隊長から聞いたよ。まあいい大人だ。どう判断するかは本人の問題だろ?鎗田も馬鹿だがそれなりの技術屋のプライドくらいはあるはずだからな」 


 落ち着いた調子でつぶやく吉田を見てシャムは少しばかり安心した。


「そうだね。ランちゃんも見てるんだから大丈夫だよね」 


「ああ、あのちびっ子。喰えないからな。鈴木中佐にしろ明華にしろ敵に回すとやっかいだってことは明石の野郎が伝えてると思うからな」 


 工場の中央を走るメインストリート。主に昼間は営業車の出入りに使用される道にはすれ違う車も無かった。


「でも……なんだか心配だよな……」 


「そんなに心配なら見に行くか?場所もわかるぞ……まあ移動しても鎗田の車のシリアルナンバーは登録済みだから追えるぞ」 


 真顔でシャムを見つめてくる吉田。シャムはただ苦笑いを浮かべていた。


「あまり干渉するのは良くないよね」 


「そういうことだ」 


 吉田の言葉に頷くシャム。車は工場の正門に到着し、監視ゲートをくぐってそのまま産業道路と呼ばれる国道に出ることになった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ