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ナンバルゲニア・シャムラードの日常 106

「早くしろよ!馬鹿野郎!」 


 マウンド付近で叫んでいるのは要だった。監督だということで試合用のユニフォームを着込んでいる。


「行きますか……」 


 シャムはそう言うと走り出した。カウラ達も後に続く。すでに他の部員達はキャッチボールを始めていた。技術部の面々は今日はエンジン交換作業でこのまま徹夜に突入するのだろう。さすがに俊足の外野手である島田の姿はそこには無い。


「あ、ベルガー大尉」 


 ファースト付近に達したシャム達を笑顔で迎える菰田。一応彼も野球部の部員でレギュラー。ライトの守備を任されている。


「おい!菰田!鼻の下伸ばしている暇があったらソンと一緒に遠投でもやってろ!」 


 要の檄が飛ぶ。シャムは再びマウンドの用具入れに向かった。


「ミットはタコがメンテしてくれたからな。感謝しとけよ。とりあえずカウラは久々にタコに受けてもらえ。シャムとサラはキャッチボールでアップ」 


 用具入れの上に並んでいたグラブをそれぞれに手にする。シャムも自分の大き目のグラブに滑らかに光る表面を見ると笑顔でホームベース付近で話し合っている明石と岡部に頭を下げた。


「サラ、始めるよ」 


 シャムはそう言うと自分のポジションのセカンドの守備位置に走った。サラも定位置のショートに走る。


「やっぱり見難いよね」 


 サラがそう言いながらポールを投げてくる。動きながらそのボールを掴むとランニングスローの要領でシャムは投げ返す。


「仕方ないよ。豊川市役所なんて専用グラウンドを持っていないんだよ。それに比べたらずっと恵まれてるよ」 


 ボールを受け取るサラ。彼女もシャムを真似て少しサイド気味に送球のつもりでボールを投げる。


「お前等!遊んでるんじゃねえぞ!やるなら神前も入れてやれ!」 


 要の声にシャム達はファーストに目をやる。そこには右手にファーストミットを構える誠の姿があった。


「誠ちゃん!投球練習はいいの?」 


 シャムに言われて誠は少しばかり落ち込んだようにマウンドの上の要を見ていた。


「出ると負けのピッチャーはいいんだよ!」 


 苛立たしげにマウンドの横の用具入れを押しながら要が叫ぶ。そんな要の横にはいつの間にか明石の巨体が並んでいた。


「な……なんだよ」 


「ええから、な?神前!久しぶりに受けさしてくれや」 


 ミットを叩きながら叫ぶ明石。神前はしばらく立ち尽くした後、諦めたようにため息をつく要を見るとそのままマウンドに上がった。




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