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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第三部

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~外伝13~ マシュマロ彼女と卒業式

満開の桜が咲く今日、この頃。

光星学園には多くの生徒や生徒が集まっていた。

いや……生徒と呼ぶのは正しくないのかもしれない。

今日、この学校を卒業するのだから卒業生と呼んだ方がいいだろうか。


『ただいまより、光星学園卒業式を行います。一同、ご起立ください』


体育館で、卒業生、教職員、保護者、来賓の方々が立ち上がる。


『礼……ご着席ください』


全員着席する。卒業生たちは真っ直ぐ、壇上を見つめる。


(いよいよ卒業だな……)


優は卒業を改めて実感する。


(あっという間の三年間だったな……)


この学校に入ってたくさんの出会いと思い出ができた。

咲人や旭といった男友達ができたし、穂乃花とも念願の恋人になれた。

皆で甲子園に出場して……修学旅行で穂乃花と一緒にいれないのが寂しく感じて……

ついこないだの出来事のように思い出せる。


(この学校に入って本当によかった……)

『続いて、卒業生による合唱です。卒業生、起立』


卒業生たちが立ち上がり、保護者席の方を見つめる。


(父さん……母さん……ここまで育ててくれてありがとう)


優は両親への感謝の気持ちを込めて、『旅立ちの日に』を歌った。



卒業式が終わり、優は咲人と旭の三人で会話をしていた。


「俺たちが毎日顔を合わせるのもこれが最後だな」

「そうだな」

「いいなぁ~優と咲人は同じ大学だから会えて羨ましいよ」

「でも学科が違うから高校程会えないとは思うけどな」


毎日こうやって話すのも……これが最後か……


「優?どうしたんだ?」

「もしかして俺たちが離れ離れになるのが寂しいのか~?」

「寂しいよ。いつも咲人と旭がいたのが当たり前だったから」


優の言葉に、咲人と旭も同じ気持ちだったからか、表情が変わる。


「確かにな。俺も二人がいるのが当たり前だった。優はいつも雪宮のことで悩んで俺に頼って来るし、旭はうるさいし……

でもそれから解放されるから俺は嬉しいけどな」

「優。咲人ひどくね?」

「ひどいな」

「それぐらい高校生活は二人と一緒だったってことだ。俺と友達になってくれてありがとな」


咲人の笑顔を見て、優と旭が固まる。


「咲人ってあんな笑顔できるんだ……」

「意外だな……」

「お前ら……俺を何だと思ってるんだよ……」



一方、穂乃花は美咲と千秋の三人で会話していた。


「うちら、卒業しちゃったね」

「そうだね」

「ぐすん……」


千秋の顔を見ると、大粒の涙を流していた。


「ちーちゃん⁉どうしたの?」

「穂乃花ちゃんと……美咲ちゃんと離れ離れになるの嫌だよぉ……」

「全く……」


美咲が千秋にハンカチを貸すと、涙を拭く。


「会えなくなるわけじゃないでしょ?」

「そうだよ!またうちらで女子会しようよ!」

「ぐすん……うん!」


千秋が穂乃花と美咲を抱きしめる。


「二人共!大好きだよ!」

「うちも大好きだよ」

「私も」


三人は微笑み合って再会を約束した。



満開の桜を優が見つめていると、花びらが手のひらに落ちた。


「綺麗だな……」


見上げていると、後ろから誰かが近づき、両手で目隠しする。


「だ~れだ?」

「この柔らかい手の感触は……穂乃花かな?」


穂乃花は頬を膨らませると、両肩をギュッと握る。


「痛たたたたた!ごめんって!」


謝ると、穂乃花は両肩から手を離す。


「次変なこと言ったらこんなもんじゃすまないよ」

「変なことって……事実……」

「何?」

「何でもない……」


穂乃花の不機嫌な声を聞き、それ以上言うのをやめた。


「卒業おめでとう。穂乃花」

「優も卒業おめでとう」


そう言うと、お互い微笑む。


「桜……綺麗だね」

「そうだな」

「またお花見行きたいね」

「お弁当また作ってよ」

「しょうがないなぁ」


二人で話していると、お互いの両親がやってくる。


「イチャイチャしてるところ申し訳ないけど、写真撮ってもいいかしら?」

「イチャイチャって……」

「母さん。まだしてないぞ」

「まだって……これからするつもりなの⁉」

「本当に穂乃花は優君と一緒にいると明るいよな」

「優君大好きだもんね~」

「そんなこと言わないでよ!優が調子に乗るから!」

「ほらほら。二人共並んで!」


二人が桜の前に並ぶとカメラに向かってピースする。


「はい。チーズ!」


パシャッ!


「もう1枚撮るよ」


二人が構えると、強風が吹く。


「うわっ!」


花びらが舞い、優が目を閉じる。互いの両親も目を閉じる。

しかし、穂乃花だけは顔を優の頬に近づき……



―――「ママ~!」


穂乃花は持っていた写真を慌てて後ろに隠す。


「な、何?稲穂」

「……?何隠したの?」

「何でもないよ?」


稲穂は不思議に思ったのか、穂乃花に抱きつく。


「稲穂⁉」


抱きついた衝撃で、穂乃花は持っていた写真を落としてしまう。


「何だろう?」

「だ、ダメ!」


穂乃花は止めようとするが、稲穂が拾って写真を見てしまう。


「あ~!ママがパパにチューしてる!」

「ち、ちょっと!パパに聞こえるから!」


写真には花びらの舞で目を閉じる優の頬にキスをする穂乃花が写っていた。


「なんでチューしてるの?」

「なんでって……」


穂乃花は顔を赤く染めながら、恥ずかしそうに言う。


「パパのことが大好きだから……」

「……!私もママのこと大好き!」


稲穂が穂乃花の頬にキスをする。


「ありがとう。ママも稲穂のこと大好きだよ」

「えへへ……やったぁ!」


それを聞いて嬉しそうにする。


「何の話してるんだ?」

「パパ!」


優がやってくると、稲穂は嬉しそうな顔をする。


「あのね!ママがね!パパのほっぺに……」

「ダメ!」


穂乃花が慌てて稲穂の口を塞ぐ。


「んんん~!」

「なんだよ?気になるなぁ~」

「なんでもないよ!ねぇ~稲穂?」


今度お菓子買ってあげるからねとこっそり言うと、稲穂はコクリとうなづいた。


「まぁいいや。稲穂!そろそろ公園に行こうか」

「うん!」


優は稲穂を抱っこすると部屋を出る。


(助かった~)


穂乃花はホッとすると、写真をアルバムになおす。

アルバムのこの写真を入れる場所に吹き出しが貼られている。


「穂乃花~行くよ?」

「わかった!」


穂乃花は写真をなおすと慌てて部屋を出た。

吹き出しには穂乃花の母親が書いたと思われる字でこう書かれていた。


『高校卒業後の初キス。優君が大好きなことが伝わる奇跡の1枚。これからも二人に幸せな未来が訪れますように』


~外伝~:完



[あとがき]

これにて『マシュマロが好き』は完結となります。

短期連載のつもりがこんなに続くとは……

書いてるうちに楽しくなってしまい、今に至ります。

読んでいただき、本当にありがとうございました!

レビュー、感想もお待ちしています!


シリーズ第三弾『あの日の歌声』(全16話)はこちら!↓

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