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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第三部

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~外伝11~ マシュマロ彼女と新年最初の出会い

新年となり、優が神社で待っていると、穂乃花がやって来た。


「優!あけましておめでとう!」

「あけましておめでとう。穂乃花」

「今年もよろしくね!」

「こちらこそ」

「じゃあ行こっか!」

「あぁ」


二人はお賽銭に小銭を入れると、鈴を鳴らして二回拍手する。


(今年も優と一緒にいれますように)

(今年も穂乃花と仲良くやっていけますように)


それぞれ願いを心で言うと、お辞儀をして神社を出る。


「何お願いしたの?」

「秘密」

「気になるなぁ~」


二人がしばらく歩いていると、穂乃花が寂しそうに口を開く。


「もうすぐ卒業だね。うちら……」

「そうだな」

「卒業したら美咲とも……ちーちゃんとも会えなくなっちゃう……」

「連絡取れば会えるだろ」

「そうだけど……いつも一緒にいるのが当たり前だったから……」


穂乃花の沈んだ表情を見て、優は頭を撫でる。


「俺にはいつでも会えるだろ?それに専門学校でも友達を作ればいいだろ」

「……できるかな?」

「できるって。穂乃花は優しいし、可愛いからな」


それを聞いた穂乃花の顔が赤くなる。


「可愛いって言わないで……」

「事実なのに?」

「もう……」


穂乃花は恥ずかしそうにしながらも、嬉しさを感じていた。


「ねぇ。屋台やってるしさ、甘酒買いに行かない?」

「よし。買いに行くか」


二人は手を繋ぐと、屋台に向かって歩き始めた。



甘酒を買うと、人通りが少ない場所に移動して飲み始める。


「体が暖かくなるね」

「そうだな」


穂乃花が空を見上げると、雪が振り始める。


「高校に入ってからの三年間……色々あったね」

「本当だな。たくさんの出来事があったのに時間が経つのはあっという間だな」


優は穂乃果との出来事を思い出す。


『お願い優!うちが秋風先輩と付き合えるように協力してほしいの!』


聞いた時は凄くショックを受けたことを覚えている。

優にとって、遠く離れた存在の空を好きなのだったから……

それでも穂乃花を諦めることはできなかった。


『先輩!』

『なんだ?』

『勝負しませんか?』

『勝負?』

『体育祭では毎年、全学年共通種目の借り人競争がありますよね。それにお互い出場し、お題の答えが穂乃花になった方が告白する』

『……なぜそんな勝負わざわざ仕掛ける?』

『先輩に勝ちたいからです』


結果……勝負には負けてしまった。

穂乃花の所に移動している途中で足を怪我してしまい、保健室に運ばれた。

悔しいけど、これで穂乃花が幸せになれるなら……

この時はそう思っていた。


『で?借り人競走、先輩が選んでくれたんだろ?』

『うん』

『お題は何だったんだ?』

『分かんない』

『……え?分かんないって……お題聞いてないのか?』

『うん。だって先輩とゴールしてないから』

『なんで……』

『なんでって……優が心配だからに決まってるでしょ?』

『ふざけるなよ!』


優の怒号に穂乃花がビクッとする。


『先輩は穂乃花のこと好きだったんだぞ!穂乃花とゴールしてそこで告白するつもりだったと思うのに……なんで俺のところに来るんだよ!』


保健室がシーンと静まる。


『そう……だったんだ……』


お互いの間に気まずい空気が流れる。


『ありがとう優。うちのこと思って言ってくれて。でももういいんだ』

『え?』

『確かにうちは先輩のこと好きだったけど……でも気づいたんだ。大切なものに』


穂乃花が優の両手を握る。


『うちが彼女じゃダメ……かな?』


あの時の顔を忘れたことはない。今でも思い出せる。


「どうしたの優?うちの顔に何かついてる?」

「ううん。穂乃花が彼女でよかったなって」

「どうしたの急に?」

「思ったらダメなのか?」

「それを言うなら……優が彼氏でよかったなって思うよ?」

「一緒だな」


お互い微笑み、新年の最初を楽しんだ。

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