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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第三部

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~外伝8~ マシュマロ彼女とハロウィン

とある日の朝。優と穂乃花が登校していると、近所は装飾している家ばかりだった。


「うちらの近所、皆飾ってるね」

「ハロウィンだからな」

「ねぇねぇ。夜、優の家に行っていい?」

「いいけどなんで?」

「お菓子もらいに行きたいな~」

「食いしん坊に渡すお菓子はないよ」

「食いしん坊じゃないもん!」


穂乃花は怒ったように優の両肩をポカポカと叩く。


「わかったわかった。用意しておくよ」

「やった~!」



教室に入ると、旭が両手を前に出してきた。


「|お菓子をくれないとイタズラするぞ《トリックオアトリート》!」

「ないぞ」

「なんでないんだよ!いつも持ってきてるくせに!」

「今日は持ってきてないよ。全部穂乃花にあげるから」

「そんなぁ……咲人!|お菓子をくれないとイタズラするぞ《トリックオアトリート》!」

「ない」

「そんなぁ~!」


旭はしょんぼりと肩を落とした。



一方、穂乃花のクラスもハロウィンムードになっていた。


「美咲ちゃん!|お菓子をくれないとイタズラするぞ《トリックオアトリート》!」

「しょうがないわね」


美咲はラムネを手に何個か出し、千秋に渡す。


「やった~!」

「美咲。うちにも頂戴!」

「ちょっとだけよ」

「ありがとう!」


千秋と穂乃花はラムネに口に入れる。


「千秋、穂乃花。|お菓子をくれないとイタズラするよ?《トリックオアトリート》」

「もちろん!はいっ!」


千秋はグミキャンディを渡す。


「穂乃花は?」

「え、え~と……お菓子持ってきてない……」

「まさか……貰おうとしただけじゃないでしょうね?」


図星なのか、ピクッと反応する。


「穂乃花~!」

「ごめんなさ~い!」



夜。穂乃花は魔女のコスプレ衣装に着替えた。


「いってきま~す」


家を出ると、子供たちが近所の家にお菓子を貰いに行っていた。


(皆、お菓子貰って嬉しそう……)


微笑ましく見つめていると、子供たちと目が合う。


「お姉さん!|お菓子をくれないとイタズラするぞ《トリックオアトリート》!」

「は~い。順番に配るからね」


穂乃花は一人ずつお菓子を渡す。


「お姉さんありがとう!」

「どういたしまして」


穂乃花は嬉しそうにお菓子を受け取る子供たちを見て笑顔になる。


「お姉さん僕にも!」

「私にも!」


他の子供たちが大勢集まる。


「ちょっと待ってね。皆」


穂乃花は鞄を広げて、お菓子を取り出した。



ピンポン!と優の家のインターホンが鳴る。


「は~い」


優がドアを開けると、穂乃花が立っていた。


「|お菓子をくれないとイタズラするぞ《トリックオアトリート》!」

「はい、どうぞ」


優が大量のお菓子を渡す。


「こんなに……ありがとう!」

「食いしん坊には十分な量だろ」

「食いしん坊じゃないもん!」


優は頬を膨らませた穂乃花の頭を撫でる。


「とりあえず上がれよ。コスプレの写真も撮りたいしさ」

「しょうがないなぁ」


部屋に入ると、優は穂乃花の写真を撮る。


「これ待ち受けにしていい?」

「ダメ!」


穂乃花が恥ずかしそうに拒否する。


「じゃあ|お菓子をくれないとイタズラするぞ《トリックオアトリート》」

「ちょっと待ってて……」


穂乃花が鞄を漁っていると、ピタッと動きを止める。


「ごめん優……お菓子なくなっちゃった……」

「なんでだよ?」

「子供たちが欲しがったから……配りすぎちゃった……」

「……」


優は黙ったまま、穂乃花に近づく。


「優?」

「言ったよな?|お菓子をくれないとイタズラするぞ《トリックオアトリート》って」


優は穂乃花をベッドに押し倒す。


「別にお菓子はなくていいけど、トリックオアトリートって言ったからにはイタズラしないとな」

「ま、待ってよぉ……」


優にイタズラされて、お菓子なくてよかったと思ったのは秘密である。

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