~外伝7~ マシュマロ彼女と食欲の秋
二学期になり、季節も秋に変わると、涼しくなったような気がした。
「すっかり秋になったね~」
「そうだな」
優と穂乃花が歩いていると、屋台が動いているのが見えた。
『♪い~しや~きぃもぉ~、おいもぉ~』
屋台を見た穂乃花が目を輝かせる。
「焼き芋だ~!」
「買っていくか?」
「うん!」
二人は屋台を追いかける。
「すみません。焼き芋2つください」
「はいよ」
おじさんが二人に焼き芋を渡す。
「ありがとうございます!」
「公園で食べるか」
「うん!」
公園のベンチに座り、穂乃花は早速焼き芋をパクッと咥える。
「熱っ!」
「一口が大きすぎるんだよ」
「だって美味しそうだったもん……」
そう言いつつ、今度は一口を小さくして食べる。
「美味しい……体がポカポカする……」
「穂乃花も抱きしめたらポカポカするけどね」
「そうかな?」
焼き芋を食べ終わり、再び歩き始めると途中で別れる。
「優!また明日ね!」
「あぁ」
優と別れると、穂乃花は機嫌良く家に帰宅する。
「ただいま~!」
「おかえり」
「今日のご飯何?」
「今日は栗ご飯とさつまいもの味噌汁よ」
「やった~!」
穂乃花は嬉しそうにする。
「じゃあ宿題終わらせてくる~」
「できたら声かけるからね」
自分の部屋で宿題をしていた穂乃花は、問題が解き終わるとふぅと息をつく。
「終わった~」
すると、ドアをノックする音が聞こえる。
「穂乃花。ご飯できたわよ」
「は~い!」
リビングに向かうと、栗ご飯とさつまいもの味噌汁とサラダが用意されていた。
「美味しそう~おかわりある?」
「もちろん。いつもたくさん食べるんだから」
「やった~!」
穂乃花は席に座ると、手を合わせる。
「いただきま~す!」
穂乃花は美味しそうに栗ご飯を食べる。
「美味しい~!」
「ふふっ。よかった」
穂乃花が美味しそうに食べる姿を見て、母親が微笑む。
「優君は穂乃花のこういうところが好きなのかな?」
「……?」
お風呂から上がった穂乃花は、バスタオルで体を拭いていた。
(今日はたくさん食べちゃったなぁ~)
穂乃花が体重計の上に乗ると、顔を青ざめる。
「噓⁉」
「穂乃花~どうかしたの?」
「な、何でもない!」
体重計から降りると、穂乃花は恥ずかしそうな表情になる。
(どうしよう……つい食べすぎちゃったよぉ~)
穂乃花は髪を乾かしながら、鏡に映る自分のお腹をチラリと見る。
(うぅ……ちょっと……いや……だいぶぽよんってしてる気がする……)
そのとき、リビングからいい匂いが漂ってきた。
「穂乃花~、デザートのプリンあるけど食べる~?」
「……っ!」
(だ、ダメ!今のうちは甘い誘惑に負けてはいけない!)
そう思っていたが……
「……ちょ、ちょっとだけ……」
結局、スプーンを片手にリビングへと向かうのであった。
翌日の朝。穂乃花はいつものように優をお越しに来る。
「優!起きて!」
「……うん?」
優がチラッと穂乃花を見る。
「早くしないと遅刻するよ?」
「穂乃花……太った?」
穂乃花の顔が赤くなる。
「な、なんで分かったの?」
「なんとなく」
優が穂乃花のお腹を触る。
「ち、ちょっと……」
「やっぱり……昨日いっぱい食べただろ?」
「だって……美味しかったもん……」
「食欲の秋だもんな」
優は穂乃花を引き寄せると、ギュッと抱きしめる。
「柔らかい……」
「もう……優ったら……」
穂乃花が優の頭を撫でながら、太っても愛してくれる優に嬉しさを感じていた。




