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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第三部

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~外伝4~ マシュマロ彼女と夏祭り

とある日の夜。優は夏祭りの会場に来ていた。

先日のテスト終わりの打ち上げで、穂乃花と約束したデートの埋め合わせだ。


(メッセージ送っても既読つかないな……もしかして迷子か?)


そう思い、会場を歩き回っていると誰かの肩とぶつかった。


「あっすみません……って穂乃花じゃん」

「優!」


穂乃花は浴衣姿で、手にわたあめを持っていた。


「時間になっても来ないから迷子かと思ったぞ」

「ごめんごめん。わたあめ買うのに時間かかっちゃって」

「時間かかるならメールしろよ……」

「わたあめ一口あげるから許して」

「しょうがないなぁ」


優はわたあめを受け取ると、パクッと口に入れる。


「甘いな」

「わたあめだからね」

「っていうか晩飯食べ終わってから買えよ。なんで今買うんだよ」

「我慢できなかった……」

「食いしん坊だな」

「食いしん坊じゃないもん!」


優は膨らんだ穂乃花の両頬を掴む。


「じゃあ買いに行くぞ」

「~~~!(離して!)」



二人は屋台で焼きそばやフランクフルトなどを買うと、席に座る。


「じゃあ食べるか」

「うん!」


穂乃花が焼きそばを口に入れる。


「美味しい~!やっぱり夏祭りといったら焼きそばだよね!」

「そうか?もっと他にあるだろ」

「例えば?」

「かき氷とか……りんご飴とか」

「いいね!後で買いに行こう!」


優は美味しそうに焼きそばを食べる穂乃花を微笑ましそうに見つめる。


「どうしたの優?」

「いや……美味しそうに食べるなぁって」

「美味しいから当たり前でしょ?」

「穂乃花が美味しそうに食べるところ見るの好きだからさ」

「そうなの?普通に食べてるだけなんだけどなぁ」


穂乃花はそう言うが、自分ではわからないんだろうなぁと思う。


「ごちそうさまでした!」

「早っ!もう食べ終わったのかよ?」

「全部美味しくてペロッと食べちゃった」


満足そうな穂乃花の口が焼きそばのソースで汚れている。


「穂乃花。口汚れてる」

「噓⁉」

「いつも勢いよく食べるからだよ」


優はウエットティッシュで穂乃花の口を拭く。


「ありがとう」

「……」


優は穂乃花の綺麗になったぷっくりとした唇をじっと見つめる。


「優?」


優はそっと穂乃花に近づき、キスをする。


「……!」


少しの間密着し、唇を離す。


「……悪い。美味しそうな唇だったから」

「……優っていつも突然キスするよね」

「恋人《穂乃花》が可愛いからな」


優は両手で穂乃花の両頬を触る。


「ほっぺも柔らかいし」

「触らないでよ……」

「今日もいっぱい食べるから柔らかさも増すだろ」

「……ダイエットしたいなぁ」

「今のままで十分魅力的だよ」


穂乃花は何かを思いついたように席を立ち上がる。


「早くしないと花火始まっちゃう!その前にかき氷とりんご飴買わないと!」


穂乃花は急いで屋台に向かう。


「お、おい!」

「優も早く!」

「……本当に食いしん坊だな」



無事にかき氷とりんご飴を買うと、花火の鑑賞席に向かう。


「間に合ってよかった~!」

「本当だよ。シロップの味で悩むなよ」

「だって!いちごもメロンもブルーハワイも美味しそうじゃん!」

「噂によるとシロップの味ってどれも一緒らしいけどな」

「そうなの⁉」

「おっ!始まったぞ!」


ドン!という音と共に花火が打ち上がる。


「綺麗だね!」

「そうだな」


花火がどんどん打ち上がる度に、穂乃花は見惚れていた。


「優……」

「なんだ?」

「優と行けてよかった」

「……!俺もだよ」


二人は距離を近づけると、寄り添って花火を見た。



帰り道。穂乃花は満足そうな表情をしていた。


「楽しかった~!」

「いっぱい食べたもんな」

「うん!」


穂乃花は心配そうな表情で優を見つめる。


「どうした穂乃花?」

「その……甲子園……出場出来なかったじゃん……大丈夫なの?」

「……!」


光星学園野球部は今年は惜しくも甲子園出場の切符を逃した。

推薦を受けるための勉強で、優や茂雄といった主戦力が出場出来なかったのも原因の一つとしてあった。


「推薦は通ったけど……甲子園は……」

「仕方ないよ。でも……あの時の悔しさをバネに来年は出場してくれることを願ってるよ」


優は泣きながら試合結果を報告する和夫を思い出す。


「俺の夢は和夫たちに託すことにするよ」

「そっか……」

「でも悔しいのは事実。だから穂乃花に俺の悔しさを埋めてほしいな」

「埋めるって?」

「……それは穂乃花にお任せしようかな」


優が先を行く。


「ちょっと!うちは何したらいいの?」


穂乃花は慌てて追いかけた。

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