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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第三部

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~外伝3~ マシュマロ彼女と打ち上げ

期末試験初日。試験開始のチャイムが鳴るまで、生徒たちは教科書やノートを確認している。


「優。ちゃんと勉強してきたか?」


咲人が声をかける。


「あぁ!ばっちりだけど……穂乃花が厳しかった……」


優は穂乃花と勉強した日々を思い出す。


―――「穂乃花。ここわかんない」

「さっきとほぼ同じ問題だから自分で考えて」

「考えてもわかんないから聞いてるんだって」

「教科書見直したら解けるから」

「穂乃花……厳しくない?」


優が不服そうに穂乃花を見つめる。


「甘くしたら優の為にならないから。テストまで厳しくいくよ」

「そんなぁ~……」

「ほら!今の時間がもったいないから考えて!」


―――「……それで毎日スパルタ教育で疲れたなぁ……」

「それはお疲れ様」

「でも勉強終わった後の穂乃花は普段通りで思わず……」


気がつくと咲人がいなくなっていた。


「人の話最後まで聞けよ!」

(惚気が始まりそうだったから離れて正解だったな)


咲人は教科書を開くと勉強し始めた。



数日経ち、期末試験が終わると優は嬉しそうに両腕を上げる。


「終わった~!」


先生が解答用紙を回収すると、教卓で説明する。


「試験結果は明後日発表だ。これで進路が決定するから、悪ければどうしようもないぞ」

「緊張する~」

「あそこの問題解けなかったなぁ~」

「絶対大丈夫なはず!」


生徒によって試験に対する自信は大きく違う。


「優!打ち上げにカラオケ行こうぜ!」


旭が誘ってくる。


「悪い!俺は先約があるから。じゃあな!」


優は急いで教室を出る。それを旭が不思議そうに眺めていた。


「先約ってなんだ?」

「どうせ雪宮とデートとかだろ」

「いいなぁ~」


優が穂乃花のクラスに迎えに行くと、穂乃花は千秋に捕まっていた。


「嫌だ~!一緒にカラオケ行こうよ~!」

「ごめんね。今日は優とお家デートするって約束したから……」


千秋が優をギロッと睨みつける。


「優君!いつも穂乃花ちゃんと仲良くしてズルい!私と遊ぶ頻度が減ったんだから今日はいいよね?」

「いや……今日だけは困る。折角テストが終わったんだから穂乃花とイチャイチャするって決めているんだ」

「いつもイチャイチャしてるくせに!」


千秋が穂乃花の手を引っ張る。


「穂乃花ちゃん!行こう!」

「あっ……ちょっと……」

「待て!」


優が穂乃花の手を引っ張る。


「俺が先に約束したんだよ!」

「いつも誘っても優君ばっかりで断られるもん!」

「恋人なんだからいいだろ!」


二人が穂乃花の方を見る。


「穂乃花!」

「穂乃花ちゃん!」

「「どっちを選ぶの⁉」」

「え、え~と……」


穂乃花が出した答えは……



「じゃあうちが最初に歌うね!」


穂乃花がデンモクを操作する。


(なんでこんなやつと……)

(なんで千秋こいつと……)


二人は不安そうに座っている。


「はぁ……俺が先に約束してたのに……」

「不本意だけど穂乃花ちゃんが言うならここにいてもいいよ?」

「なんで千秋おまえが上から目線で言うんだよ」

「私があんたより穂乃花ちゃんと仲良いんだから当たり前でしょ?」

「い~や。俺は恋人であり、幼馴染だぞ。穂乃花のことは何でも知ってるんだから」

「穂乃花ちゃんの知識は優君の方が上だと思うけど、関係性は同性で親友の私の方が上だもん!優君との関係の悩みや女の子の悩みにも寄り添えるんだから!」

「関係性は俺の方が圧倒的に上だけどな。保育園の時からの付き合いなんだから」

「だから……」


喧嘩が始まろうとすると、穂乃花が机をドンと叩く。


「ねぇ。喧嘩するなら外に出てくれる?」

「「すみません……」」

「じゃあ歌いま~す!」


穂乃花の静かな怒りに二人はしゅんとなった。



カラオケ帰りの夜道で、穂乃花は満足そうに歩いていた。


「楽しかったね~」

「そうだね!」

「まぁな……」


駅前に着くと、千秋が駅に向かう。


「またね!穂乃花ちゃん!」

「ちーちゃんまたね!」

「……優君。次は穂乃花ちゃんと二人きりがいいからね!一緒にいる頻度調整してよね!」

「善処します……」


千秋と別れると、穂乃花が優と手を繋ぐ。


「……!」

「今日はごめんね。でもどちらかにしたら拗ねちゃいそうだったから」

「千秋選んでたら拗ねてたぞ」

「埋め合わせはまたするから許してくれる?」

「じゃあ……今度やる夏祭り……一緒に行くぞ」

「うん!」


二人は手を繋ぎながら歩いた。

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