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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第三部

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第73話 マシュマロ婚約者のダイエット大作戦

とある日の昼。穂乃花は結婚雑誌を読んでいた。


(このドレス可愛いな……)


穂乃花は雑誌に写っているウェディングドレスを見つめる。


(うちもこんなドレス着たいなぁ……)


自分がウェディングドレスを着ているところを想像する。

白くて……装飾が綺麗で……ベールを着けて……でも……


「……」


鏡に映った自分を見る。

ぽちゃっとした体型にむちっとした太もも、そしてふっくらした顔。


(これ……うちが着ても似合わないんじゃ……)



「ただいま~」


優が帰ってくるとリビングの机に鶏チャーシュー、サラダ、白米が並べられていた。


「おかえり」

「あれ?今日は意外とヘルシーなメニューだな。どうした?」

「うち……ダイエットすることにしたの」

「ダイエット?」

「この体型じゃダメだから……いただきます!」


穂乃花はチャーシューを食べ始める。


(穂乃花がダイエットか……)


正直やめてほしい気持ちはあるが、本人が気にしているならしょうがない。

応援するとしよう。



それからも穂乃花はダイエットを続ける。

ご飯は全てヘルシーメニュー。早起きして苦手な腹筋、ランニングに取り組む。


「はぁ……はぁ……しんどい……」


穂乃花はスポーツドリンクをゴクゴク飲む。


(でも頑張らないと!結婚式で綺麗なウェディングドレスが似合う人になるために!)


穂乃花は飲み終わるとランニングを再開した。


「疲れた~!ちょっと休憩……」


穂乃花がベンチに座るとチラッとキッチンカーが見える。


「ソフトクリーム販売中で~す!」


ソフトクリーム……美味しそう……穂乃花はよだれを垂らす。


(ち、ちょっとだけ……いいよね?)


キッチンカーに向かって足を動かし始めると目の前に穂乃花の幻影が現れる。


「いいの?行っても」

「え?」

「ソフトクリームってカロリー高いよ?」

「食べたらその分走るから……」

「そう言ってたらどんどん自分に甘くなるよ?」

「……っ!」


幻影が穂乃花に囁く。


「どうする?結婚式で可愛い姿を見せることより目の前の欲望を優先するの?」

「……わかった」


返事した瞬間、幻影は姿を消した。


(結婚式に向けて頑張らないと)


穂乃花はキッチンカーから目を逸らし、走り始めた。



夜中。優は眠そうに目を擦りながら穂乃花に声をかける。


「おやすみ……」

「おやすみ」


寝室に行ったのを確認すると、穂乃花はこっそりおやつを取り出した。


(お腹空いた……)


穂乃花がクッキーの袋を開けようとする。


「ねぇ……また約束破ろうとしているの?」

「……!」


また幻影が現れる。


「お腹空いたの……」

「ダメよ。夜中に食べたら太るわよ」

「ご飯が物足りないから……」

「全ては瘦せるためよ。我慢しなさい」

「……っ」


穂乃花は何も言えず黙ってしまう。そうだよ。瘦せるためなんだから……

クッキーを戻そうとすると優が戻って来ていた。


「あっ……」

「……お腹空いたの?」

「うん……」

「何か作ってあげる」

「えっ……」


優はキッチンで冷蔵庫から食材を取り出す。


「座って待ってて」

「うん……」


優はキッチンで料理を作る。ネギを切って……スープを作って……


「お待たせ」


優が用意したのはラーメンだった。


「ダメだよ優……うちダイエット中なのに……」

「大丈夫。これ、麺じゃなくてしらたきで作ってるから低カロリーだよ?」

「そうなんだ……」


だったら食べてもいいかな……


「いただきます……」

「召し上がれ」


穂乃花がしらたきラーメンをすする。


「美味しい」

「よかった」


穂乃花は美味しそうに次々と口に入れていく。


「穂乃花。無理してるでしょ?」

「えっ?」

「いつもご飯物足りなさそうに食べてるし」

「うん……」

「なんでダイエット始めたの?」

「それは……」


穂乃花はウェディングドレスに自分が似合うか不安になったことを話した。


「なるほどね……でもそれは他の人のためにしようとしてることでしょ?」

「うん……」

「まずダイエットって無理したらダメなんだよ。いくら瘦せるためとは言っても、食事制限をしていたらしんどくなるんだよ。穂乃花が一番楽しいことは何?」

「優と一緒にいること……」


それを聞いて優は頬を赤くする。


「ありがとう……でもそうじゃなくて……他には?」

「ご飯……」

「最近の食事楽しんでる?」

「ううん。しんどい……」

「でしょ?食事って心がリラックスする行動の一つだよ?ちゃんとご飯は食べないと」

「でも……うち食べすぎちゃうから……」

「俺はいっぱい食べる穂乃花が好きだよ?」


穂乃花は恥ずかしそうに優から目をそらす。


「穂乃花がダイエットを続けたいなら俺は止めない。でも食事制限は止める。穂乃花のしんどそうな顔はこれ以上見ていられない。それに、太っていてもその人に似合うドレスはたくさんある」


優が穂乃花の手を握る。


「だから気にしないで」

「優……」

「それ食べ終わったら寝るんだよ?」

「うん!ありがとう!」


優が寝室に去って行くと、穂乃花は残りのしらたきラーメンを食べた。



穂乃花が寝室に入ると優はぐっすり眠っていた。


「明日も仕事なのに……うちのために作ってくれてありがとう」


そして、優の顔に近づき、頬にキスをする。


「大好き♡」


微笑むと穂乃花も眠り始めた。

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