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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第三部

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第70話 マシュマロ彼女の想い

日曜日。穂乃花が目を覚ますと、隣に優の姿がなかった。

アラームを見ると8時だった。


(こんな時間に起きてるなんて珍しい……)


リビングに向かうと優がキッチンで調理していた。


「おはよう」

「おはよう。珍しいね。こんな時間に起きてるなんて」

「今日はちょっとな……」

「……?」

「もう少しでできるから歯磨きしてきて」

「は~い」


穂乃花は歯磨きをしながら優のことを考える。


(やっぱり優……うちに隠し事してる……)


残業と偽って定時退社してるし……昨日からずっとそわそわしてるし……

電話もうちから離れてするし……


(やっぱり浮気してるのかな?でもあの否定が噓だとは思えないし……)


穂乃花がチラッと優の方を見ると朝食を作り終えてそわそわしている優が立っていた。


「優?」

「な、何?」

「さっきからそわそわしてるけど大丈夫?」

「だ、大丈夫!それより朝食できてるぞ」


優が二人分の朝食を用意する。

プレートにはオムレツ、サラダ、ソーセージが並べられていた。


「簡単な料理しかできなかったけど……どうかな?」

「美味しそう!」


穂乃花が席に座る。


「優も食べよう?」

「あぁ」


優も席に着くと、お互いに手を合わせる。


「いただきます」

「いただきます」


穂乃花はオムレツを口に入れる。


「……!」

「どうだ?」

「美味しい!」

「それはよかった」

「これからは優が朝食作ってよ」

「えぇ……早起きしないといけないんだけど……」

「うちが起こしてあげる!」

「嫌だなぁ……」


そう言いつつも本当に嫌そうではないようだ。


「ねぇ。夜ってどこに行くの?」

「まだ秘密だよ」

「教えてよ~」

「ダメ」


穂乃花が頬を膨らませる。


「夜まで待ってて」

「もう……気になるなぁ」



夜。穂乃花が優に連れられてやって来たのは高級そうなホテルだった。


「ここ?」

「うん」

「豪華だね。どうしてここに?」

「ちょっとね……じゃあ行こう?」


優が手を差し出す。


「う、うん……」


手を握り、ホテルへと入っていく。

レストランへ向かうと優がウェイターに声をかける。


「予約していた山城です」

「山城様ですね。お席へご案内致します」


二人はウェイターに案内された席に座る。


「凄く綺麗だね。どうしてここを予約したの?」

「最近……仕事が忙しくて穂乃花と一緒にいる時間がなかったからさ。穂乃花も休日出勤が多かったし。久しぶりにデートしたいなって思って」

「そうなんだ」

「ごめんね。寂しい思いさせて」

「本当だよ!で?なんで噓ついてたの?」

「折角なら豪華なところにしたいなって思って下見してたんだよ。それで遅くなった」

「一緒に居た女の人は?」

「え?」

「うち見たんだよ。噓ついてた時に女の人と一緒に居るところ」

「あぁ……取引先の人だよ。たまたま会って話しただけであれ以降は会社でしか会ってないよ」

「そっか……よかった……」


穂乃花がホッとした。


「俺が浮気なんてするわけないんだろ?こんなに優しくて可愛い彼女がいるんだから」

「……ありがとう」

「今日はいっぱい話そうよ。喋れなかったことをたくさん」

「うん!」


二人はレストランのフルコースを堪能しながら楽しく会話をした。


「美味しかった!」

「満足したか?」

「うん!」


ウェイターがやって来て机にデザートを置く。


「最後にデザートでございます。ごゆっくりお楽しみください」

「わ~!」


穂乃花が目を輝かせる。


「こちら、『ジュエル・ドーム~永遠の約束~』でございます。ホワイトチョコレートのドームの中にベリーのムースケーキが入っており、土台はチョコチップクッキーとなっております」

「すごい!」


穂乃花がスマホで写真を撮る。


「では、ベリーソースをおかけ致します」


ウェイターが温かいベリーソースをドームにかける。

すると、ホワイトチョコレートが溶け始め、ドームが割れる。

ケーキの上にはチョコレートで作られた箱がムースの上に置かれていた。


「それではごゆっくりお過ごしください」


ウェイターは頭を下げ、離れて行く。


「早く食べよう?」


穂乃花がスプーンを手に取り、ムースを取ろうとすると優がそれを止める。


「優?」

「……先にその箱を開けてくれないか?」

「これ?」


穂乃花がチョコレートで作られた箱を指すと、優はコクリと頷いた。


「これ開けれるんだ……」


手に取り、箱を開けて中身を見ると、穂乃花は目を見開いた。

中身はチョコレートプレート。そこにメッセージが書かれていた。


『Will you marry me?』


「穂乃花」


ビクッと反応して優を見ると、ポケットから取り出したリングボックスを開いていた。

そこには指輪が入っている。


「穂乃花……」


優は緊張と恥ずかしさが混ざった声で伝えた。


「俺と……結婚してください」

「……!」


穂乃花は口元を両手で抑える。まさか今日プロポーズされるとは……


「うちで……いいの?」

「えっ?」

「その……うちより可愛い人とか……たくさんいるし……結婚ってイメージが大事だから、もしかしたら優のイメージが……」

「そんなのどうでもいい!」


優の大声に穂乃花がビクッとする。


「俺は穂乃花とじゃないとダメなんだ……穂乃花以外の人と幸せになるなんて考えられない。だから……俺の奥さんになってください……」


優が頭を下げる。


「はい」

「……!」


優は思わず顔を上げる。


「ごめんね。ちょっと自信なくしてたから……うちも優と一緒に居たい。だから、優の奥さんになりたい」

「穂乃花……!」


優が笑みを浮かべる。


「指輪……はめていいか?」

「いいけど、つけれるかな?」


優は穂乃花の左手の薬指に指輪をはめる。


「ピッタリ……」

「よかった」

「いつうちの指のサイズを測ったの?」

「気持ちよさそうに寝ているときに」


穂乃花の顔が真っ赤になる。


「えっ⁉うちの寝顔見たの⁉恥ずかしいじゃん!」

「すやすや眠ってる写真あるけど見るか?」

「消してよ!」

「嫌だ」

「もう!」


穂乃花が頬を膨らませる。


「俺、穂乃花のこと幸せにするから」

「今も充分幸せだよ?」


穂乃花の笑顔が眩しいほど輝いていた。

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