第65話 マシュマロ彼女は臆病です。
太陽の眩しい日差しが寝ている穂乃花を照らす。
「んっ……?」
穂乃花が起き上がると自分が裸になっていることに気づく。
(えっ?なんでうち裸なの?)
穂乃花が優の方を見るとぐっすり眠っていた。
布団で見えないが、肩がチラッと見える。恐らく優も裸だろう。
(昨日酔ってて記憶ないけど……優に襲われちゃったんだ……)
そう思うとドキドキする。
「ふわぁ~……」
優が眠そうに起き上がる。
「優。おはよう」
「おはよう……酔い覚めたか?」
「うん」
「穂乃花……夕食後に酒を飲むのは禁止な」
「なんで?」
「その……昨日、激しかったから……」
それを聞いて穂乃花がポカンとする。
「えっ……うち、優に襲われたんじゃないの?」
「俺が襲われたんだよ」
「噓……」
「本当だよ。お腹触るように誘導してたし」
「!!!」
穂乃花の顔が真っ赤になる。
「穂乃花って変態だな」
「……変態じゃないもん」
「でも、めっちゃキスしてきてそれから……」
「それ以上聞きたくない!」
恥ずかしそうに優の頭を枕で何度も叩く。
「いたた!わかったからやめろ!」
叩くのをやめると、穂乃花は不機嫌そうに頬を膨らませる。
「全く……」
「あの……穂乃花……」
「何?」
「服……着てくれない?見えてるから……」
穂乃花は恥ずかしそうに両腕で胸を隠す。
「優の変態!」
「なんで⁉」
朝ご飯で作ったホットドッグを穂乃花は不機嫌そうに食べる。
「穂乃花?俺の分は?」
「知らない」
穂乃花がそっぽを向く。
「今回に関しては俺は悪くないぞ」
「そうだけど……うちの裸を見た罪は重いもん」
「いやいや……何度もしてるんだから今更……」
穂乃花が睨みつける。
「……何でもないです」
「優の分、キッチンに用意してるよ」
「ありがとう」
優が席に座り、ホットドッグを食べる。
「今日の夜、映画見ない?」
「何の映画?」
「それは見てからのお楽しみ」
「へぇ~楽しみ!」
よかった……機嫌良くなって……
夜。優は部屋の電気を消し、カーテンも閉める。
「なんで暗くするの?」
「暗い方が楽しめるからな」
キッチンでポップコーンを用意すると穂乃花に渡す。
「よし。じゃあ見るか」
「どんな映画かな~?」
穂乃花はワクワクしていた。さっきまでは……
「きゃぁぁぁぁぁ~!」
穂乃花が涙目で優に抱きつく。
「大袈裟だって。そんなに怖がるなんて」
「ホラーなんて聞いてない!」
「言ってないからな」
映画が終わると優はリモコンでテレビの電源を切る。
「面白かったな。特に主人公がゾンビになってしまうのは意外だったな」
「……」
「穂乃花?」
「優……お風呂一緒に入ろう?」
「いいけど……珍しいな。穂乃花から誘ってくるなんて」
「怖いもん!うちがお風呂入ってる時にゾンビ出てきたらどうすればいいの!」
「出てこないって……」
「怖いの!」
「でも……裸見られたくないんだろ?」
「……」
穂乃花は優の腕を引っ張って、お風呂に誘導する。
「今はそんなこと言ってられないから」
「おう……」
そんなに怖かったんだ……
「穂乃花。そろそろ寝ようか」
「……」
穂乃花が後ろから抱きつきながら優についていく。
「穂乃花。歩きづらい」
「怖いもん……」
「大丈夫だって。ゾンビなんていないんだから」
ベッドに入っても穂乃花に抱きつかれる。
「ちょっと……寝にくい……」
「怖いもん……」
「だから大丈夫って……」
「お腹触っていいから……ギューして……」
優は穂乃花の甘え声にドキッとする。
「わかった……」
優は穂乃花を抱きしめる。そして、片手でお腹を触る。
「んっ……」
恥ずかしそうだが、触られても何も言わない。
「穂乃花……」
優は穂乃花にキスをする。それも受け入れてるのか、何も言わない。
「安心した?」
「うん……ギューしたまま寝てくれる?」
「もちろん」
「じゃあ……おやすみ……」
「おやすみ」
穂乃花は優の腕の中ですぐに眠った。
(可愛いな……)
優もウトウトし始めて、やがて眠った。




