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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
過去編

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第61話 マシュマロ女の子とお泊まり保育

穂乃花の母親が保育園に迎えに来ると穂乃花が嬉しそうに抱きつく。


「ママ~!」

「穂乃花。今日も楽しかった?」

「うん!」

「穂乃花ちゃん!」


穂乃花が振り返ると優が立っていた。


「またね!」

「うん!」

「じゃあ帰ろうっか」

「ママ!お腹空いた!」

「帰ったらすぐ作るからね」

「やった~!」



夕食を食べて、お風呂から上がると、遊んで疲れたのか穂乃花はぐっすり眠っていた。

父親が抱っこして部屋のベッドに寝かせる。


「すぴ~……」

「最近の穂乃花、保育園楽しんで行ってるみたいだな」

「えぇ。優君には感謝しかないわ」

「もうすぐお泊まり保育だっけ?」

「うん。優君と長く遊べるって喜んでいたわ」

「本当に友達できてよかったな」


両親は部屋のドアをゆっくり閉めた。



お泊まり保育当日。穂乃花はリュックを背負い、家を出る準備する。


「穂乃花。本当に大丈夫か?」


東吾が心配そうに穂乃花に聞く。


「うん!大丈夫!」

「お兄ちゃんいなくて寂しくないか?」

「優君がいるから大丈夫!」

「優~~~!」

「早く退いてよ。保育園に送らないといけないんだから」


保育園に着くと穂乃花は嬉しそうに優のところへ駆け寄る。


「優君!」

「穂乃花ちゃん!」

「今日いっぱい遊ぼうね!」

「うん!」


その光景を母親は嬉しそうに見つめる。


「娘をよろしくお願いします」

「はい!」

「穂乃花。楽しんでね」

「うん!」



お泊まり保育が始まると優と穂乃花は一緒におやつを食べたり、ジャングルジムで遊んだり、いつものようにお絵描きしたり積み木で遊んだりする。


「皆~!エプロン着けて~!」

「「は~い!」」


先生の指示で園児たちがエプロンを着ける。


「これから皆でカレーを作りたいと思います!」

「「やった~!」」

「包丁を使ったりするので先生の言うことをちゃんと聞いてくださいね」

「「は~い!」」


穂乃花は先生と一緒に包丁でにんじんを切っていく。


「穂乃花ちゃんすごいね!野菜切るの上手だよ!」

「ママのお手伝いしてるもん!」

「偉いねぇ~」


それから切った野菜を鍋に入れて炒めたり、カレールーを入れてぐつぐつ煮込んでいく。


「いい感じにできてるね。じゃあ皆の分よそっていくね」


先生がご飯の上に、それぞれ作ったカレーをかける。


「それじゃあ皆!手を合わせてください!」

「「いただきます!」」


皆がカレーを食べていく。


「美味しい~!」


穂乃花が次々とスプーンでカレーを口に運ぶ。


「先生!おかわりください!」

「は~い。たくさんあるから皆もおかわりしてね」


穂乃花が美味しそうに食べる姿を優がじっと見つめる。


(穂乃花ちゃん幸せそうにご飯食べてる……可愛い……)


胸がずっとドキドキしてる。なんでだろう?


「どうしたの優君?うちの顔に何かついてる?」

「う、ううん!」

「……?」


やがて皆が食べ終わると先生が前に出る。


「それでは手を合わせてください」

「「ごちそうさまでした!」」


穂乃花は満足そうに椅子から立ち上がり、両手でお腹を触る。


「美味しかった~!」

「いっぱい食べてたね」

「だってカレー大好きだもん!」

「穂乃花ちゃんって食いしん坊だね」

「食いしん坊じゃないもん!」


その後、園児たちは入浴と歯磨きを済ませてベッドに入るとすやすやとすぐ眠った。

全員寝ていることを確認した先生はそっと教室を出ていった。



数時間後、ぬいぐるみを抱きしめてぐっすり眠っていた優は誰かに優しくポンポンと起こされる。


「んっ……?」


優が起き上がると隣に穂乃花が座っていた。


「ごめんね優君……起こしちゃって」

「どうしたの?」

「トイレ……行きたい……」

「行けばいいじゃん」

「ついてきてほしい……」

「先生に言えば?」

「一人で呼びに行くの怖いから……」


穂乃花が優の両手を掴む。


「お願い……一緒に来て……」


優の頬が赤くなり、胸がドキドキする。


「わかった……」


一緒に教室を出ると穂乃花は優にしゃがみつきながら一緒に歩く。


「ねぇ……近くない?」

「だって暗くて怖いもん……お化けでできたらどうするの?」

「いないから大丈夫だよ」

「いるかもしれないじゃん!」


穂乃花が涙目で訴える。


「でてきたらやっつけてあげるから……」

「本当?」

「うん」

「うちのこと守ってくれる?」

「もちろん」


穂乃花をトイレまでついていき、再び教室に戻ってくる。


「じゃあおやすみ」

「優君……」

「何?」

「ギューして……」

「……⁉なんで⁉」

「周りが暗いから怖くて眠れない……」

「大丈夫だって!皆いるから!」

「お願い……」


穂乃花が優を見つめる。


「……わかった」


優が穂乃花をギュッと抱きしめる。


「穂乃花ちゃん柔らかい……」

「そう……かな?」

「僕、抱き枕がないと眠れないんだけど……穂乃花ちゃんをギューして寝たい」

「えっ⁉」

「ダメ……かな?」

「……起こしちゃったしいいよ」

「じゃあおやすみ……」

「おやすみ……」


優は穂乃花を抱きしめながら眠った。



翌日。お泊まり保育が終わると穂乃花は迎えに来た東吾に抱きつく。


「お兄ちゃん!」

「穂乃花!お泊まり保育は楽しかったか?」

「うん!優君と一緒に居れて楽しかった!」

「そっか!よかったな!」


東吾は嬉しそうな顔をしているが心ではブチギレていた。


(俺の穂乃花を盗ろうとしやがって……)


「今日はお兄ちゃんと一緒に遊べるね!」

「……!そうだぞ!昨日の分もいっぱい遊んでるからな!」

「やった~!」


一方、優も母親が迎えに来ていた。


「優。楽しかった?」

「うん……」

「あら。眠そうじゃない。眠れなかったの?」

「うん……」


あの後、穂乃花を抱きしめて眠ったが、全然眠れなかった。


(穂乃花ちゃん……すごく柔らかかった……)


優はしばらくの間、ドキドキしていた。

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