表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
過去編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/94

第59話 マシュマロ女の子の出会い

とある保育園で少年『雪宮東吾ゆきみやとうご』が先生とヒーローごっこで遊んでいた。


「喰らえ!『ファイヤービーム』!」

「うわぁ!」


先生がやられたふりをする。


「今日も町の平和を守ったぞ!」


東吾が決めポーズをしていると女の先生がやって来た。


「東吾君。お父さんが迎えに来たよ」

「あれ?いつもより早い……」

「それがね……」


先生が東吾の耳元で囁く。


「もうすぐ産まれるんだって。赤ちゃん」

「本当⁉」


東吾が目を輝かせる。


「ほら。荷物持って帰る準備しよっか」

「うん!」


東吾は鞄を持ち、迎えに来た父親に抱きつく。


「パパ!赤ちゃん産まれるって本当⁉」

「あぁ。もうすぐ東吾はお兄ちゃんになるんだぞ」

「やった!」


父親は東吾を車に乗せ、病院に向かう。


「ママ大丈夫かな?」

「ママは赤ちゃんを産むために病院で頑張ってるから応援してあげて」

「うん!」


病院に着くと父親は母親の付き添いへ。東吾は祖父母と一緒に両親を待つ。


「ママ……」

「きっと大丈夫。お父さんが一緒だから……」

「うん……」


あれからしばらく経ち、東吾はやっと母親と再会することができた。


「ママ!」

「ごめんね東吾。しばらく待たせてしまって」

「それよりもママが元気でよかった!」


東吾がニッコリと微笑む。


「ママ。赤ちゃんは?」

「ここにいるよ」


母親が向いた方を見ると赤ちゃんがスヤスヤと眠っていた。


「可愛い……」


東吾がしばらく覗き込んでいると赤ちゃんが目を覚ます。


「あっ!起きた!」


赤ちゃんは目をパチパチさせながら東吾を見つめる。


「僕がお兄ちゃんだよ」

「……?」

「フフッ」


母親は二人を微笑ましそうに見つめていた。



数日後、母親が赤ちゃんを抱きながら家に帰ってきた。


「ママおかえり!」

「ただいま」

「赤ちゃんも久しぶりだね!」

「東吾。この子の名前……パパと話し合って決めたの」

「名前?教えて!」

「名前は『穂乃花ほのか』。ほのぼのと育ってほしいから穂乃花っていう名前なの」

「穂乃花……」


穂乃花は母親の腕の中ですやすや眠っている。


「穂乃花と仲良くしてあげてね」

「うん!僕、お兄ちゃんだもん!」


それから東吾は家で穂乃花と毎日遊んでいた。

穂乃花がハイハイができるようになると、真っ先に東吾のところへやってきたりと、東吾に懐くようになった。


「ちょっと穂乃花!僕のおもちゃ咥えようとしないで!」

「……あう?」

「穂乃花は食いしん坊だからね」


母親がおもちゃを取り上げると穂乃花が必死に手を伸ばす。


「穂乃花。これは食べ物じゃないよ」

「あ~~~!」

「お腹空いたの?」

「あう」

「すごいね。さっき離乳食食べたばかりなのに……」

「あ~~~!」


早く用意しろと言っているのか母親の足に絡みつく。


「わかったわかった。用意するからちょっと待ってて」

「あう」

「全く……食べ過ぎるとよくないから栄養考えないといけない私の身にもなってほしいわ」


母親はブツブツ言いながらキッチンに向かう。


「穂乃花って僕たちが喋ってる言葉分かるのかな?」

「……?」



あれから三年経つと穂乃花も成長し、言葉を話せるようになった。

赤ちゃんの頃からたくさん食べ続けたからかふっくらとした肉づきになっていた。


「お母さんのご飯美味しい~!」

「ありがとう」

「うちもお母さんみたいなご飯作ってみたい!」

「じゃあ今度一緒に作ろっか」

「うん!」

「穂乃花が作るご飯……楽しみだな~!」

「お兄ちゃんの分頑張って作る!」

「穂乃花……!」


東吾は嬉しすぎて涙が出そうな顔になる。


「ごめんね東吾。急に引っ越すことになって……」

「仕方ないよ。パパのお仕事の場所が変わるんだから」

「せっかくお友達できたのに申し訳ない……」

「大丈夫だよパパ。向こうでも友達作るから!」

「……」


三人が会話しているなか、穂乃花だけ寂しそうな顔をしている。


(いいなお兄ちゃん……うちもお友達できたら保育園楽しくなるかな……)


穂乃花は保育園に馴染むことができず、友達ができずにいた。

行っても一人で遊ぶか、先生と遊ぶかのどちらか。

皆と遊ぶことがあっても上手く話せなかったため自然と距離を取られていた。


(うちと仲良くしてくれる人っているのかな……)



数日後、東京に引っ越しすると穂乃花は新しい保育園に通い始めることになった。


(大丈夫かな……)


穂乃花はドキドキしていると先生が皆に紹介する。


「今日から新しくもも組のメンバーになった穂乃花ちゃんです!穂乃花ちゃん。自己紹介して」

「ゆ、雪宮穂乃花です……よろしくお願いします……」


そう言って頭を下げる。名前を言っても特に反応はない。


「皆仲良くしてあげてね」

「は~い!」


一人の少年が大声で返事する。

それに反応して顔を上げると少年が近づいて来た。


「僕は山城優やましろゆう!よろしくね!」

「よろしく……」

「ねぇねぇ!一緒にお絵かきしよう?」

「え、えっと……」

「こっち来て!」


優がクレパスとスケッチブックを取りに行く。


「穂乃花ちゃん。行っておいで」

「は、はい……」


穂乃花はクレパスとスケッチブックを用意する優を見つめる。


(うちと仲良くしてくれるのかな?)


仲良くなれるか不安もあったがそれと同時に期待もあった。


「穂乃花ちゃん。行っておいで」

「は、はい……」


穂乃花は緊張しながら優のところに向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ