第6話 マシュマロ幼馴染の夏祭りデート
「……」
「穂乃花ちゃん?」
「は、はい!」
「大丈夫?さっきから元気ないけど……」
「だ、大丈夫です!」
穂乃花は空と夏祭りに来ていた。優とはあれから話せていない。
メールで謝ったが、既読がつかない。
「何食べたい?」
「じゃあ……ミルクせんべい食べたいです」
「オッケー!」
穂乃花がミルクせんべいを食べる。
「美味しいね」
「……」
「穂乃花ちゃん?聞いてる?」
「は、はい!美味しいです!」
「何かあった?」
「えっ?」
「今日いつもより元気ないからさ。俺でよければ話聞くからさ」
「だ、大丈夫です!大したことじゃありませんから!」
「そう?」
「ほ、ほら!あそこスーパーボールすくいありますよ!行ってみましょう!」
「よし!行こうか!」
(秋風先輩と夏祭りなのに……なんで楽しくないんだろう?)
「あっ!破けちゃった……」
「俺もだ。難しいな」
「先輩も結構取りましたね」
「個数少ないけどな」
「……」
―――穂乃花は幼い頃に来た夏祭りを思い出す。
「うわ~ん!取れない!」
穂乃花のポイの紙が破れる。
「穂乃花は水につけすぎなんだよ。こうやってとるんだよ!」
優がポイで大量のスーパーボールをすくう。
「ほらな」
「すごい……」
「じゃあ次行こうよ」
「ねぇねぇ……」
「なんだ?」
「うちにも分けてほしい……」
「嫌だよ。取れなかった自分が悪いだろ」
「~~~!」
穂乃花に目に涙がたまる。
「わ、わかったよ。好きなやつ取れよ」
「やった~!」
穂乃花がスーパーボールを掴む。
「ちょ穂乃花取りすぎ!」
「同じものいっぱいあるからいいでしょ!」
「ったく……」
―――袋にはたくさんのスーパーボールがある。
あの頃は取れなかったが、今は少しだけ取れるようになった。
(懐かしいなぁ……)
「もうすぐ花火が始まるから見えやすい場所に行こうか」
「はい!」
空と穂乃花は花火が見えやすい場所に移動し始める。
「人多いですね……」
「はぐれないようにしっかり俺の手を繋いで」
空が手を差し出す。穂乃花はドキドキしながら手を掴む。
(秋風先輩の手……大きい……)
―――幼い頃、穂乃花は人混みで迷子になったことがあった。
「優~どこ~?」
周囲を見ても大人ばかりだ。
(どうしよう……はぐれちゃった……)
「穂乃花!どこだ~?」
「優!」
穂乃花は声がした方に向かう。
「穂乃花!見つけ……」
「優~!」
穂乃花が優に抱きつく。
「ちょっ抱きつくな!」
「だって迷子になったと思って……」
「なっただろ」
「なってないもん!」
「はぁ……手繋ぐぞ」
「えっ?」
「また迷子になったら俺が怒られるんだから」
「うん……」
優と穂乃花が手を繋ぐ。
「穂乃花って手も柔らかいな」
「手もって何よ」
「いや穂乃花って太ってるからお腹も……」
「優のバカ!」
―――(なんで優と言った夏祭りを思い出すんだろう……)
いよいよ夏祭りのメインである花火が始まっていた。
「先輩!花火始まってます!」
「移動に時間かかったな」
どんどん花火が打ちあがっていく。
「綺麗ですね」
「あぁ……」
二人は打ち上げられる花火を見続ける。
「穂乃花ちゃん……ありがとな」
「えっ?」
「マネージャーとして支えてくれたことに感謝している」
「いえ、そんな……」
「穂乃花ちゃん……」
空が真剣な眼差しで穂乃花を見つめる。
「俺……穂乃花ちゃんのこと……」
ドドドドド!!!!!クライマックスの花火が打ちあがった。
「……どうかな?」
「すみません。花火で聞こえなくて……なんて言いましたか?」
「えっと……穂乃花ちゃんのこと……」
『これにて花火が終了です。ご来場の皆さんは速やかに会場を離れてください』
「ですって。帰りましょう」
「あ、あぁ……」
穂乃花は空のしょんぼりとした表情に気づかなかった。
「本当に送っていかなくて大丈夫?」
「大丈夫です!今日はありがとうございました!」
空と別れた穂乃花は帰り道を歩く。
(久しぶりに着物着ていっぱい食べたなぁ~)
鞄には屋台で買ったりんご飴がある。
(優の家に行くけど緊張する……これで許してくれるかな……)
穂乃花の背後にはガラの悪い二人がついてきていた。
「本当にあの子狙うのか?」
「見た感じJKだし、いけるだろ」
「でもデブじゃねぇか」
「俺はデブ好きなんだよな~」
「まぁ俺もJKならいいか……」
穂乃花は二人の魔の手に気づいていない……