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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第二部

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第51話 マシュマロ彼女と理想の生活

「優。起きて」


優が目を開けると穂乃花がいた。


「あれ?もうそんな時間?」

「そんなって……もう9時だよ?」

「そうか……9時か……」


優が時計を確認する。……9時⁉


「ヤバい!」


優は慌てて起き上がる。


「どうしたの優?」

「どうしたじゃねぇよ!学校始まってるじゃん!なんで穂乃花ここにいるの⁉」

「……優寝ぼけてる?」

「寝ぼけてなんか……」

「うちら、卒業したじゃん」

「……は?」


優はポカンとする。


「卒業……?」

「そうだよ。高校生の時の夢でも見てた?」

「夢……?」


夢……だったのか?甲子園から帰ってきて、夏休みの宿題を穂乃花として……

最近の出来事だったはずなのにそれが夢?


「……」

「優の分のご飯作ってあげるから早く歯磨きしてきて」

「作る?穂乃花が?」

「まだ寝ぼけてるの?うちは優の奥さんだから当たり前でしょ?」


穂乃花が右手の薬指にはめた指輪を見せる。


「え~~~~~っ⁉」



歯磨きが終わり、リビングに行くと朝食が用意されていた。


「今日は日曜日だからサンドイッチ作ったよ」

「あ、ありがとう」


椅子に座ると手を合わせる。


「いただきます」

「召し上がれ」


優がサンドイッチを取って、一口食べる。


「美味しい……けどレタス多すぎだろ」

「野菜余ってたからいっぱい入れちゃった」

「サラダで使ったらいいだろ」

「確かに」


穂乃花が優が食べるところを見つめる。


「目覚めた?」

「覚めたけど結婚したってまだ信じられないな」

「それ覚めてないじゃん……」


穂乃花が頬を膨らませる。


「うちと結婚したことを忘れるなんて……」

「ごめんごめん」

「洗濯物。干すの後で手伝ってよね」

「わかった」


食べ終わると二人でベランダに洗濯物を干す。

穂乃花がハンガーで優のTシャツを干している。


(本当に結婚したんだ……俺たち……)


視線に気づいたのか、穂乃花が優の方を向く。


「どうしたの優?」

「何でもない。可愛いなって思っただけ」

「ありがとう!」


穂乃花の笑顔にドキッとする。


「終わったらお買い物行こう?」

「わかった」



二人はスーパーに移動する。


「お肉とキャベツと……あっ!ネギ安くなってる!」


穂乃花がネギを手に取る。


「何作るの?」

「お昼はきつねうどんで夜は優が大好きなみそ鍋だよ」

「やった!」


家に戻り、二人はきつねうどんを食べる。


「優って油揚げ最初に食べるの?」

「そうだけど?」

「最後に食べた方が美味しいと思うけどなぁ~」

「きつねうどんなのに最後に食べてどうするんだよ」

「だから幸せに感じるんだよ?」

「さすが食いしん坊」

「食いしん坊関係ない!っていうか食いしん坊じゃないもん!」


その後、穂乃花の手作りケーキを食べながら紅茶を飲んだり、ソファーでお互いくっついて映画を見た。


「もうこんな時間!早くご飯作らないと!」


穂乃花はエプロンを着けて、手を洗うと包丁でキャベツを切り始める。


「……」


優は穂乃花のエプロン姿に見惚れてじっと見つめる。


「優。みそ用意してくれる?」

「あ、あぁ……」


我に返り、優は冷蔵庫からみそを取り出す。


「じゃあみそ入れてくれる?」

「……」

「優?」


優は穂乃花を後ろから抱きしめる。


「危ないよ?今包丁使ってるんだから」

「ごめん……我慢できなかった」

「今はダメ。寝る前にしてくれる?」

「わかった……」


優は少ししょんぼりするが穂乃花の料理している姿が綺麗で見惚れてしまう。


「できたから食べよう?」

「あぁ」


二人でみそ鍋を食べ始める。


「穂乃花って料理上手だったんだな」

「そうだよ?今気づいたの?」

「知ってたけどあんなに作れるとは思ってなかったから」


優は穂乃花の手料理を思い出す。


「うちの優への愛情感じる?」

「感じるよ。全部美味しいから」

「よかった!」


その後も和気あいあいとした空気でみそ鍋を食べた。



「もうこんな時間か。そろそろ寝るか」

「そうだね」


二人は寝室に移動する。


「じゃあおやすみ」

「優!忘れてるよ!」

「何を?」

「おやすみのチュー……」

「……!」

「今日はしてくれないの?」

「……するよ」


優は穂乃花をギュッと抱き寄せてキスをする。


「……ありがとう」

「穂乃花大きくなったな」

「それはお互い様でしょ?うちら大人だよ?」

「それはそうだけどさ」


そう言って優は穂乃花のお腹を触る。


「……!ちょっと!」

「凄い肉感……」

「うちが太ったみたいな言い方じゃん!」

「どうなったらこんなに柔らかくなるんだよ」

「……知らない!」


穂乃花は拗ねて布団に籠った。


「今日は抱き枕禁止!」

「そんなぁ……ごめんって」

「……じゃあうちの好きなところ言って」

「お腹の触り心地がいいところ」

「おやすみ」

「冗談だって!」


優も布団に籠り、穂乃花を抱きしめる。


「優しくて料理上手で笑顔が可愛いところだよ」

「……特別に許してあげる」

「やった」


優の手が穂乃花のお腹に伸びる。


「ねぇ……触らないでよ……」

「なんで?」

「恥ずかしいから……」

「いいじゃん。結婚してるんだから」

「……!」


穂乃花の顔が真っ赤になる。


「優……寝ぼけないでよ……うちら高校生だよ?」

「え……?」



―――優が目を開けると制服を着た穂乃花が優に抱きしめられていた。


「やっと起きた……」

「なんで制服着てるの?」

「今日始業式だから当たり前でしょ?」

「まさか……今のが夢かよ……」

「ねぇ……早く離してよ……」

「わ、悪い……」


優が穂乃花を解放する。


「早く歯磨きしてきて!」

「は~い」


優は洗面所に移動する。


(優……うちと結婚した夢見てたんだ……)


穂乃花は嬉しそうな笑みを浮かべていた。



(夢か……)


道理で辻褄が合わないわけだ。でも……


(今のは夢は夢でも予知夢だったりするのかな?)


優は歯ブラシに歯磨き粉をつけて歯を磨き始めた。

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