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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第二部

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第46話 マシュマロ彼女と過ごす開幕前(後編)

夕食の時間になり、レストランに部員たちが集まる。


「すげぇ!ビュッフェだ!」

「美味そう!」

「早く食おうぜ!」


皆が次々と取っていくなか、穂乃花はよだれを垂らしてじっと見つめる。


「……どれにしようかな」

「よだれ垂れてるぞ」


優がティッシュで穂乃花の口を拭く。


「だって全部美味しそうなんだもん」

「いっぱい食べたらまた柔らかくなるぞ」


優が穂乃花の頬をツンとする。


「これ以上の柔らかさってどんな柔らかさだろうな?」

「こら!ツンツンダメ!」

「早く行かないと欲しいもの取られるぞ」

「優が話しかけるからでしょ?」

「早く行こうぜ」


二人は食器を持ち、取りに行った。



「はぁ~!いっぱい食べれて幸せ~!」


穂乃花は満足そうにお腹をポンポンと叩く。


「どんだけ食べたんだよ……」

「え~と……ローストビーフでしょ?カレーでしょ?チャーハンでしょ?それから……」

「いや食べ過ぎだろ」


優が呆れていると監督が前に出る。


「では皆さん。いよいよ明日から甲子園です。我々の試合はまだ先ですが、開会式は明日ですよね?明日試合の気持ちで開会式に望みましょう」

「「うっす!」」

「就寝時間は夜10時なのでそれまでに各自入浴を済ませておくように。あと明日は朝早いのでしっかり睡眠を取るように。いいですね?」

「「うっす!」」

「では解散!」

「「うっす!」」


部員たちが立ち上がり、部屋に戻って行く。


「じゃあ穂乃花。また明日な」

「うん!」



「え~と……あと持っていくのは……」

「穂乃花~!まだ~?」

「あとちょっと!」


穂乃花は荷物を持ち、美咲と共に部屋を出る。


「紗也華ちゃんは?」

「食べ終わった後すぐ大浴場に行ったわよ。今日は早く寝たいからって」

「そっか」


二人が部屋を出ると男子生徒たちが道を塞いで喋っていた。

甲子園出場校だろうか?


「遠回りする?」

「なんであんな奴らの為に遠回りしないといけないのよ?」


美咲が男子生徒たちの方へ向かって行く。


「ちょっと美咲……!」

「ねぇ。そこどいて!」


美咲の声に男子生徒たちが気づく。


「ん?なんだお前……マネージャーか?」

「関係ないでしょ?早く通して」

「そうだなぁ~俺の部屋に来てくれるなら通してあげてもいいよ?」

「はぁ⁉」

「おいおいお前だけずるいぞ」

「大丈夫だってゆっくり可愛がってからお前らにも貸してあげるから」

「ならいいや」


美咲が腕を掴まれる。


「じゃあ俺の部屋に案内してあげる」

「……!離して!」

「ちょっと!美咲を離して!」


穂乃花が腕を離そうとする。


「お前ら。先にそいつとやれよ」

「いいんすか?」

「じゃあ君は俺の部屋に行こうか」

「ずるいっすよ先輩!」

「……!いやっ!」


優助けてと思った瞬間、誰かが男の肩を叩く。


「あん?なん……!!!」

「お前ら何してるの?」

「キ、キャプテン!」


男子生徒たちが青ざめる。


「ち、違うんすよ!これは……」

「言ったよな?もう問題を起こすなと」

「そ、それは……」

「あの子たちに謝れ」


男子生徒たちが一斉に頭を下げる。


「す、すみませんでした!」

「よし。このことはきっちり監督に言っておくからな」


それを聞き、男子生徒たちが慌てる。


「そ、そんな!俺たち甲子園のレギュラーなのに……」

「お前らみたいな奴に甲子園出てほしくねぇよ。分かったら部屋で震えて待て」

「あ……」

「いいな?」


キャプテンが睨みつける。


「はい……」

「じゃあとっとと部屋に戻れ」


男子生徒たちが絶望しながら部屋へと戻っていく。


「お怪我はありませんか?」

「い、いえ……大丈夫です」

「よかった。あいつらはきっちりと言っておきます。本当にすみませんでした……」


キャプテンが頭を下げる。


「そんな!あなたは悪くないですよ!」

「そうですよ!顔を上げてください!」

「……ありがとうございます」


キャプテンが顔を上げる。


「マネージャーさんですか?」

「はい。そうです」

「大変ですね。ちなみに高校は?」

「光星学園です」

「あぁ……西東京の」

「ちなみにあなたは……?」

奈良神鹿高校ならしんろくこうこうです」


奈良神鹿高校……去年の甲子園準優勝校だ。


「では僕はこれで。試合で会うことを楽しみにしてます」


キャプテンは頭を下げると去って行った。


「美咲大丈夫?」

「う、うん……」

「じゃあ大浴場行こっか」

「……」

「美咲?」

「あっうん!行こう!」


穂乃花は美咲の頬が赤くなっていたことに気づかなかった。


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