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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第二部

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第44話 マシュマロ彼女への吐露

真夏のとある日。甲子園出場をかけた地方大会決勝戦が行われていた。

対戦相手は、去年の甲子園出場校『青北高校』だ。

9回裏、スコアは3対2で光星学園がリード。


(あと少し……)


ボールを握る優の手が震える。ここで逆転されたら皆の努力が無駄になる。


(行くぞ)


優が球を投げる。渾身のストレートがミットに吸い込まれる。


(よし。ストライク!)


2球目、変化球。わずかに外れる。3球目、バッターが大きく空振り。

ツーストライク、ワンボール。


(あと一球……)


優が全力で球を投げる。しかし、バットが球に直撃する。


(まずい……!)


打球が高く、空へと上がっていく。レフトが前進し、グラブを差し出す。


「捕ったァァァァァ!!」


スタンドから悲鳴のような歓声が上がる。

グラウンドに、マウンドに、歓喜の輪が広がっていった。


「よかった……」


優がホッと息をつく。


「やったな!優!」


茂雄が優に抱きつく。


「信じられねぇ!俺たちが甲子園出場だなんて!」

「おいおい喜ぶのはまだ早いぞ。俺たちの目標は甲子園優勝だからな。今はその第一歩に過ぎない」

「そうだな!この調子で頑張ろうぜ!」

「あぁ!」



数日後、穂乃花が優の部屋に遊びに来ていた。


「甲子園出場なんて……実感ないな……」

「優がそんなこと言うなんて珍しいね」

「そうか?」

「うん。優は中学生の頃から野球をやり始めて、甲子園優勝が目標って言っていたから凄く出場できたの嬉しいんだろうな~って思ってたんだけど」

「嬉しいのは噓じゃないよ。ただ……今も信じられないっていうか」

「そっか……それにしても何十校もある高校から代表で出場するんだからすごいよ」

「俺はすごくないよ。皆が頑張ったおかげだよ」

「少しは自分のこと褒めたらいいのに」


穂乃花が優の頭を撫でる。


「優。頑張ったね」

「……ありがとう」

「うちに褒められるの恥ずかしい?」

「うん……」

「照れてる優可愛い」

「やめろよ……」


優が恥ずかしそうに顔を逸らす。


「でも……甲子園出場が決まったからこそ不安になるんだ。甲子園には当然だけど予選よりも強い奴がたくさんいる。だから……俺の球が全部打たれるんじゃないか?

全然通用しないんじゃないか?って思う」

「……」


穂乃花は優が抱える不安を黙って聞いていた。


「ごめんな。穂乃花にこういう話をして」

「ううん。うちはマネージャーだよ?部員のサポートをするのが仕事。悩みも聞くのも仕事の一つだよ」


穂乃花が優の両肩に手を置く。


「優なら大丈夫。努力していたのずっと見てきたもん。優が頑張っているのはうちが一番知ってるよ?」

「……!」

「それでも不安?」

「いや……ありがとう。おかげで気持ちが軽くなった」

「よかった」


穂乃花が嬉しそうに微笑んだ。


「甲子園頑張ってね。うちらマネージャーもサポートするから」

「ありがとう」


甲子園開幕まであと数日と迫っていた。

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