第36話 マシュマロ彼女の不安
放課後になり、穂乃花が教室を出ると紗也華が待っていた。
「雪宮先輩!」
「どうしたの?わざわざ二年生の棟まで来て」
「今日部活休みですよね?授業でわからないところがあって……教えてほしいな~と思って」
「じゃあ図書室で教えるね。行こっか」
「はい!」
図書室に移動し、穂乃花は紗也華に教える。
「……で、こうしたら答えが出るの」
「すごい!雪宮先輩わかりやすいですね!」
「そうかな?」
そう答えつつ、穂乃花の疑問に思っていたことを聞いた。
「あのさ、どうして先生や友達じゃなくてうちに聞いたの?」
「雪宮先輩がどんな人か知りたかったんです。山城先輩が選んだ理由がわかるかもって思って」
「……それって優のこと諦めてないってこと?」
「そうですよ?当たり前じゃないですか」
常識のように言う紗也華に穂乃花が固まる。
「浮気や不倫が存在する理由はわかりますか?その人を好きになってしまったからですよ。恋人がいても、結婚していても好きな気持ちは抑えられないものなんですよ?」
紗也華が立ち上がる。
「それに見た感じ、私の方が可愛いし魅力的ですね。山城先輩と別れることになるのも時間の問題ですよ?」
「……優はうちのこと大好きだもん。別れるわけがない」
「じゃあ予言します。もうすぐ山城先輩は私の彼氏になる」
「!!!」
「本人に距離を取るように言われたので作戦練り直さないとなぁ~。今日は教えてくれてありがとうございました!」
紗也華は鞄を持ち、図書室を去った。
帰り道、穂乃花は不安を抱えていた。
(どうしよう……優が紗也華ちゃんと付き合うことになったら……)
穂乃花は不安を飛ばすように首を振る。
(そんなことない!優はうちのこと大好きだもん!いつも甘えてくるし、お腹触ってくるし……自分で思ってて恥ずかしいけど。でも……)
穂乃花は紗也華の発言を思い出す。
(それに見た感じ、私の方が可愛いし魅力的ですね。山城先輩と別れることになるのも時間の問題ですよ?)
そうかもしれないけど……
(優がうちと別れるはずないもん!)
目の前には優が住む家があった。
優が部屋で宿題をしているとドアがノックされる。
「優。穂乃花ちゃん来たわよ」
「入れて」
ガチャっと穂乃花が入ってくる。
「宿題してたんだ。珍しいね」
「宿題ぐらいちゃんとやるよ。どうした?」
「……ちょっとこっち来て」
「?」
優が立ち上がり、穂乃花の元に来るとギュッと抱きしめられた。
「穂乃花?」
「優はさ……うちのこと好き?」
「当たり前だろ」
「うちって可愛い?」
「可愛いよ」
「じゃあ証明して」
「証明?」
「うちが好きっていう証明」
「疑ってるのか?」
「そういうわけじゃないけど……不安なの。優がうちを捨てるんじゃないかって」
「そんなわけないだろ」
「だったらその証明をしてよ」
「……穂乃花。こっち向いて」
穂乃花が優を見ると唇が触れ合う。
「!」
唇を離すと優はベッドに座る。
「穂乃花……こっち来て」
言われた通りに行くとベッド押し倒された。
「優?」
「証明してやるよ。好きってことを」
優が穂乃花のセーラー服に手をかける。
「待っ……」
穂乃花は恥ずかしそうに目を閉じる。しかし、服を脱がされる気配がない。
(あれ?)
穂乃花が目を開けると優の姿はなく、宿題をしていた。
「……脱がさないの?」
「ゴム用意してないからな。それに今ので十分証明できただろ?」
「……か、帰る!」
穂乃花は恥ずかしそうに部屋を出た。
「……」
少し経つと優はシャーペンを机に置き、ふ~と息をつく。
(危なかった……マジで襲うところだった……)
ゴムがなくてよかったと思ったが、あったらよかったとも思ってしまう複雑な感情になっていた。
(宿題終わったら買うか……一応……)
穂乃花はドキドキしながら帰路に就いていた。
(優にいつされてもいいように下着ちゃんとしないとなぁ……)
家に着くまでずっとドキドキしていた。




