第31話 マシュマロ彼女へのお返し
(マジでどうしよう……)
優は頭を悩ませていた。もうすぐバレンタインから一ヶ月が経とうとしている。
ホワイトデーで何を渡すべきだろうか……
(とりあえずショッピングモールに行くか……)
優は鞄を持ち、家を出た。
まずは化粧品コーナーを回る。
ハンドクリーム、化粧水、香水……いろいろある。
(穂乃花に化粧品って喜ぶかな?)
穂乃花ってこういうのは興味なさそうだけど……
とりあえず保留にしよう。
次はアクセサリーだ。
ネックレスやピアスなどが売ってある。
(指輪……)
優は店の指輪をじっと見つめる。
(いつか俺も穂乃花に渡したいなぁ……)
優は指輪をつけた穂乃花を想像する。
(でも穂乃花はアクセサリーしないよな……違うものにしよう)
この後も色々なところを回ったがなかなかいいものが見つからない。
(どうしよう……)
こういう時って何渡せばいいのだろう……
(化粧品とかアクセサリーも欲しいってわけじゃなさそうだしな……)
ショッピングモールをふらふら歩いているとあるものを見つけた。
(これだ!)
優のお返しが決まった。
数日後。優と穂乃花はショッピングモールで合流した。
「誘われたから来たけど何するの?お買い物?」
「俺について行けばわかるよ」
二人で歩いていると優が立ち止まった。
「ここだよ」
「ここって……」
たどり着いたのは最近、ショッピングモールにできた人気のカフェだ。
「ここ、アフタヌーンティーあるからさ。それが俺のお返し」
「珍しいね。てっきり前みたいにうちが好きな食べ物だと思った」
「物でもよかったけど……やっぱり穂乃花って食べている時が幸せそうだと思ったからさ」
「やった!早く入ろう!」
穂乃花は優の手を引っ張ってカフェに入った。
「お待たせしました。アフタヌーンティーセットです」
アフタヌーンティースタンドにスコーン、ケーキ、サンドイッチがのってある。
「美味しそう!優ありがとう!」
「全部穂乃花が食べていいよ」
「それは申し訳ないよ。優も食べてよ」
「じゃあ、サンドイッチだけ……」
優はサンドイッチを手に取り、口に入れる。
「美味い」
「美味しいね!」
喜んでもらえてよかった。
穂乃花はあっという間に食べ終わり、スコーンを口に入れる。
「もうサンドイッチ食べたのかよ」
「だって美味しいもん。美味しい食べ物ってすぐ口からなくなるからさ」
穂乃花が美味しそうに食べるとこっちも自然と笑顔になる。
「優はどっちのケーキを食べたい?」
「どっちも食べていいよ」
「遠慮しないでいいのに……」
「お返しなんだから穂乃花が食べなよ」
穂乃花はフォークでケーキを切ると、優の口に持ってくる。
「はい、あ~んして」
「いいって……」
「お返しする人が望んでいるんだから食べて!」
「わ、わかったよ」
優は恥ずかしそうにパクッと食べる。
「どう?」
「美味しい……」
「もう一個のケーキ食べていいよ」
「じゃあ……いただきます」
やっぱり穂乃花の優しさには敵わないな……
「ごちそうさま!美味しかった!」
穂乃花は柔らかいお腹をポンポンと叩く。
「期待以上だったか?」
「うん!大満足!」
「それはよかった」
「また連れていってくれる?」
「考えておくよ」
「約束だよ!」
穂乃花は嬉しそうに言った。




