第29話 マシュマロ彼女と映画館デート
冬休みが終わり、今日から三学期が始まるが優はそれを感じさせないほど爆睡していた。
そんな優をいつものように穂乃花が起こしに来た。
「優起きて!」
「う~ん……」
返事はするが起き上がらない。
「遅刻するよ?」
「今日始業式だから朝練ないだろ?」
「だからうち、遅めに来てるの。早く起きて」
「あと5分だけ……」
「ダメだよ。早く起きて」
穂乃花が優の体を揺する。
「わかったわかった起きるよ」
優が渋々起き上がる。
「早く準備して行くよ」
「わかったよ」
久しぶりの登校……嫌だなぁ~
教室に入ると咲人が既に席に座っていた。
「咲人!あけましておめでとう!」
「あけおめ」
「年末年始何してた?」
「ゲーム」
「お前ゲームしかしないな」
「そう言うお前はどうせ雪宮とイチャイチャしてたんだろ?」
「……♪(口笛)」
「図星だな」
「だってよ……可愛いから仕方ないだろ……」
(恋ってそんなに夢中になるかねぇ~)
咲人は恥ずかしそうな顔をする優を見て考えていた。
日曜日。優と穂乃花は映画館に来ていた。
「楽しみだね!『巨大怪獣vs巨大ザメ』!」
「そ、そうだな……」
優は乗り気ではなかったが穂乃花がどうしても優と行きたいと言うので行くことになった。
(面白くなさそうだけど穂乃花といれるなら……まぁいいか)
「ところでそれ……食べれるの?」
穂乃花は映画の前にポップコーンを買っていた。しかもジャンボサイズ……
「迫力ある映画だからバクバク食べちゃうかも」
「さすが食いしん坊」
「食いしん坊じゃないもん!」
席に座り、映画が始まった。
怪獣が口から炎を放つとサメに直撃する。
穂乃花は目を輝かせながらポップコーンを食べる。
(めっちゃ面白そうに見てる……)
普段は食べ物にしか目を光らせないのに……
(でも……それがこの映画か……)
スクリーンにはサメに体を捕食される怪獣が映し出されていた。
「面白かったね!」
「そ、そうだな……」
「優~お腹空いた~。ご飯行こう?」
「さっきまでポップコーン食ってただろ?」
「あれは軽食だよ」
あの量が軽食なんだ……
「しょうがないな。美味い物でも食べに行くか」
「やった!」
やってきたのはハンバーグレストランだ。
「え?穂乃花……それ食べれるの?」
「?食べれるから頼んだんだよ」
穂乃花が頼んだのは大きなハンバーグステーキとライス大盛。
「すごいな。さすが食いし……何でもないです」
穂乃花が頬を膨らませていたので言うのをやめた。
「あのさ……優」
「何?」
「もしかして……今日見た映画面白くなかった?」
「え?」
「反応がいまいちだったから……無理やり付き合わせちゃったかな……」
穂乃花の顔がしょんぼりとしている。
「そんなことないって言ったら噓になるけど……いつもデートする時もそうだけど穂乃花が楽しんでるのを見ると俺も楽しいからさ」
「そう?……ならいいけど……」
「それに穂乃花が食べるところを見るのがデートの楽しみで好きだからさ」
「えへへ……ってそれうちが食いしん坊って思ってるから?」
「思ってるっていうか事実だね」
「食いしん坊じゃないもん!」
「じゃあこの後カフェに行く予定だけどそんなに頼んだら食べられないよね?」
「……食べれる」
「ほら食いしん坊じゃん」
「~~~!」
やっぱり穂乃花は……俺の彼女は可愛いです。




