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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第一部

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28/94

第28話 マシュマロ彼女一家と過ごす新年

新年を迎えて数日経ち、優の家では雪宮一家が遊びに来ていた。


「それにしても本当に優が穂乃花ちゃんと付き合うことになるとは思ってなかったわ」

「本当だよ。優から聞いた時はひっくり返ったからな」

「本当にいいの?こんなだらしない息子が彼氏で」

「だらしなくても優はうちのことを一番に考えてくれるので」

「だらしないは余計だよ……」


優はおせちを気まずそうに食べる。

理由はさっきから東吾が睨みつけてくるからだ。


「お兄さん?俺の顔に何かついてますか?」

「……別に」

「ごめんね優君。この子ったらいつまでも妹離れしないから拗ねてるのよ」

「拗ねてねぇ!穂乃花の彼氏がクソガキなのが許せねぇだけだ!」

「それ拗ねているんじゃ……」

クソガキ!勝負しろ!」

「また穂乃花王ですか?」

「いや……正月らしく、かるたで決めようじゃないか」



部屋にかるたを並べると優と穂乃花が向かい合う。


「絶対勝ってやる」

「じゃあうちが読むね」


穂乃花が読み札を取る。


「猿も木から落ちる」


読まれた瞬間、東吾が取る。


「よっしゃぁ!見たかクソガキ!」

「穂乃花。次読んで」

「俺の煽りを聞けぇ!」

「じゃあ次読むよ」


穂乃花が読み札を取る。


「犬も歩けば棒に当たる」

「え~と……」


東吾が探している隙に優が取る。


「これだ」

「クソ!そんなところにあったのか」

「じゃあ次読むよ~」


その後も優と東吾のかるたが続いた。



「クソ~!なぜ勝てない!」


東吾が悔しがる。


「久々にかるたをやったから楽しめました。ありがとうございますお兄さん」

「黙れ。お前を楽しませるためにやってるわけではない!」

「お兄ちゃん。どうしてそんなに優を敵視するの?この前は認めてくれたじゃない」

「本当は認めたくないからに決まってるだろ~!」


東吾が泣き喚くのを二人は呆れて見つめる。


「ごめんね優。お兄ちゃんの我儘に付き合わせて」

「穂乃花⁉」

「仕方ないよ。お兄さんはまだ《《子供》》なんだから」

「貴様~!」

「じゃあすごろくで勝負します?これなら実力は関係ないでしょ?」

「いいだろう。やってやるよ!」

「うちもやりたい!」


三人ですごろくを始めると早速部屋がうるさくなる。


「はぁ~⁉なんで一回休みなんだよ⁉」

「お兄ちゃんドンマイ」

「すぐ俺か穂乃花がゴールしますから休んでてください」

「こいつマジで許せねぇ~!」


三人のうるさい声が両家の両親に聞こえる。


「仲良いですね」

「東吾もなんだかんだ言って小さい頃から優君と遊ぶの楽しそうだったから」

「優君と穂乃花の結婚……楽しみね」



夕方になり、雪宮一家が家を出る。


「今日はありがとうございました」

「いえいえこちらこそ。今年もよろしくお願いします」

「ねぇ。ちょっと優と行きたい場所があるんだけど」

「なんだと⁉じゃあ俺も……」

「東吾。あんた気を使いなさいよ」

「だって……」

「わかったわ。先に東吾と帰ってるわね」

「なるべく早く帰ってこいよ!」


穂乃花が家族と別れると優の手を握る。


「早く行こう?」

「おう」


優は穂乃花についていくがどこに行くか居場所は知らない。


「着いた」

「ここは……」


着いた場所は神社だった。


「うちらが小さい頃、初詣はここでしてたでしょ?」

「そう……だったな」


小銭を賽銭箱に入れ、鈴を鳴らすと両手を合わせる。


「帰ろうか」

「あぁ」


二人は手を繋いで歩いて帰る。


「優は何お願いしたの?」

「甲子園優勝。穂乃花は?」

「うちは……優のお願いが叶いますようにだよ」

「そっか……」

「お願い二倍だから叶うよ。絶対」

「……」


―――優は幼少期を思い出す。


「優は何お願いしたの?」

「ひ、秘密だよ……」

「えぇ~気になる~」

「穂乃花は何お願いしたの?」

「うちは優のお願いが叶いますようにだよ」

「!!!」


優の頬が赤くなる。


「お願い二倍だから叶うよ。絶対」

「……」

「どうしたの優?顔赤いよ?」

「な、なんでもないよ」

「もしかして恥ずかしいお願いなの?」

「うるせぇ!早く帰るぞ!」


優が先に神社を出る。


「待ってよ!教えてよ!」


穂乃花は後を追いかけた。


―――優は自然と笑顔になっていた。


(本当に叶うとはな……)

「どうしたの優?」

「何でもない」

「えぇ~教えてよ~」


二人を夕陽が明るく照らしていた。

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