第22話 マシュマロ彼女が迷子になった
(着いた……)
優がみなとみらい駅を出ると学生が大勢いる。
今日は校外学習の日。班でみなとみらいと中華街を巡る。
「優!こっちこっち!」
同じ班の旭が手を振っている。
「遅いぞ優!」
「まだ集合時間まで余裕あるだろ。咲人は?」
「ここだよ」
咲人がやって来る。
「楽しみだな!みなとみらい!」
「どこから行く?」
「じゃあ横浜ランドマークタワー行こうぜ!」
優たちは横浜ランドマークタワーに行くことになった。
「高ぇ!」
「旭。声でかい」
展望台から横浜の街並みが見える。
「海が綺麗だな~」
「夜に見たらもっと綺麗だろうな」
「次はどこ行く?」
「お腹空いたし、中華街でも行くか」
「賛成!」
横浜中華街に移動すると多くの人で賑わっていた。
「旭は何食べたい?」
「やっぱり小籠包だろ!」
「じゃあ店探すか」
お店を探していると見覚えのある顔が見えた。
「穂乃花?」
「あっ!優!」
穂乃花の手には肉まんがある。
「穂乃花らしいな……」
「何よ?また食いしん坊って言うつもり?」
「いや、事実だから言う必要ないだろ」
「事実じゃないもん!」
穂乃花が頬を膨らませる。
「じゃあそういうことにしておくから解散したらまた会おう」
「うん!またね!」
優と別れると美咲が話しかけて来た。
「穂乃花まだ食べてたの?さっき北京ダックとチャーハン食べてたのに」
「だって美味しいんだもん!」
穂乃花が食いしん坊であることは間違いなかった。
「優どこに行ってたんだよ!探したぞ!」
「悪い悪い」
「優の分の小籠包残しておいたから」
「ありがとな」
優が小籠包を口に入れる。
「熱っ!」
「一口でかすぎるからだろ。ちょっとずつ食べろよ」
その後も中華料理を食べて、中華街を満喫する。
「はぁ~食った食った」
旭が満足したような顔をしている。
咲人が腕時計を確認するとちょうどいい時間になっていた。
「そろそろ集合時間だ。戻るか」
「そうだな」
「えぇ~もうちょっと満喫したかったなぁ~」
「解散したら行けばいいだろ」
「じゃあ解散したらまたみなとみらい行こうぜ!」
「悪い。俺はちょっと予定あるから……」
「予定ってなんだよ?」
「えっと……」
優が困惑していると咲人が何かを察し、旭に耳打ちする。
「そうか!それは仕方ないな!じゃあ咲人行こうぜ!」
「仕方ないな」
三人は集合場所の元町・中華街駅へ向かった。
先生の点呼を受けて、旭と咲人と別れた優は駅前で穂乃花を待ち続ける。
(穂乃花の班遅いな……)
そう思っていると美咲たちが慌てたように先生に話しかける。
「先生!穂乃花とはぐれちゃって……それで電話したけど繋がらなくて……」
(え?)
優が思わず聞き耳を立てる。
「いつはぐれたんだ?」
「中華街を出ようとした時にいないことに気づいて……」
「何かあったのかもしれない。先生方は……」
優は穂乃花に電話するが、やはり繋がらない。
本当に何かあったのかもしれない……夏祭りの時みたいに……
(穂乃花……)
優は中華街に向かって走り出した。
「穂乃花~!」
人混みが激しい中華街で優は穂乃花を探す。
(見つからない……ここにはいないのか?)
優はもう一度穂乃花に電話する。
(頼む……出てくれ……)
その願いも、次の言葉で打ち砕かれる。
『おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか……』
(マジで……何かあったのか……?)
優の顔が青ざめていく。
(いや、諦めるのはまだ早い!)
優が再び探そうとすると後ろから誰かに抱きつかれた。
「⁉」
「優~!」
「穂乃花……」
穂乃花は優の背中で泣き続ける。
「よかった~!気づいたら皆いなくて……スマホの電池も切れて……ずっと一人だったよぉ~」
「とりあえず無事でよかった」
優が穂乃花の頭を撫でながら、ハンカチで穂乃花の涙をぬぐう。
「皆心配してたから早く行くぞ」
「うん!」
優と穂乃花が手を繋いで、駅に向かった。




