第21話 マシュマロ彼女と過ごす誕生日
「ごちそうさまでした」
優と穂乃花が手を合わせる。
「パパ!電気消してくれる?」
「おう!」
父親が家の電気を消す。
「ハッピバ~スデートゥ~ユ~♪ハッピバ~スデートゥ~ユ~♪」
穂乃花が突然歌い始めた。
「ハッピバ~スデーディア優~♪ハッピバ~スデートゥ~ユ~♪」
電気がつき、目の前には誕生日ケーキがある。
「優!誕生日おめでとう!」
「ありがとう!」
「ほら!火消して!」
優がろうそくの火を消す。
「じゃあ食べましょうか」
「美味しそう!」
穂乃花が目を輝かせる。
「結構大きいから余ったら穂乃花ちゃんが食べていいわよ」
「いいんですか!嬉しいです!」
「本当に食いしん坊だな」
「食いしん坊じゃないもん!」
穂乃花は分けても多く残っていたケーキを完食した。
「はぁ~こんなにケーキ食べられて幸せ~」
そう言って優のベッドに寝転がる。
「人のベッドで寝るなよ」
「いいじゃん。どうせここで寝るんだから」
「まさかまた一緒に寝るつもりか?」
「うん!」
もちろん!みたいに言うなよ……ベッド狭くなるんだから……
そう思っていると母親がドアを開く。
「お風呂沸いたから早く入りなさい」
「は~い」
優が返事すると、母親はドアを閉めて去って行く。
「穂乃花。先入れよ」
「いいよ……優が疲れていると思うから優が先入ったら?」
「俺は少しだけ寝たいから」
「ダメだよ!優いっぱい汗かいたんだから先入らないと!」
「穂乃花だって疲れてるだろ!」
優と穂乃花の譲り合いが止まらない。
「じゃあ……お互い先に入った方が良いって言うならさ……」
穂乃花の顔が赤くなる。
「お風呂……一緒に……入る?」
「……は?」
優がポカンとした顔になる。
「いやいやいや!何言ってるの⁉」
「だってこのままじゃ時間が経つだけじゃん!」
「そうだけど穂乃花は一緒に入りたいわけじゃないだろ?」
「……うちは優と入っても……いいけど……嫌?」
「!!!」
待て待て待て。落ち着け俺。落ち着くんだ。
もちろん入りたい。嫌なわけがない。
一緒にお風呂に入れば穂乃花のマシュマロボディを拝むことができるし……
幸い理性が仕事しているおかげでまだ我慢できる。何とかしなければ……
「でも穂乃花……その……恥ずかしいだろ?裸見せるのさ……」
「……」
よし黙った。あとはやっぱり俺が先に入るって言えば完璧……
「恥ずかしいけど……優になら……見られても……いいかな……」
「!!!」
優の理性が完全に崩壊した。
「じ、じゃあ!一緒に……」
バン!とドアが思いっきり開く。
「優。あんた大会で汚いから早く入りなさい。穂乃花ちゃんも疲れてるから」
「あっはい」
優は体を洗い、湯船に浸かる。
「はぁ~疲れてる時のお風呂最高~」
優は天井を見上げながらさっきの会話を思い出す。
(恥ずかしいけど……優になら……見られても……いいかな……)
思い出しただけで顔が真っ赤になる。
(でも同棲とか……結婚したら……一緒にお風呂に入るのが当たり前になるのかな?)
優は一緒にお風呂に入った時を想像する。
(ダメだ。これ以上考えるとヤバい……)
優は湯船を上がった。
優が部屋でスマホを触っていると穂乃花がパジャマ姿で上がってくる。
「優歯磨きした?」
「とっくに終わってるよ。穂乃花は?」
「うちもお風呂上がった時に」
「そうか。じゃあ電気消していいか?眠たいし」
「うん」
優が部屋の電気を消すと真っ暗になり、お互いベッドに寝転がる。
「穂乃花……」
「何?」
優が穂乃花を抱きしめる。
「優⁉」
「おやすみ……」
優が寝始めようとする。
「ま、待って!」
「なんだよ」
「もううちを抱き枕にしなくても寝れるんじゃないの?」
「寝れるよ」
「じゃあなんで抱きしめるの?」
「穂乃花が悪いんだよ……あんなこと言うから……」
「あんなことって……」
「あんなこと言われたら穂乃花に触れたくなっちゃうだろ……」
優の手が穂乃花のお腹に移動し、パジャマ越しに揉み始める。
「いやぁ……触らないで……」
「柔らかくなったな……子供の時より」
「そんなことないもん……」
「どこ触っても温かいし柔らかいな……」
優はお腹を揉み続ける。
「いつまで触るの?」
「眠るまで」
「えぇ……」
優の目が覚めると、すでに朝9時になっていた。
(気づいたら寝ていたな)
隣で穂乃花がスヤスヤ眠っている。
(いつも朝早いのに……)
優が穂乃花の頬を指でツンとするとぷにっとしていて柔らかい。
(全然起きないな……)
優が頬をツンツンし続けているとようやく目を覚ました。
「おはよう穂乃花」
「おはよう……」
「珍しいな。穂乃花がこの時間まで寝てるなんて」
「優のせいだよ?お腹ずっと触って……」
「ごめんごめん」
「次触る時は寝る前にしてね」
寝る前ならいいんだ。そう思った優であった。




