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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第一部

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20/94

第20話 マシュマロ彼女の誕生日プレゼント

秋季大会決勝。9回裏の2アウト2ストライク3ボールの満塁。

現在、試合は3-2で光星学園がリードしている。

優が試合後半のピッチャーを努めていた。


(まずい……)


優の心臓がドクドクしている。次の投球で全てが決まる。

チームメイトや監督、穂乃花が優を見つめている。


(よし!)


優がボールを投げると、バッターが打つ。


(!!!)


優が打ち上がったボールを見るとゆっくりと選手の方に落ちていき、キャッチされる。


「3アウト!ゲームセット!」


両チームの選手が向かい合う。


「ありがとうございました!」


秋季大会は光星学園の優勝で幕が閉じた。



帰り道、優と穂乃花は夕方の歩道を歩いていた。


「疲れた~」

「お疲れ様」

「今日は結構やばかったな……」


優は後半からの登板だったが、何度もヒットを打たれた。

皆のおかげで何とかなったが、甲子園ではそういうわけにはいかない。


「俺、まだまだだな」

「次に向けて頑張らないとね」

「そうだな」


もっと練習しないとな……


「ねぇ。ちょっと優の家に寄ってもいいかな?」

「いいけど……なんで?」

「えぇと……優と一緒に居たいからじゃダメ……かな?」


全然いいです。



家に上がると遅い時間ということもあって真っ暗だった。


「あれ?おばさんいないの?」

「決勝の応援の後に偶然ママ友と会ったから遅くなるって」

「そ、そうなんだ……」


二人は優の部屋に入る。


「優……」

「ん?」


穂乃花が鞄から何かを包んだプレゼント袋を取り出す。


「お誕生日おめでとう!優!」

「あっ……」


そういえば今日誕生日だったな。決勝に緊張してて忘れていた。


「ありがとう。開けていい?」

「うん」


優が袋を開けるとゲームソフトのパッケージが出てきた。


「これ……」

「優欲しいって言ってたでしょ?」

「ありがとう!すげぇ嬉しい!」

「よかった……買ってたらどうしようかと思った」


穂乃花がホッとする。


「じゃあ……プレゼントも渡したし帰るね」

「来たばっかりなのに帰るのか?」

「……?うん」

「そっか……」

「じゃあまたね」


穂乃花が部屋を出ようとすると優が手を引っ張る。


「優?」

「俺と一緒に居たいって言ったの噓だったのか?」

「う、噓じゃないよ。プレゼントを二人きりの時に渡したかったからそう言っただけで……」

「じゃあ今日誕生日だからさ……穂乃花にわがまま言ってもいい?」

「内容次第だけど……何?」

「俺と居てよ」

「!……うん。優がそう言うなら……」


穂乃花が部屋に戻り、座る。


(珍しいな……優がそんなこと言うなんて……)


そう思っていると優が抱きついてきた。


「優?」

「疲れた……」

「よしよし」


穂乃花が頭を撫でる。やがて抱きつく力がなくなっていき、膝に倒れる。


「穂乃花……膝も柔らかい……」

「あんまりそう言うこと言わないでよ……恥ずかしいから……」

「……」

「優?」


寝息が聞こえる。眠ってしまったようだ。


「優。お疲れ様」


穂乃花はしばらく優の頭を撫でていたが眠ってしまった。



(ん?)


優が目を開ける。


(穂乃花の膝枕で寝ちゃってた……)


起き上がると穂乃花も目を覚ます。


「優……起きた?」

「あぁ……ごめんな。急に寝ちゃって」

「疲れてたんだから仕方ないよ」


話していると急にドアが開き、母親が入ってくる。


「起きた?ご飯できたわよ」

「もう帰ってたのか?」

「とっくに帰ってきてるわよ。穂乃花ちゃんも今日は泊まりなさい。お母さんには連絡しておいたから」

「えぇ⁉」

「母さん!勝手に話を進めるなよ!」

「何言ってるのよ!誕生日だから穂乃花ちゃんと過ごしたいでしょ!」

「そ、それは……」

「おばさんと優がいいなら……」

「じゃあ……食べるか」


急遽、穂乃花が泊まることが決定した。

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