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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第一部
18/91

第18話 マシュマロ彼女がメイドになっていた

「ありがとうございました!」


優が客を見送ると旭が話しかけて来た。


「優。もう行っていいぞ」

「え?俺まだ時間経ってないのに?」

「人少なくなったしな。それに穂乃花ちゃんと早く回りたいだろ?」

「それはそうだけど……」

「ちなみに優。穂乃花ちゃんに聞けなかったんだけど……」

「?」

「穂乃花ちゃんとキスした?」

「じゃあ行ってくるわ」



優は穂乃花に電話するが繋がらない。


(電池切れか?とりあえず穂乃花のクラスに行ってみるか)


優が穂乃花のクラスに行くとすごい行列ができていた。


(うわ~すご……)


一応メールを送ったが未読のようだ。


(繋がるまでメイド喫茶で時間潰すか……)


行列に並ぶこと10分。ようやく教室に入ることができた。


「いらっしゃいませご主人様!……って山城じゃない!」

「よぉ濱野」

「穂乃花と付き合ってるのに浮気?」

「違ぇよ。穂乃花と連絡繋がらないから時間潰しに来ただけだよ」

「そういうことね。だったら……」


美咲が急に離れる。


(何しに行ったんだ?)


すぐに美咲が誰かをつれて戻ってきた。


「お待たせしてすみません!こちらのメイドに対応させますので!」

「ちょっと美咲!急に呼び出して何……あっ」


優と穂乃花の目が合う。


「穂乃花……?」

「ち、違うの!これは美咲が人手足りないからって……」


優は穂乃花のメイド姿に見惚れていた。

メイド服で穂乃花のぽっちゃり特有のムチムチが強調されている。


「じゃあ穂乃花!このご主人様の対応お願いね!」

「あっちょっと!」


美咲がいなくなり、静かになった二人が取り残される。


「えっと……こちらの席どうぞ……」

「あっ……はい」



穂乃花に案内され、優が席に座る。


「こちらメニューになります……」

「ありがとうございます……」


気まずい空気が流れる。


「ご注文お決まりになりましたらお呼びください……」

「はい……」


優はメニューを開くが、文字が入ってこない。


(穂乃花のメイド姿……破壊力ヤバいな)


「す、すみません……」

「はい……」


穂乃花が伝票を持ってやって来る。


「この……愛情たっぷりケチャップオムライスで……」

「かしこまりました……」


穂乃花が恥ずかしそうに去っていく。


「穂乃花!ちゃんと接客しないとダメでしょ!」


美咲が注意する。


「だって……優が来るなんて聞いてないもん……」

「私だって聞いてないわよ」

「元々美咲が優を対応させたのが悪いんでしょ!」

「メイド姿になった彼女に対応してもらうほうが喜ぶでしょ」

「それは……そうかもしれないけど……」

「オムライスできたよ」

「ほら!行ってきなさい!」

「うぅ……」



穂乃花が恥ずかしそうにオムライスを持ってくる。


「お待たせしました……愛情たっぷりケチャップオムライスです……」

「あれ?ケチャップかかってないけど?」

「こ、これから……ご、ご主人様への愛情を込めて……ケ、ケチャップをかけます……」


穂乃花がケチャップをかけ始める。


「あ、あの……恥ずかしいので目を瞑っていただけますか?」

「はい……」


優が目を瞑る。するとケチャップを出す音が聞こえる。


(長いな……そんなに時間かかるか?)


少し経ち、ケチャップを出す音が聞こえなくなった。


「お、お待たせしました……目を開けて、お召し上がりください……」


優が目を開けるとそこに穂乃花の姿はなかった。


「!」


オムライスの卵にケチャップで『ゆう大好き』と書かれている。


「ちょっと穂乃花……ハート書くだけで何恥ずかしがってるのよ」

「~~~!」


穂乃花は真っ赤になった顔を誰にも見られないように両手で隠す。


(嬉しいけど穂乃花。一つ言いたいことがある……)


スプーンがありません……



「ごちそうさまでした!」


優が立ち上がる。


「あ、ありがとうございました……」


穂乃花が頭を下げる。


「その……穂乃花のメイド姿見たかったから見れて嬉しいよ」

「でも……変じゃないかな?」

「そんなことないよ。すごく可愛い」

「ありがとう……」


さっきのオムライスのこともあってお互い照れくさくなる。


「お客様!追加料金を払えばチェキ撮影ができますがどうしますか?」


美咲がカメラを持っている。


「撮ってもいい?穂乃花」

「……優が撮りたいなら」

「じゃあそこに並んでください!」


美咲がカメラを構える。


「はい!チ~ズ!」


パシャ!


「OKです!こちらの写真どうぞ!」

「ありがとう」


「穂乃花ももう行っていいよ!」

「でもまだ人が……」


「彼氏と一緒に居たいでしょ?」

「うん……」


「行っておいで!」

「ありがとう!」


「じゃあ行こうか」

「うん!」


優は会計を終わらせて、穂乃花と共に教室を出た。

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