第17話 マシュマロ彼女がご来店です。
文化祭が始まり、校舎は多くの生徒で賑わっている。
「豪華景品が当たる射的いかがですか!」
「フランクフルト一本200円で販売中!」
「体育館で軽音楽部のライブが12時開幕です!絶対来てください!」
校舎で自分のクラスや部活の出し物の宣伝をする人がいる。
(優のクラス楽しみだな~)
穂乃花が優のクラスを訪れる。
「いらっしゃ~せ~!一名様ご来店です!」
旭がテンションを上げる。
(すごく居酒屋っぽい雰囲気だ……)
「よぉ穂乃花。来てくれたんだ」
「優。店員姿、似合ってるよ」
優は三角巾とエプロンを着けて、さながら店員の姿になっている。
「じゃあこちらの席どうぞ」
「うん」
優が案内した席に座る。
「ご注文が決まりましたらお呼びください」
「は~い!」
どれにしようかな?焼き鳥、焼き魚、唐揚げ……メニューがちゃんと居酒屋だ。
お酒ないけど……
「すみません!」
「は~い!ただいま伺います!」
旭が伝票を持ってやって来る。
「焼き鳥とポテトサラダとオレンジジュースをください」
「かしこまりました!ところでお客様……」
「はい?」
旭がこっそり穂乃花に話しかける。
「優と付き合ってるって本当?」
「本当だよ」
「じゃあ優とキスしたの?」
「えっと……」
穂乃花が戸惑っていると優が旭を引っ張って行く。
「焼き鳥焦げるぞ。仕事しろ」
「あぁ待って!穂乃花ちゃんあとで教えてね!」
「あはは……」
少し時間が経つと、優が穂乃花の注文を持ってやって来た。
「お待たせしました。焼き鳥とポテトサラダとオレンジジュースです」
「ありがとう!」
「ところで穂乃花……」
「何?」
「旭に何言われたんだ?」
「え?」
「嫌なことだったらあいつしばくから」
「ううん!別に大したことじゃないから」
「そうか?なら良いけど……」
「それよりいつデートできる?」
「あと一時間ぐらい動けないかな……ごめんな」
「大丈夫!それまで楽しんでるから!」
「終わったら連絡するから」
「うん!」
優が離れると、穂乃花は手を合わせる。
「いただきます」
穂乃花は焼き鳥を食べる。
(美味しい~!たれ最高~!)
穂乃花が焼き鳥をバクバク食べる。優はこっそりその写真を撮った。
(この画面あとで待ち受けにしよう)
(美味しすぎておかわりしちゃった)
皿にはたくさんの串刺しがある。
「穂乃花食べ終わったか?」
優がやって来る。
「うん!美味しかった!」
「だってよ。旭」
旭が焼き鳥を作りながら答える。
「よかった!今度賄いをもらったら分けてあげるよ」
「やった!」
穂乃花が嬉しそうだ。
「来てくれてありがとな」
「うん!デート楽しみにしてるから!」
穂乃花が嬉しそうに去って行く。
(よほど美味しかったんだろうな~)
(うちのクラスはどれだけ人来てくれてるかな?)
教室前の廊下には多くの男子生徒が並んでいる。
(すごい人だ……)
驚いていると客を見送ったメイド姿の美咲と目が合う。
「穂乃花!ちょうどよかった。人が来すぎてメイドが足りないの!着替えてきて!」
「えぇ⁉」