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マシュマロが好き  作者: 鵲三笠
第一部
11/91

第11話 マシュマロ幼馴染との新学期

夏休みが終わり、新学期が始まった。

今日のホームルームはもうすぐ始まる体育祭の出場種目を決める。


「じゃあ障害物競争はこのメンバーで決定だ。次は借り人競争に出たい人は手を挙げろ」

「はい!」


優が手を挙げる。


「え~と山城と……」

「優。お前借り人競争に出るのか?」


後ろの席から咲人が話しかける。


「あぁ。先輩と告白を賭けて勝負する」

「ふ~ん……がんば」

「もうちょっと応援してくれよ……」


親友なんだからさ……


「咲人は何出るの?」

「リレー」

「そっか。咲人は陸上部だもんな」


咲人は陸上部でずば抜けて速く、この前の朝礼で表彰されていた。


「咲人なら一位なんて余裕だろ」

「まぁな。優はどうだ?先輩に勝てそうか?」

「分からない。けど絶対勝つ」



昼休み。優は穂乃花と食堂でご飯を食べていた。


「もうすぐ体育祭だ……嫌だな~」

「なんで?」

「うちが運動苦手なの知ってるでしょ?」


穂乃花は子供の頃から運動が大の苦手だ。

走るのも遅いし、キャッチボールするときも変な方向に投げるし……


「穂乃花は何出るの?」

「ピンポン玉リレー。あれだったら運動関係ないしね」

「パン食い競走じゃないんだ」

「競争だから出るわけないじゃん。なんでそう思ったの?」

「だって穂乃花は食いしん坊だから食欲で足が速くなるかなって」

「もう!うちは食いしん坊じゃないもん!ちょっと食べる量が多いだけだもん!」


穂乃花が頬を膨らませる。


「ごめんごめん!帰りアイス奢るから」

「本当⁉」


穂乃花が目を輝かせる。


「ほら食いしん坊じゃん」

「あっ!騙したの⁉」

「騙してないって。ちゃんと奢るから」

「……うちの機嫌損ねたからアイス二個ね」

「えぇ……騙してないのに……」


穂乃花をからかうのはやめようとこの時、いつも思うんだけど可愛いからやめられないんだよな~


「優は何出るの?」

「借り人競走」

「へぇ~てっきりリレー出るって思った」

「リレーは人気だからな」

「出れなかったの?」

「いや、自分の意志で決めた」

「なんで借り人競走に出るの?」

「それは……」


先輩と勝負するからって言うわけにもいかないし……


「……誰かさんにカッコイイと思ってほしいから、かな」

「それって誰……」


聞こうとした時にチャイムが鳴る。


「やべ!五時間目実験だから行かないと!じゃあな!」


優が慌てて食堂を出る。


(誰かって誰なんだろ……すごくモヤモヤする……)


これは幼馴染だから感じる嫉妬なのだろうか?それとも……



体育祭当日。会場となるドームには多くの光星学園の生徒が集まっていた。


「遂に体育祭だ!」

「悪いけどリレーは俺のクラスが勝つから」

「いいや!勝つのは俺のクラスだ!」


優も自分のクラスの観客席に座る。


(いよいよだな……)


まもなく始まろうとしている。今日で穂乃花との関係がガラリと変わる。


『これより第73回光星学園体育祭を開会いたします!』

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