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破滅した世界の内側で  作者: めーや
11/35

夢は叶えど理想は遠く

「くぁぁぁあ……。起きるか……」


啓文のロッジに招待されてより翌日。眠い目を擦りながらロッジの階段を降りていくとちょうど外から帰ってきた啓文に声をかけられる。

その両手にはダンボールが抱えられており、匂いから野菜と肉であることが窺える。


「やぁおはよう。よく眠れた様だね」

「んぁあおはよう。真衣達は?」


真衣と比代理の気配を感じられずなんとなく質問しつつ、啓文の持つダンボールを代わりに持ちキッチンに運ぶ。


「あぁありがとう。比代理達は今外に遊びに行っているよ。もうすぐお昼ご飯の時間だし、そろそろ帰ってくると思うけどね」

「お昼ご飯…?え、今何時?」

「もう12時過ぎたよ」

「マジか、起こせば良かったのに」

「真衣君の希望でね。移動の無いゆっくり出来る日くらい好きなだけ寝かせてあげたいと言っていたよ」

「わーお。アイツ俺への気遣いできたんだな」

「彼女もまだ子供といえる年齢ではあるけど、色々と考えているんだろう。…ああそうだ。暇なら手伝ってくれないかい?」


そう言って包丁を差し出してくる。

料理を手伝えなんて言われたこと今までに無かったためふと自分の料理経験を思い浮かべる。


(調理実習…目玉焼き…ベチャベチャなチャーハン…カレー……いけるか…?)


「食材切ることくらいしかできねぇぞ」

「構わないよ。それじゃあ野菜とお肉を僕の真似をして切って、その後はお皿と箸と、後花瓶を用意してくれるかい?」

「花瓶?」

「ああ、比代理が今日はお花を積んでくるって張り切っていてね。どれくらい持ち帰ってくるのかは分からないけど、用意しておくに越したことはないだろう?ああそうだ…!よかったらしばらく枯れないように魔法をかけてくれるかい?ほら、植物のエキスパートだろう?仁君は」

「はぁ、まぁいいけど」

「本当かい?嬉しいよ、ありがとう」


ザク、ザク、ザク……。

玉ねぎ、キャベツ、豚バラ肉と切って行ったところで漸く何を作ろうとしているのか疑問に思う。


「なぁ、何作る気なんだ?また野菜炒めか?」

「いや、今日は焼きそばを作ろうと思っているよ」

「焼きそばぁ?麺はどうすんだよ」

「以前市販の焼きそば麺を解析して材料から同じものを精製する事に成功してね。あぁちゃんと栄養があるのは確認済みだし、今まで何度も食べているから安心して良いよ」

「へぇ…何でもできんのな。このロッジだってアンタが作ったんだろ?」

「まぁね。これでも基本生産技能と基本戦闘技能を全てマスターしているから、大抵のことはできるよ」


基本ではない技能の例といえば仁の植物魔法や真衣の鮮血魔法が該当する。

これ等は特別なクエストをクリアして魔法の基本骨子を習得したり、特別なアイテムを入手しなければ習得することができない。

しかし、鮮血魔法は魔剣ダインスレイフを所持する以外習得方が無いため、実質真衣の固有技能となっている。一方仁の植物魔法は誰でも習得する事が可能だが、植物とはいえ新たな生命を作り出すという性質上魔法の研究が全ての魔法の中でトップクラスに難しく面倒臭い為使用するプレイヤーは極々一部の者達しかいない。


「なぁ、基本生産技能コンプしてんならさ、俺の刀復元できねぇ?」

「残念ながらそれはできないかなぁ。素材が無いし、何より仁君の桜丸は[神刀匠]の称号を所持するレベルじゃ無いと扱えないと思うよ」

「マジかぁ…」

「君は桜丸を復元する為に東京に向かうのかい?」

「まぁね。あれ、花瓶何て何処にあんの?」

「あぁ、花瓶はそっちの棚の一番下だよ」


食器の用意も花瓶の用意も終えやる事がなくなった仁は椅子に座りダラ〜っと椅子の背もたれにもたれかかる。

ダイニングからはカウンター越しにキッチンが丸見えな為料理の匂いもよく漂ってくる。

グゥ〜っとなるお腹を摩りながらぼんやりと料理の出来上がりを眺めていると、「ただいま〜!」と元気に二人の少女が帰ってきた。

気だるげそうに玄関に目を向けると、黒を基調としつつも赤で彩りを演出しているドレスの様な服を着ている真衣を見て目を細める。


「お帰り〜。お前さんそんな服持ってたか?」

「あぁこれ、啓文さんに自分の装備やアイテムの出し方を教えてもらって出したゲーム時代の私の武装だよ」


その言葉を聞き全身に一気に力が入る。

それもそうだろう。仁のインベントリの中には桜丸を作成する事ができる素材がまだ余っているのだから。


「マジで!!??何それどうやんの!?」

「仁には無理だよ。だって素材の名前や色や形の他にもその特性や入手経路や製造工程なんかも必要だからね。仁じゃアイテムの詳細設定どころか名前や形すら覚えてないでしょ」


最高潮に達したテンションが一気に底に触れ崩れ落ちる様に着席する。

望みをたたれた仁の目は光を帯びておらず死体と見間違う者も出てきそうなものである。


「あ、あの…」


そんな仁に勇気を振り絞り声をかける比代理。その両手には白く大きな花がいっぱいに抱えられている。


「ん?」

「あの…その……これ…!」

「お、おう。ヤマユリか、沢山採ってきたな」

「これ、お願い、します…」

「わかった、枯れない様に生けておくよ。もうすぐ飯も出来上がるしお前さんは手ェ洗って待ってな」

「うん…!」


真衣と仲睦ましくキッチンに向かう比代理をなんとも言えない表情で見送り先ほど出した花瓶にヤマユリを生けて魔法をかける。


(俺そんなに怖いかねぇ?いや、ガキからすれば大人なんてデカイ時点でこえぇもんか?まぁ、いいや)


「さ、出来上がったよ。比代理、それに真衣君。テーブルまで運んでくれるかい?」

「わかった〜」「わかりました!」


虚な目で焼きそばが運ばれてくるのを待つ。

席順は昨日とは違く、真衣と比代理が隣に座る形になっている。


(ガキどうしは仲良くなんのが早いねぇ)


「「「いただいます」」」

「あ、いただきます」


一人だけ声を出さず食べ始めるのが何だか気が引けてひさしぶりに「いただきます」と声を出してみた仁。

そんな仁をニヤニヤして見つめる真衣に気づいて(もうぜってぇ言わねぇ)と考えながら焼きそばを頬張る。


「塩焼きそばにしてみたんだけど味は薄く無いかい?」

「うぅうん。美味しいよ?」

「ええ、凄く美味しいです!」


反応のない仁に少し不安になる啓文だが…。


「美味い」

「そうかぁ、それは良かった。少しドキッとしてしまったよ」

「仁は虫以外何でも食べますしあんまり気にしなくて良いと思いますよ?」

「ははは。そうもいかないよ」

「お姉ちゃん。食べ終わったら私トランプやりたい!」

「もちろん良いよ!仁と啓文さんもやりますよね?」

「勿論さ。双六やUNOもあるから、やりたいものがあったらその都度いっておくれ」

「わかりました!…仁ー?」

「なにー?」

「なにー?じゃないでしょ、やるの?やらないの?」

「仁お兄ちゃん…だめ?」


飲み会やお祭りといったアルコールの入った場面ならまだしも、家のリビングや自室などといった落ち着いたところで食事する時はいつも無言だった為声を出そうと思えないだけでなのだが、真衣や比代理には乗り気でない様に見えたらしく返事をせがまれる。


「やるよやる。暇だしな。つか俺をノリ悪い奴みたいに思うのやめろ、お前がやりたいって言ったことは全部やってやってんだろ」

「確かに。よかったね比代理ちゃん。仁もやってくれるって」

「うんっ。あの、ありがとうございます…仁お兄ちゃん」

「おう、敬語もいらんぞ」

「そうだよ、この人何言っても怒らないから」

「ほんと?」

「うん!何言っても怒らないし何やっても怒らないから、もっと気軽に接して良いよ」

「うん、わかった…!」


(いやいや、俺だって怒る時はあるぞ。例えば肉を横取りされた時とかな)


なんだかんだ昨日ヤミィフォックスのステーキ肉を二枚しか食べていない仁であるが、流石にそれは沸点が低過ぎだろう。


「ごっそーさん」

「おや、もう食べ終わったのかい?量は足りた?」

「あぁ足りたよ。歯ーみがいて洗いもんするわ。お前等も皿はそのまんまでいいぞ」

「ありがとう、助かるよ」

「あれ、仁ってこういう時だらけるイメージあったけどちゃんとお手伝いするんだね」

「実は野菜やお肉を切ったり、食器の用意をしたのも仁君なんだよ」

「へぇ…!何だ、寝坊助だけど結構働き者じゃん」

「お前と違ってな」

「はぁ!?いつも仁のお世話してあげてるの私なんだけどぉ?それに今の私は比代理ちゃんと遊ぶので忙しいの」

「あっそ」

「こいつぅ…!」

「ふふ、あはははっ」


仁が比代理の笑う姿を見るのは初めてなので思わず歯ブラシに歯磨き粉を塗る手が止まり彼女の方を見てしまう。


「ど、どうしたの?比代理ちゃん」

「うぅうん。二人とも仲良いなって思って」

「まぁ、二人で旅してるからそれなりに仲はいいけど…」

「いいなぁ…。私、病気であんまり外に出られなかったから、こんなお姉ちゃんとお兄ちゃんが居たらってずっと思ってたから」


目を少し潤ませて笑う比代理に真衣も少し涙腺を崩す。

外界から離れた生活をしたもの通し、何か通じ合う事があるのかもしれない。


「そっか…!比代理ちゃん、これからは私達がいるから、たっくさん一緒に遊ぼうね!」

「うん!!」


「いや東京…」っと声を出したくなる気持ちを抑えて歯ブラシを口に突っ込む。


(病気ねぇ…?外に出られない程の病気って何だ?今は至って健康に見えるが……はぁ、まぁ病気になんざ詳しくないし考えるだけ無駄か)






「比代理ちゃん。最初は何やりたい?」

「うんとね、ババ抜き!」

「お、いいねぇ。じゃあトランプを配ってくね」


(ババ抜きか。ババ抜きはカードを引いた瞬間、そして並び替えた瞬間に僅かにだろうがどうしても目線がババによるから簡単なゲームだ。だが問題は何考えてんのかわかんねぇ眼鏡と真衣をコントロールしながらどう比代理を勝たせるかにある。食事の席が隣に眼鏡対面に真衣なせいで比代理からババを取ることも欲しいカードを渡すこともできねぇ。さて、となると会話から欲しいカードを割り出して隣の奴にそれを流すことしかできねぇか)


「さ、仁くん。引いておくれ」


(よし、コイツが比代理からカードを引くんならもし分かりやすく比代理がババを持っていたとしてもちゃんと引いてくれるだろう)


「ああ」


(手札は俺が五枚、眼鏡が七枚、比代理が七枚、真衣が六枚。捨てられたカードから察するに残るカードは1,2,4,6,8,9,10,11,12,13,ジョーカー。内八が二ペアある。比代理の所持カードは分からないが様子から見るにジョーカーは持ってなさそうだな。情報がそれくらいしかない為ここは八を引かない様に八を引かせない様にするしかない)


ニヤニヤしている啓文にカードを引くてで中指を立てたくなるがその気持ちを押し込み仁から見て左端のカードを取る。


(13か…。俺のカードは2,4,8,7,11だからペアはできなかったな)


「ペアなかったー?じゃあ私が次引くね」

「ああ。なぁ真衣、お前の欲しいカード言ってみろよ」

「えーそうだなぁ。13、とか?」

「へぇ?」


(13か…。この顔、おそらく本当のことを言っているから比代理は13を持ってない事になる。8は確定としてのこり8種類。一体何のカードを持ってやがる?)


とりあえずこれでもかと13に目線を向けて13を引く様に誘導する。


「やった!ペアそろったよ。仁13見過ぎ〜分かりやすすぎ〜」

「はっ、悪かったな」


(よし、これで比代理のペアが揃う確率が上がった。大丈夫、真衣には絶対最後の一枚を引かせなければ良いからな)


「じゃ、比代理ちゃん、引いて?」

「うん」

「比代理ちゃんは何が欲しいのかな〜?」


(ナイスだ真衣。それが分かればやりやすい)


「うんとね、八!」


(知っとるわ!!それ以外のカードを聞きテェんだよ!)


「どうしたんだい?仁君。何ならなんとも言えない表情をしているけど」

「いや、何でもねぇよ」

「何々?八持ってるの?」

「うるせぇ、こっちみんな」


さりげなく引きやすくなっていたカードを比代理が引く。


「やった!八揃った!」

「おお!引かれちゃったかぁ。顔には出さない様にしてたんだけどなぁ」

「ふふふっ」

「じゃあ、次は僕の番だね」

「パパは何が欲しいの?」

「うーん、一がつくカードかなぁ」

「11?」

「どうだろうねぇ?」


(流石やるな。これで比代理が11を持ってる可能性が高くなった。それに目の動きから恐らく1がつくカードを三枚所持しているな…1,10,11,12、さて、どれだ?)


「お、1が揃ったよ」

「あ、そっちかぁ」

「ははは、ありがとう。さ、仁君」

「おう。なぁ、10もってねぇ?」

「さぁ、どうだろうねぇ?」


(こ、れはぁ…多分真衣だな。二人とも反応したがガキにしては目を逸らすのが早すぎる気がする。そんでもって啓文は分かりやすく持ってやがる。コイツやっぱり勝つ気ねぇな)


「んじゃこれで…」


(なっ!ババだと!?全く気配を感じなかったぞお前!でも一度もババが回らずに終わるのはそれはそれで楽しくねぇだろう。ならこれを次の次辺りで回して真衣がババを引いたことをバラして比代理にハラハラを体験してもらおう。どうせ比代理が引いても啓文が引き直すだろうしな。とりあえず11を真衣に引かせよう)


分かりやすくジョーカーを引いたことを顔に出し真ん中にジョーカーを入れ少し飛び出させる。


「はははっ仁ジョーカー引いたでしょ?私は引かないよーん。あ、七揃った」

「ちっ」

「ふっふっふー仁ってこんなに分かりやすい人だったんだねぇ?」

「うるせぇ」

「さ、比代理ちゃん。引いて良いよ」

「えっとね〜」

「因みに私も1がつくカードを二枚持ってるんだぁ」

「本当に?」

「どうだろうねぇ?頑張って揃えてみなぁ?」

「うーん、これ!やった!そろった!」

「おお!凄い!さっすが比代理ちゃん!」


次は12が揃い捨てられる。啓文がカードを引けば比代理の残るカードは三枚。順調に減っている。


「パパどーぞ」

「ああ。ありがとう。じゃあこれをいただくよ」


そう言って引いたカードは9だったらしくペアが揃った9はそのまま捨てられていく。


(さて、ここで引くべきカードは10以外だな。恐らく10は真衣が持っているから残りカード二枚の真衣にはこれ以上引かせたくない)


そう思い引いたカードは8で漸く仁もカードが揃った。


「さーって、ババはどこかなー?」


真衣が一枚一枚カードを選んで仁の顔色を除く。


「これだぁ!ってええ!?」

「はっはっは!馬鹿め!そう何度も分かりやすく反応してやるかよ!」

「くっそぅ仁のくせにー」

「真衣お姉ちゃんババ引いたの?」

「あっははは〜どうだろうねー?」

「絶対引いてる!」

「ふっふっふぅーさ、お引き」

「んーー、これ!」


今度は揃わなかった様でそのままカードを啓文へ向ける。啓文は比代理が引いたカードをそのまま引き揃わなかった様で仁へ向ける。


(成程、今啓文が引いたカードは確実に俺の持っているカードという事か。ならそれと10以外を引いて比代理のカードが出来るだけ揃う様にしないとな。と言っても啓文も残り三枚だし、引くカードは決まってんだが)


「ほらババ持ち、引けよ。残り二枚なのにババ持ちなんて可哀想だなぁ?残りのカードは何だぁ?」

「うっ…煽るなんて大人気ないぞー仁ー」

「は!さっき散々煽ってきたやつがどの口でほざきやがる。さっさと引けよ。因みに10は持ってないぞ?」

「え!いや、私が10持ってるとは限んないじゃん」

「鎌かけただけだよ、さっさと引け」


(俺の中では決まってんだよなぁ…っと、漸く11引いてくれたか。後は比代理が11を引けば良いが…)


「あ!そろった!」

「よかったな(俺)」

「うん!はいパパ、引いて?」

「ああ分かったよ。さて、どれにしようかな?」


(揃わなかった、か。真衣が10とジョーカーと決め打つとなると啓文が引いたカードは俺が持っているカード、10を真衣に渡したく無い以上、俺のペアが完成するが今の手札が三枚あるからここで俺が上がることはない。よし、6かとなると比代理の最後のカードは2か。ここまでくれば後は簡単だな)


「お、そろった。やったねぇー真衣よりは早く上がれそうだ」

「それはどうかな!さ、比代理ちゃん」

「うん」

「比代理ちゃんは後一枚だねぇ?さぁ、比代理ちゃんのカードを私は持っているでしょうかー?」


(狙い通り真衣が2を引いてくれたから比代理が引きたいカードは真衣が持っている。さ、頑張れガキンチョ)


「あっ!」

「ああ、残念。ジョーカー引いちゃったねぇ?」

「あー!言わないでよー」

「あっははは。ごめんごめん。頑張ってお父さんに引かせな」

「うん。まってて、シャッフルするから」


背中に隠してシャッフルする比代理だが、啓文にはお見通しの様でしっかりジョーカーを引いた。


「あ!パパジョーカー引いたー!」

「あっはははは。参ったなぁ」


(さて、10はマイが持ってるし4を引けば俺が上がっちまうからここはジョーカーを引くか)


カードを仁に見せてシャッフルしてくれたおかげでジョーカーの場所を見失うこともなくそれを引く。

顔に出すと笑って真衣が4を引き、そして…。


「やったぁ!1抜けぴ!」

「おお!凄い!一位だよ比代理ちゃん!!」

「よく頑張ったね比代理」

「えへへ」


比代理に続くように真衣のカードを啓文が引き、残り一枚となったところでそれを仁が引き啓文が上がる。


「パパ凄い!」

「ああ、ありがとう。さて、どっちが勝つだろうね?」

「うーん真衣お姉ちゃん!」

「そっか。じゃあ僕は仁君が勝つと思うな」


(成程、比代理は真衣に勝って欲しいのか。ジョーカー引かせて速攻上がろうと思ってたけど最後に一仕事するか)


「あ!くっそぉジョーカー引かされたー」

「比代理には悪いが勝たせてもらうぜ?」

「頑張れお姉ちゃん!」

「うん!見ててね!比代理ちゃん!」


仁がジョーカーを引き直し真衣がまた引き、を何度か繰り返し接戦を演じたのち、仁は残った10を引かれて最下位になった。


「やった!勝ったよ比代理ちゃん!」

「うん!流石真衣お姉ちゃん!」

「残念だったね。仁君」

「ああ、グッドゲーム」

「次は何やりたい?」

「うーんとねぇ………」




その日は一日中ボードゲームをして遊んだ。

7並べで仁が2をずっと持ってた為真衣が上がれなかったり。UNOでは啓文が仁にドロ2やドロ4を使いまくり仁の手札が二十枚を超えたり。人生ゲームで啓文が借金しまくったり。

皆夢の様に楽しい一時を過ごした。

そして、いつまでもこんな日が続けばいいと願い眠りにつく。

そんな幸せな日常の一ページ。

それも、長くは続かなかった。


最後まで読んで頂きありがとうございました!!!!

トランプの件は長いかなぁと思いつつも書かせていただきましたが如何でしたでしょうか?

「面白かった」と思っていただければ幸いです!!

また良ければ次の話も読んで頂ければ幸いです!!!!!

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