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【第二桜】

「ただいま」


「おかえり、どう?小学校には慣れてきた?」


「うん。楽しいよ」


「そっか、良かったー。ママも一安心だわ」


可奈は母に嘘をついていた。

本当は友達もまだいなかった。

楽しい!ってあんまり思えなかった。

でも可奈は心配性な母には心配をかけたくないと思ったのだった。


「−、、、」


家の窓から見る私の大好きだったあの大きな桜は

小さくしか見えない。

私の方が大きいじゃん、そう思った。


「可奈ー?入るよ」


そう言うと母が部屋に入ってきた。

洗濯をたたみにきたらしい。


「ねぇー、、ママ。

  植物にも・・命ってあるの」


ふと可奈はそんな言葉を発した。


「うーん、あるわよ。ちゃんと命あるの。

  ほら、可奈の大好きな桜なんかもうあれ、、

  ずっと生きてるよ。 もう、、死んじゃうのかな」


「え・・・」


母の発した言葉に耳を疑った。

桜、、死んじゃうの。

そう思った可奈はママに「いってくる」そう言い残し

どこかへ向かったのだった。

その時の母の姿は読者にお任せしよう。


「はぁ、、はぁ、、」


何分走っただろう。

気づくと可奈の目の前にはあの桜があった。

可奈はとっさに桜に抱きついた。


「桜さん、、、」

(・・・)


もちろん桜は反応しない。

ただ風に揺れているだけ。


「桜さん、、もう死んじゃうの。嫌だよ。」

(死なないよ)


その時,可奈の耳には確かに「死なないよ」と聞こえたのだった。

可奈の気持ちが強くなりそう聞こえたのかもしれない。

それとも本当に桜が言ったのかもしれない。


「よかった。 あのね、桜さん。私これからずーっと・・

  桜さんのところに来るね。絶対来るよ」


そう言って可奈は桜の木の下に座った。

桜が可奈を包んでいるように感じたのだった。


「おやすみ」



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