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宝石から生まれた《宝石聖女》

作者: あま

「ねえ、何か面白い話をしてよ」

「あ? あー……そうだな……」

 宝石から生まれた、聖なる力を持つ少女。

 幼児の手に収まる程の小さな彼女たちは『宝石聖女』と呼ばれている。

 何でも彼女たちに気に入られた人間は、彼女たちが持つ『聖なる力』で危険から護って貰えるそうだ。

 例えばある村では、他の国から大勢の兵士たちが攻めて来た時、村人の一人と暮らしていた宝石聖女が、村全体に炎の結界を張って兵士たちを追い払ったと言う。

 また他の村で、村長の息子が村娘たちにちょっかいを駆けて回るので村人たちが困っていた所、宝石聖女が息子に『雷』を落として改心させた、という話もある。

 宝石聖女に纏わる話で最も有名なのは、この国の北にある『魔物の森』から魔物の大群が北の村へ迫って来た時、三人の宝石聖女が力を合わせて魔物たちを森へ押し返した話だろう。

 その話は、流れの吟遊詩人たちによって他の国にも伝わったらしい。

 そんな話を聞いた他国の王たちが、宝石聖女を求めて順番にこの国を訪れたようだが――。

 最初に話した通り、宝石聖女は気に入った人間にしかその力を使ってはくれない。

 運よく彼女たちに気に入られたとしても、もう一つ重要な『課題』がある。

 それは、宝石聖女たちの『食事』についてだ。

 宝石聖女たちの食べ物は、彼女たちが生まれた宝石と同種の鉱物、もしくは加工された硝子。それか、人間の生命力である。

 その為他国では、彼女たちに気に入られて寿命が縮んだ王族もいるらしい。


「まあ、この国には宝石になる鉱物が潤沢に残っているからな。『大食らい』の宝石聖女様が生まれない限り、百年は大丈夫だろうよ」


 《終わり》

ギブ・アンド・テイク


「……」

「ん? 何だ、どうした?」

「……あんたさぁ、『面白い話』って意味を勉強し直してきて」

「はぁ?」

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