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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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36.大銀のフランシス(3)


「あと念のため言っておくぞ、レスリーとは決別しろ。

レスリーがどんなに貴族と繋がっていたとしても、俺を止めるには至らない。

もう今までは終わったんだ。少しでも結果を良くするように動くべきだな。」

「分かりました。」


「次は、レスリーについて聞いておこうか。

あいつは、どこまで貴族に対して力を持ってるんだ?」

「レスリー商会が、アイカの子爵様に利益を貢いでいるそうです。

その為、ウィダスの男爵など子爵の派閥の者が言う通りに動いているという話です。」

「なるほどな。子爵の名前は?」

「・・・知りません。」

まあ、ケニーさんなら知ってるか。


「冒険者ギルドが討伐隊を組織するのに、今から10日ほどって所か。

それまでにすべてを済ませておけよ。

討伐隊が、村に着いた時にはもぬけの殻って状態が望ましい。」

「10日・・・はい。」

俺が戻るのにあと3日稼げる、そこから1週間程度で人数は集めれるんじゃないかな。

2000人の討伐って3000人とか集めるのかな?


俺は、フランシスの目隠しとロープを外す。

「子供・・。」

「ああ。俺はハルトだ。お前と同じ大銀の冒険者だ。」

俺は、大銀の証のネックレスを出して見せる。

「あと、俺が魔法を使える事も、魔法の内容も他人には話さないようにな。

お前の事情と関係なく、始末しないといけなくなるからな。」

「はい。」


フランシスの装備を亜空間から再度取り出し返していく。

1つだけ魔法が宿った装備を見つけて、

「これか。」

「はい。魔法を感知して熱くなって教えてくれるのです。」


魔道具と言うやつらしい。装飾過多なブレスレットだ。

相変わらず、こっちの装飾品は趣味が悪い。

「これは、簡単に手に入るような物なのか?」

「いえ。魔獣討伐に来ていた騎士様の死体から奪った物です。」

「なるほど、貴族しか持てない物って事かな?」

「貴族様でも、それほど持ってる方はいらっしゃらないかと。」

この世界で死体から奪うのは、結構正当な行為だから、そこを責めるわけにはいかないな。


まあ、そんなにこういった物が出回ってないならいいか。

「これも返しておくぞ。俺の攻撃にはあまり意味ないが、魔獣相手なら有効なんだろう。」

「ありがとうございます。」

「急げよ。」

後は、フランシスがどう動こうが、俺を襲うような事は無いだろう。


俺は、フランシスをその場に残し、亜空間経由でケニーさんの部屋に戻る。

ケニーさんは、起きて俺の帰りを待ってた。

「戻りました。」

「おかえりなさい。どうでしたか?」

「まあ、とりあえず収めたって感じですか。レスリーはどっぷり冒険者村に絡んでましたね。」

「はぁ・・そうですか。裏で盗賊までやってたのですね。」

「大銀のフランシスは説得に応じましたので、多分大丈夫でしょう。」

「それは朗報ですね。」


「あと残る問題としては、レスリーとレスリーと繋がっている貴族ですね。

ケニーさん、レスリーと繋がってる子爵の事は知ってますか?」

「はい。毒の法律を推し進めた、ドウェイン子爵ですね。

平民に対しての法律の策定などが主な仕事なのですが、レスリー商会とのつながりも深そうで、

かなり儲けているようですね。

いろんな貴族にお金を貸している事もあり、かなり力を持っているようです。」

「なるほど・・。ありがちな悪そうな貴族だな。」


「そうなのかもですね。でも、お金の力を持つ貴族ほど強い物はありませんよ。

多くの下級貴族は、お金を持ってなくて借金だらけだそうですからね。

まあ、お金を持ってるから悪い人間って訳でもないでしょうけどね。」

「確かに。お金はただのお金であって人格とは関係ないですもんね。」


とりあえず、これで目先の問題は片付いた感じでいいのかな。

「後は、戻ったら過去の毒の購入リストの提出をしてもらう事で、

ケニーさんが狙われる事も無くなる感じかな」

「そうですね。命までは狙われないって事でしょうね。」


俺の方は、まだ結構残ってるのかな。

冒険者村の事を冒険者ギルドに報告だな。

ブラントさんにも、フランシスの事を合わせて報告する必要があるな。

その上で、討伐までの時間を稼いでもらう感じか。

あと、冒険者村からのお尋ね者になっていない冒険者の受け入れも、

依頼しておかないといけないだろうな。

ついでに、お尋ね者になっている奴が開拓村に行くのでそれの手続きもしてもらわないとだな。

この辺りは話せばうまくやってくれるだろう。


敵の数が減れば犠牲も少なく済むし、盗賊が自分たちで開拓村に行って働くって言うなら、

あとは法律云々の面倒な部分だけだろうしな。

討伐隊と後処理の面倒さに比べれば楽なので、頑張ってくれるだろう。


まあ、盗賊に襲われて死んでしまった犠牲者の心情的には、許せる話ではないだろうけど、

それを無視すれば良い解決だろう。


レスリー商会については、しばらく静観するつもりだがまだなにかしてくるなら潰さないとだな。

貴族側は絡みたくないから放置だな。

今日の所はここまでかな。

後は、明日からの状況見ながらだな。


ケニーさんの部屋で就寝して、翌朝日が昇る前に朝市に来た。

「やっぱり朝市って早いですね。」

「昨日も遅かったんで眠いんじゃないんです?」

「最近眠いって感覚があまりないんですよね。

不眠とかじゃなくて寝ようと思うと寝れるんだけど、眠くないだけというか・・。」


ケニーさんは小声で、

「魔力がある方はほとんど寝ないって聞いた事あります。」

なるほど。ん?そういえばリーザもそんな感じの事言ってた気もするな。

「そうだったんだ。子供は寝ないと育たないのに、それは良くないですね。」

「子供がそれを言うのもどうかとは思いますけどね。」


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