15.東の盗賊調査の報酬
「簡単に要約すると、盗賊のアジトを見つけました。俺が偵察に来た時には、
盗賊達は商隊を襲いに出ていました。
で、そこに囚われている女達が居たので救出しちゃいました。
その時、見張りの3人ほど無力化してます。
盗賊が戻って来た時に、女が消え見張りもやられてる状態だったので。。逃げ出した見たいです。」
「。。なんと言えばいいのか。。」
「盗賊の規模は、18人でした。そのうち3人ほど無力化しています。」
「で、救出した女達は?」
「2番目の宿場に移動させ、後は自力で帰るはずです。数人は町に来るように話してますので後日、
話は聞けるはずです。」
「・・・お前は。偵察だけじゃなかったのか。。まさかアジトに乗り込むとはな。。
まあいい。で、こっちに向かってきてるってどの辺りまで来てるのか判るか?」
「あの遅さなら、1番目の宿場町の手前で当たる事は無いでしょう。
でも、こちらが宿場に入ってしまうと、こっちの存在がばれる可能性があるので、
早めに野営を張って深夜に狙う感じがいいのかもですね。」
「そうだな。俺達も街道の北側に野営を張り、相対する感じだろうな。相手は15人か。
それ自体は脅威にはならないな。」
「ではそういう事で。がんばってください!」
「お前は・・・。戻るのか?」
「はい。俺の仕事はそれなりにこなしたんで。。アジトを潰して、女達を救助、3人倒したし。」
「・・・確かにな。後はこっちでやる。お前が戦闘に参加したら、俺の仕事が無くなっちまうな。」
「じゃあ、俺はこれで。気を付けてくださいね。
相手は警戒してる上に追い詰められてるだろうから。」
「判ってる。」
俺は、手を振って、ブラントさんが来た街道を歩いて移動していく。
後はブラントさんにお任せだな。
討伐隊に当たって、盗賊ごときがどうにか出来る訳でもないだろうからな。
俺は、討伐隊から見えなくなった所で街道を外れ、亜空間を使い家に帰る。
今日の夕方くらいに、南門経由で戻ったふうを装っておけばいいかな。
「ただいま~。」
「おかえりなさいませ。」
リルが迎えてくれた。
ほかのみんなは、解体の作業をしているらしい。
「獲物狩りいってくるね。」
「はい。行ってらっしゃいませ。」
俺は、近隣の獲物を狩りに勤しむ。
今回は、獣のみだ。
家の近所の獣を狩って、家の周囲を少しでも安全になる様にしていく。
18時に近くなってきたので、一旦南門から町に帰り、冒険者ギルドに寄って、
ギルドマスターに偵察の完了の報告をしておく。
あと、囚われてた女達が町に来るので対応をしてほしいとの話をしておく。
現状の討伐隊の動向も併せて話をし、今晩にでも戦闘が行われる事も伝えておく。
女達は、2番目の町を明日くらいに出るだろうから、
3日後くらいに付くんじゃないかと思うとの話をしておいた。
路銀も渡した事を話したら、これについてはギルド側で補填して貰えるらしい。
俺への報酬については、ブラントさんが戻ってきてから話す事になったので、
明日の夕方くらいにまたギルドに来る事になった。
後は、ギルドで依頼の納品を行い皮屋に行って納品を行い帰宅だ。
夜には伐採と採取の作業を行った。
木やハーブなんかも結構溜まって来たので、このあたりも放出する方法を考えないとだな。
材木屋や薬剤所なんかに納品出来ないかな?
翌日も朝からは狩りを行い、夕方前にギルドに向かう。
ギルドマスターの部屋に入ると、ブラントさんがいた。
「おかえりなさい。ブラントさん。」
「おお。ハルト。無事全滅させてきたぞ。」
「こっちの被害はなしです?」
「ああ。こっちは軽傷程度はあるが全員無事だ。」
「相手は、全員殺した感じですか?」
「いや。。2人だけ捉えて連れて来てる。衛兵に引き渡す前に少し尋問がしたくてな。」
「2人ですか・・・。」
「リーダーと、その息子らしい。その息子は片足が動かなくて、それで盗賊達の動きが遅かったらしい。」
「その2人は?」
「今は、ギルド内の牢屋に入れてる。話てみるか?」
「いえ。興味ないです。」
「そうか。」
さて、報酬の話をしますか。
「ギルドマスター。報酬の話をしたいんですが・・・。」
「そうだったな。金じゃないって言ってたがなんだ?」
「実はですね、ちょっと商売を始めようと思ってるんです。
それに冒険者ギルドとしても、協力してほしいと思ってまして。」
「商売だと?」
「はい。露店で料理を出そうと思ってるんです。」
「露店で料理?」
「はい。それでギルド前に出店させてもらえればな~と思ってます。
あと、販売用の人員の確保ですね。」
「なるほどな。ギルド前で出すのは・・・。調整が必要だな。
うちにも飲食店が入ってるんで、前でやられたら苦情が出るからな。
ちょっと調整するのに時間かかるぞ。
あと、人員については、依頼を出せばすぐに集まるだろうが、
調理が出来る者とかその辺の要望はないのか?」
「調理が出来ればいいけど、調理よりも秘密が多いので、口が堅く信用出来るというのが一番ですね。
調理は出来なくても覚えて貰えばいいので。3人ほどお願いします。」
「信用出来るやつか・・・。そういう奴はランクが上位なんで、
露店や調理なんて言う実入りの少なそうなのには来ないんだよな。
まあ、冒険者やめて安定した仕事に付きたい奴なんかもいるだろうから探しておくさ。」
「よろしくお願いします。」
それから、1週間はなんの変化もなく平和な日々が過ぎて行った。
家の周辺の森の獣はほぼ狩りつくしたが、塀はそのままにしている。
念の為、って言うのもあるけど、果実の木を植えた事で景観的には問題無くなったのと、
塀が無くてもある程度の距離まで来ると、家が目立つので塀が無くても一緒だし、
塀の外側に少し木を植えて遠目には目立たなくしたので、
人が迷って来た時に下手に入られるよりも、安全性を重視という事で塀は残す方向で考えてる。




