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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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14.東の盗賊調査 救出(4)


他に、通常盗賊はなにもせずに通す商人もあれば、襲ってしまう商人をランダムに選別するそうだ。

そうしておかないと誰も通らなくなるか、今回のように討伐隊が組まれてしまう。

だが、今回の盗賊団は、手当たり次第にすべての商人を襲っていた。

これは、盗賊団の数がそれなりに多いにも関わらず、ここは宿場地帯なので大口の取引がなく、

1つ襲ってもそんなに実入りが無かったため数こなす必要があったらしい。


でも。。こんなに女の人を攫ってきてるから生活出来ないのであって、

男達だけなら何とかなった気もするんだけどね。

女好きで自滅したんなら自業自得だろう。。

まあなんにしても、もう食えなくなってたので近々移動を予定していたらしい。


あと、盗賊のリーダーには子供がいたそうだ。

かなりかわいがっていたが、見張りに残っていたので、俺にやられたそうだ。

あの子供なんだろうな。


全員に帰れる場所があるのか話を聞いた所、

5人は近所の農村に家があり、

2人は、1番目の宿場に家があるらしい。

残り5人は、戻る家が無いとの事だが、2人は町に親戚がいるので、そこに向かうとの事だ、

残り3人は元々、町に住んでいたそうだが家はないそうだ。

長い子では、2年もここに囚われていたそうだ。


やっぱり送って行ってあげないとダメだよな~。

その前に、口止めが先か。。

俺は、ローブを取って顔を見せた。

「子供。。。」

「ああ。子供だ。だが、魔法使いでもある。」


全員が、話を聞く体制になるまで待って、

「ちょっとした事情がありこの事を公に知られる訳にはいかない。

その為、今日見聞きした魔法の事は一切話をする事を禁ずる。俺に会ったのは話してもいい。

だが、お前たちの誰も元からケガはしていないし、見張りが倒されたので、

アジトにあった服を盗んで逃げだした。

川に入って、体と服をきれいにし、食料は果実があったのでそれを食べていた。」


また、全員の顔を見まわして。

「判ったな。」

「はい。」

「もしも、この禁を破った者は、体が動かなくなる呪いが発動する事になるので覚えておけ。」

「ひ!」

息を飲むのが聞こえた。

もちろんそんな魔法も、呪いも知らないけど、脅しなのでなんでもOKだ。


「次は、お前達のこれからについての話をしよう。

2番目の宿場まで送ってやるので、それぞれで自分の向かいたい場所まで行ってくれ。

近隣の農村の者は、そのまま向かえばいいだろう。

1番目の宿場の者と、町に行くものは全員で一緒に行けばいいだろう。

あと、行き場の無い物も、町に一緒について行ってやれ。」

「クシェルいいか?」

「はい。どのみち行く所はありませんので、町に行って冒険者をやるしかできませんから。」

「冒険者だったのか?」

「はい。私含めて行く当てのない3人は冒険者です。」

「なるほど。それは丁度いいな。では依頼という形にさせて貰おう。

お前たちは、みんなを無事に町まで護衛するというのが依頼内容だ。

金は先払いしておくぞ。」

銀貨1枚をクシェルに渡す。

「こんなに!」

「全部が依頼料じゃない。移動期間中の全員の食事なんかも賄ってやってくれ。」

「はい。」


「冒険者の3人にはこれも渡しておく。」

俺は、先ほどの盗賊から奪った武器と防具を渡す。

「防具はずいぶん汚れてるので、さっきの部屋で洗ってから使え。」

「はい!ありがとうございます。」


3人が、鎧を洗っているのを待っている間に、サーチで盗賊達の動向を探る。

今は、アジトを出て1番目の宿場に向かっているが、速度はかなり遅い。

この速度は、きっと足が動かない奴らも一緒に連れて行ってそうだな。

前は、殺したのに今回は連れていくのか。。

ブラントさんとの接触は、1番目の宿場くらいになるかもな。


防具を洗って戻って来たので、魔法で乾燥させて装備させる。

亜空間の入り口を出して、

「全員この中に入ってくれ。」

全員、びくびくしながら青紫色に光る部分を触って中に入っていく。

全員が入ったのを確認したら、亜空間の入り口を閉じてしまう。


「さていくか。。」

俺は、地下の部屋から出て、2番目の宿場まで追い風で進む。

10分ほどで、2番目の宿場が見える場所まで来た。


先ほどの、亜空間の入り口を再度開き中に声をかける。

「全員出て来て。」

全員がぞろぞろと出て来て、周囲と2番目の宿場を見て驚きの声をあげる。

「俺がやってやれるのはここまでだ。後はお前達で進んで行け。」

「クシェル。町までは無事に送り届ける事、銀貨1枚では宿には泊まれないだろうが、

食事は足りるだろう。」

「はい。お心遣いに感謝します。」

「あと、今日はこの宿場に泊まって、明日から移動するようにしてくれ。

盗賊達が今1つ目の宿場に向かっているからな。明日には片付いているはずだ。」

「はい。」


女の人達を送った後、俺は盗賊の動向を知らせる為にブラントさんのいる場所に向かう。

接触するのは、1番目の宿場の近所になるはずなので、今日中くらいに戦闘は始まるだろうから、

急がないとな。

1つ目の宿場を超えて、街道から見えないように平地を追い風で移動していく。

「もうそろそろかな。」


ブラントさんの隊が街道を進んでいるのがサーチに引っかかったので、近づいていく。

「ブラントさん!」

「おお!ハルト。」

ブラントさん達は、30人の冒険者を連れて街道を進んでいた。

「小休憩だ。」

「はい!」

ブラントさんは、冒険者達に命令し俺の方に向かってくる。

「なにか情報はあったのか?」

「はい。それなりに。。まずは、現在盗賊団はこっち方向に移動してきています。

1番目の宿場くらいで接触するんじゃないかと思います。」

「なに!」

「ちょっと事情がありまして。。現在あいつら逃げ出してる最中というか。。」

「どういうことだ?」


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