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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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7.魔獣の解体


家に帰って夕飯が終わったら、本題のバーベキューコンロの作成だ。

バーベキューコンロは、蓋付きにしてみた。

蒸し焼きになるので、効率良く早く焼きあがるし、ふっくらと仕上がる。


コンロの下部に、引き出しを作り、そこに炭を置けるようにする。

上部は、網だが鉄板との入れ替えも可能にしておく。

2面にして、半面だけ交換も出来るようにする。

全体的に、メッシュにして、空気も入りやすいようにする。

家で使う為の物と、露店で使える大き目の物の2つを用意した。


あとは、木炭だな。

最近は、かまどでも木炭を使うようにしている。

薪は火力あるんだが、煙が出るのと火力が安定しないので、面倒なのだ。

なので、木炭の作り置きは多いのだが、これも露店をするなら、

もっと集めておかないといけない。


木炭の方が煙少ないし、木炭作りをしておかないとだな。

木炭は、出来るだけ端材を使う。

角材を作る時に出た、端材を手当たり次第に木炭にしていく。

木炭は、酸素の無い所で加熱し炭化させた木材だ。


酸素がある所で熱を加えると燃えてしまう。

こうなると、出来上がるのは灰だ。

酸素の無い所で熱を加えると、酸化は起こらず炭化になる。

これを木材に行う事で、木炭を作る事が出来る。

今まで刈った木材の端材を、かなりの量木炭に加工しておいた。


後は、寝るまでの間に、狩りも行った。

家の近所の森に行って、獣を狩りまくる。

魔獣には今回は、手を出していない。

先に、家の近所に獣が来ないようにしておきたいと思ってる。

塀は立てているが、近づいてこないように出来ればさらに安全だろうからな。


翌日も、朝から狩りに行く。

10時にはハーリさんが、倉庫に来て解体を教えてくれるので、そんなに時間ない。

今朝は、魔獣を少し狩ってみよう。

森の奥に入り込み、魔獣の森の中に踏み込んで行く。


魔獣は、結構な数がいる様だ。

獣よりも密度は多い。

昨日の魔獣との戦闘で学習したのは、魔獣は魔法が見えるので、

避けられないほどの広範囲に酸欠を行えば、獣狩りと変わらなかったと言う事だ。

気絶さえさえたら、何でも一緒。


また、アリが居るのを確認出来た。

少し距離があるが、広範囲に魔法を広げて行く。

アリが気が付いた時には、もう範囲の中に入っているので、そのまま酸欠を行う。

10秒ほど、こっちに向かって来て気絶する。

この10秒で近づけない距離に居れば、問題なさそうだ。

もしくは、10秒俺が逃げてもいい。


警戒しながら、単独で動いているのだけを狙っていく。

獣ではいなかったが、魔獣は複数で動いているのもいる。

アリが、3匹で一緒に動いているのとかを見つけた。

他に、1mくらいの巨大トンボ、巨大バッタも見つけたので、狩ってみた。

トンボも、バッタも、アリよりも断然高速で動て来るので、逃げながらだったけど、

それほど苦戦する事なく、狩る事が出来そうだ。


戦果は

・アリ魔獣 : 3匹

・トンボ魔獣 : 2匹

・バッタ魔獣 : 2匹

魔獣は虫系なのかな?


どれも大きさは1m程度で、かなり巨大だ。

バッタは確か食えるんだったよな・・・。

食えるのか?すっごい固いぞ。


うろついてると、とんでもない大きさの魔獣が居るのを見つけた。

多分、ゾウくらいの大きさじゃないかな。

見てみたいとも思ったんだけど、危険な気もしたので、今回はやめておいた。

他に、そんなでかいのいなかったから。別格な予感がしたからだ。

勝てないとは思ってないけど、もしも狩ったとしても、グリズリーベア同様に、

納品出来たりもしないし・・・。

ハーリさんとの待ち合わせの時間が、もうすぐだったと言うのもあるんだけど・・・。


家に戻り、みんなを連れて、倉庫でハーリさんを待つ。

「おはよ~。」

「おはようございます。」

「あら、みんな集まってるのね、」

みんなハーリさんとは、ずいぶん仲が良くなってる。

「今日は、これなんです。」

「本当に魔獣なのね・・・。それも、こんなに・・・。」


解体用の机の上には、アリとトンボとバッタの3匹を乗せている。

「さすが、大銀ランクってすさまじいわね・・・。

冒険者ギルドにいた頃でも、1日にこんなに魔獣を見る事は無かったわ。」

「まあ、いろいろね。」


「まあいいわ。これだけ居るのならどんどん進めないとね。

先に説明だけしておくわね。

虫系魔獣の肉は、食べられないわ。

と言っても、虫系じゃない魔獣は、かなり巨大で強いので、

100人の騎士団でも、犠牲をだしながらしか倒せないって聞いたわ。

当然、私は見た事ないので、解体した事ないわ。

大きさが違うだけで、基本は獣と一緒のはずだけどね。」


さっき居た、あれの事か・・・。

やっぱり強いんだな。

酸欠したら狩れそうなので、俺にとってはそれほど変わらないだろうけどな。


「あと、魔獣からは共通して取れるのが、

魔核と、魔法薬の素材になる魔力のある部位があるの。

魔核は、魔法陣を書く為の素材になるらしく、王国が買い取りしてくれるの。

なので、冒険者ギルドに持ち込んだら、高額で買い取ってくれるわよ。

魔法薬の素材になる部位は、魔獣によって部位が違うんだけど、これも高額になるの。」


ハーリさんは、アリの魔獣の所に行って、

「じゃあ、レッドアントから行きましょうか。

さっきも言ったけど、肉は食べられないから、必要な素材だけ取ったら後は廃棄なの。

レッドアントの場合には、甲羅が防具の材料になるから、甲羅と魔核、それに牙ね。

レッドアントのアゴが、魔法薬の素材になるの。

レッドアントが一番魔力を込めるのが牙だそうで、死んでもアゴには魔力が残るらしいの。

そのおかげで、魔法薬の素材になるらしいのよ。」


魔力が残るって話を聞いて、俺は魔法視を使ってアリを見ると、

確かにアゴから魔力が出てる。

もう死んでるいるのに、魔力がとどまってる感じだ。

「なるほど。」


「ただ虫系は、寿命が短いらしくってそれほど魔力が溜まら無いらしいわ。

もっと長生きする魔獣だと、すっごい魔力が溜まるらしくって、

とんでもない金額になるそうよ。」

それは良いかもしれないが、グリズリーベアよりも目立ちそうだな。


「後は、レッドアントの場合には、甲羅が防具の素材になるので、

これを剥いで売ればかなり高額で売れるわ。」

「なるほど。魔獣の解体は基本、核、武器部分。固い部分を取ればいいって感じなんです?」

「そうね。その認識で大丈夫よ。」


魔法薬になりそうな部分と核は、売らずに溜めておきたいな。

他の部位は、冒険者ギルドに出すか・・・。


「そういえば、甲羅を使う防具屋とかに知り合いいたりします?」

「そうねぇ・・・。

知ってる人はいるけど・・・そんなに仲良くないし、

紹介出来るようなタイプのの人でもないので、冒険者ギルドに出した方がいいかもね。」

「そうなんですね。ギルドに出すようにします。」


アリ以外の魔獣も、解体してハーリさんにはいろいろ教えて貰った。

その後、マディがお昼を用意して、みんなで食べる。

7人分なのに、もう慣れたもんで、チャチャっと作ってチャチャっと出してくれる。

マディの料理の手際はさすがだな。

「やっぱり、マディの料理はおいしいわ~。これが一番の楽しみなんだよね~。」

「ハーリ、ありがと。そう言って貰えると作った甲斐があるわ。」

「教えてもらったやり方しても、この味は出せないのよね~。」

「材料でも大分味が違うのよね~。」

「そうよね~。あたしの使ってるのは、安い素材ばかりだからね。」


そうだよな。

肉は、俺が魔法で血抜きしてるので、普通に売って物よりも格段に美味しいはずだ。

後は、野菜の鮮度も亜空間に入れてるから、いつも新鮮な物を使える。

後は、ハーブもだな。

「少し分けましょうか。マディ、少しだけ渡してあげて。」

「はい。」

「ほんとに!ありがと!」

マディにお土産を貰って、ハーリさんは、ご機嫌で帰って行った。


ハーリさんが帰ったあと、俺は、冒険者ギルドに向かった。

露店を開始する為の人員確保の為だ。

冒険者ギルドに依頼を出して、3人ほど雇ってしまおうと思ってる。

露店で、焼く人、売る人、事前に加工する人の3人かな。

あと余裕があれば、護衛の人が欲しい。

それと、宣伝してくれる呼び込みが欲しいな。

この治安の悪い町では、護衛は必須だろう。

売り上げが上がれば上がるほど、襲われる危険も上がるからな。

あと、今までなかった商売だから、呼び込みも必要だろう。

軌道に乗ってからは要らないかもだが、

最初は呼び込まないと誰も買ってくれないかもしれない。


人件費は、大銅ランクの冒険者で、7日間で銀貨1枚程度のはずだ。

なので、月給4万円程度で働いて貰う事が出来る。

銅ランクなら、もっと安い。

5人で考えると、月20万稼げれば人件費は大丈夫と言う事になる。


売り上げを考えてみよう。

シカ肉をギルドで売ると、1匹で銀貨2枚になる。

シカ肉1匹で20kgくらいとしたら、1食100gで考えて、200食くらいは取れそうかな。

これくらいは1日で売りたいな。

という事は、1日で銀貨2枚の材料費って事だ。

30日で銀貨60枚か。


人件費以外の固定費としては、

炭の代金、露店の作成費用、場所代、加工場所の代金、調味料その他って所か。

加工場所が、7日銀貨1枚だろうから、30日で銀貨4枚くらいか。

露店の場所代が、銀貨1枚程度、

露店の作成費用が・・・。減価償却として銀貨4枚で計算しても、

大体30日で銀貨9枚ってとこかな。

雑費を考えて10枚としておこう。


となると、合計で30日で銀貨90枚・・・90万程度かかる計算になる。

1日200食売れるのであれば、30日で6,000食売れる計算なので、

単純に割ると1食150円で売れれば、損は無いとの計算だ。


例えば、原価の倍額の300円で売った場合、1日の利益は3万程度だ。

これを、1,000円で売ったとしたら、18.5万か。


販売価格の設定として、パンが1つ100円で買えると考えると、

これの10倍の価値と考えてくれるかどうかだな。

新規事業だし、他にまねは出来ないだろうし、かなりうまいし、味を知ってしまったら、

他で満足出来ないだろうし・・・いけそうな気もするんだけどな・・・。

このあたりはケニーさんにも相談してみるか。


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