22.【6日目】大銀の報告
みんなには、新しいベッドで寝て貰い、俺は作業を続けていく。
次は、扉の作成だ。
一番気になってるトイレの扉だ。これだけは早く作りたい。
扉の構造は、枠組みと扉だ。
土の通路にそのまま扉を付けるにしても、周りの加工はしないといけない。
それなら、枠組みを付けて付けて土の加工は、枠組みを固定するだけにした方が楽だ。
枠組みにくっ付いた形で、引き戸の扉を付ける。
扉の稼働部分の蝶番は、盗賊の短剣を潰して作る。
少しでも、鉄の使用を節約する為に、扉に内臓して釘を使わずに、蝶番を固定した。
内側から締めれるようにした。
公衆トイレなんかにある、スライド式のカギを付けた。
締まってると、入ってる事が外から分かるようにしている。
扉が出来た事で、トイレの中は真っ暗になってしまうので、オイルランプを設置しておく。
蝶番の扉はトイレだけで、他は木の引き戸にした。
ふすまのように、レールを付けて開け閉めする為の引手も付けている。
各部屋につながる所には、すべて引き戸をつけた。
湿気が、リビングまで行ってしまうので、お風呂とか脱衣所にも、
引き戸がほしかったんだよな。
扉を付ける事で、暗くなる部分には、オイルランプを追加した。
扉を付ける事で、今度はオイルランプの燃焼での一酸化炭素中毒が怖いので、
各部屋に、小さめの空気穴も追加しておく。
扉が終わったら、小物を揃えて行く。
まずは、トイレの便座を木で作って付ける。
木だと土と違って、冷たく無いからね。
リビングのテーブルは、前よりも大きくして、6人掛けのテーブルにする。
椅子も、今までの座るだけの物ではなく、背もたれのある椅子にした。
後は、土で作っていた棚をすべて木製に変えた。
調理道具も一通り作っていく。
包丁、ピーラー、お玉、フライ返し、木のしゃもじ、泡だて器、まな板と、
持ち手や、素材に木を使う物を作っておいた。
使い方は、明日にでもマディに教えておこう。
一通り、目的の物は作れた。
やっぱり木が一部にだけでも使われるようになって、ずいぶんの部屋の雰囲気が変わって、
居やすい雰囲気になった。
やっぱり、木って温もりあるんだなぁ~。
引き戸だらけなのもあって、日本の家みたいになって、懐かしい感じになったな。
地下部屋の方が終わったので、次は、倉庫の方に手を入れて行く。
亜空間経由で、倉庫に移動して改修を始める。
今まで解体の作業は、地下部屋のキッチンでやって貰ってたけど、
食事を作る所での解体は、衛生的にあまり良くない。
なので、倉庫が空いてるし、ハーリさんに来てもらって教えて貰ったりもするので、
こっちで解体するのが効率いい。
なので、解体しやすいように備品を揃えていく。
まずは、解体を行う大き目の机を作る。
倉庫の2重壁は、土で出来ていたのは見た目で魔法と判るので木の壁に変更する。
作業台や椅子も魔法で出したものなので、これも木製に変更しておく。
トイレの壁なども同様に木製に変える。
ここの便座は木製っぽく見えるように木で覆っておく。
倉庫の方は、木の家って感じになった。
ただ、床面は水洗いしたいので魔法で作った大理石のつるつるの床にしている。
あとは、井戸が違和感あるけど、必要だし仕方ないか。
翌朝少し遅めの時間に家を出て、ハーリさんの元に行く。
ハーリさんもロベルトさんも家にいた。
「おはようございます。」
「おはよう!ハルト、朝からどうしたの?」
「先日話してた、解体の事で話がしたくって・・・。
あと昨日冒険者ギルドから話があったと思うので、そのお詫びというか・・・。」
「ああ!気にしないでいいわよ。
私も話ていいのかどうか迷ったんだけど、
ある程度知ってての確認的な話だったから、正直に話したの。よかった?」
「はい。正直に話していただいて助かりました。」
「あれはギルド登録の話?」
「はい。無事に登録出来ました。」
「よかったわね・・・。
あれ?でも、狩りの実績まで聞いて来るって事は、ランクが上がったって事?」
「はい・・・一応。」
「ん?ギルドカード見せて。」
「はい。」
「!!」
「はい・・・こんな事になっちゃいました。」
「ロベルト!」
ハーリさんは、大声でロベルトをに声をかけて呼びつける。
「ああ・・・。なんだそんなに慌てて。」
「見て!」
「!!」
「・・・成り行きで、試験とかっていうので戦わされて・・・。
勝ったらこうなっちゃいました。」
「大銀じゃないが!え、ネックレスしてないよな!間違いだよな!」
ローブの中に仕舞ってたかのように、ネックレスを亜空間から出して見せる。
「マジか・・・。俺よりも偉くなっちまったのか・・・。」
「そうなんです?」
「大銀の冒険者は、平民では爵位持ちの次になるんだ・・・。
おいおい・・・もう偉そうに言えないぞ。」
「いや・・・。今更変えられても、違和感あるので、いままで通りでいいです。」
「そもそも、なんで大銅ランクに成りに行って、大銀なんてもんになってんだ?」
「いや・・・。
大物って言うから、グリズリーベア狩って、冒険者ギルドに行ったんです。」
「グリズリーベアだと!そんなもん納品したら、銀ランクだろう!」
「だって、ロベルトさん、大物って・・・。」
「大物過ぎだ!」
「で、大銅ランクにしてくれって言ったら、試験受けろって言われて、
攻撃を当てれたら合格って言われたんですが、勝ったら?って聞いたら、
大銀にしてやるって話になって、勝ってこうなりました。」
「無茶苦茶だな・・・。」
ロベルトさんは、飽きれて天井を見ている。
「銀ランクに成るのに、試験は受けるとは思うが、それに勝つって・・・。
普通、銀ランクに上がる時の試験官は、大銀になるはずだが、相手は誰だったんだ?」
「40歳くらいのムキムキの人で、大銀のブラントって人でした。」
「!!マジか・・・。最強のブラントじゃないか・・・。」
え?なに?最強のブラントって・・・。
「あの人は、このアイカの町の冒険者の中で、最強と言われてるんだ。
弟子も何人も育ててるし、冒険者ギルドの戦闘責任者にもなってる。」
「あ・・・。そんなに偉い人だったんですね・・・。」
恨まれてないかなぁ・・・。面倒ごとが増えないと良いけど・・・。
「そんな事はどうでもいいのです。ハーリさんにお願いがあって。」
「どうでもいい事じゃないけど、話は聞くわ。」
「解体を教えてほしいんですけど、いいですか?」
「なんの解体?」
「場所を用意したんです。」
「場所って、解体の?」
「はい。西区域の倉庫なんですが、解体するには結構広くてやり易いと思います。
もちろんお約束通りにお金支払います。」
「そんな所どうしたの?」
「知り合いにケニー商会が居まして、そこの持ち物の倉庫を借りたんです。」
「なるほど・・・。いいわよ、いつがいいかしら?」
「それがですね。
俺以外にも教えて貰いたくって、何日か通って貰えればうれしいなって思ってるんです。」
「あら・・・そうなのね。あまり長い時間とかじゃなかったらいいわよ。」
「今俺の所に、俺を含めて6人いるんです。俺以外のみんなに教えて貰えればと思ってます。」
「ずいぶんな人数いるのね。」
「まあ、アリスも含め友達が3人と、成り行きで大人の女の人2人を雇ったんです。」
「あら・・・雇うなんて、さすが大銀の冒険者ね。」
「そんな気は無かったんですが、完全に成り行きです。
覚えるまでしばらく通っていただいて、大体覚えたら知らない獲物が手に入った時に、
お願いするって感じにしたいんですがいいですか?」
「いいわよ。」
「お金は、前話してた獲物の解体での金額で決めてしまうと、
教える時にお金にならないので日当制で考えてます。
1日で、大銅貨5枚支払います。」
「そんなに貰えないわよ。」
「いえ。1日で何匹も解体する可能性もあるので・・・。
平均すると、1匹いくらって言うのとそれほど変わらないかもです。」
「そんなに獲物がいるって事なのかしら?」
「はい、かなりいます。
まだ解体方法知らないので言うと、こうもり、鳥、狼ってとこですか。」
「・・・すごいわね。」
「それ以外にいくつか珍しいのもあるので、それは見て貰ってからで。」
「わかったわ。大銀になるような子なんですもんね。
それなりに狩ってても不思議無いって事だよね。」
「まあ・・・。あとお願いなんですが、このあたりの情報を、
外に出さないようにお願いします。
ロベルトさんも。」
「確かにな・・・だが大銀なら・・・いや、やめておいた方がいいだろうな。
お前はまだしもアリスちゃんなんかが、狙われる可能性が出てくるからな。」
「はい。お願いします。」
「では、明日の朝からお願い出来たらです。
お昼ご飯はこっちで用意出来ると思うので、可能な時間に来てください。」
「あら。お昼も食べれるのね。助かるわ。」
「あれ、俺の昼飯は?明日から昼番なんだが・・・。」
「そこに、パンがあるから・・・。」
「・・・。」




