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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
3.襲撃
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11.ジャックの目覚め


戻ると、リルがお風呂から上がってた。

「マディ。お風呂に入ってきて。」

「はい。」

「リル。髪切ろうか。」

「はい。」


リルを椅子に座らせ、俺は台に乗り、髪を切ってあげる。

リルの髪は、茶色のストレートだ。

瞳の色は黒だ。


顔は純朴そうな感じの顔で、際立って綺麗でもかわいいでもないが、

人好きのする顔をしている。

痩せているのでと言うのもあるんだろうが・・・。


年齢は21歳らしい。10代中ごろだと勝手に思ってた。

原因は、身長だ。

身長は平均よりもかなり低い。

マディと比べても、大分低い。


髪の毛は、一部固まってたりはしたが、それほどひどくもなく、

本人は昔から結構伸ばしてたらしく、あまり切りたくないとの事だったので、

肩甲骨あたりのロングにしてあげる。


「ずいぶん頭が軽くなりました。お風呂もすばらしかったです。

温かいお湯に浸かるのが、あんなに気持ちいなんて思わなかったです。」

「それはよかったよ。」


「洗濯場に大量に洗い物を結構置いたので、それの洗濯をお願いできるかな。

全部終わらなくても、明日も続きやってくれたらいいから。」

「はい。わかりました。」

リルは、洗濯場に向かって行った。


「ジャックが起きたよ!」

アリスが大きな声で叫んでる。

俺も、急いでジャックの寝てる寝室に向かう。


「ジャック。」

「・・・ハルトか?」

「ああ。ハルトだ。ミーアも無事だ、アリスもいるぞ。」

「ああ。よかった・・・ミーアも・・・。」


ジャックはミーアの顔を見て安心して、手を伸ばしミーアの頬を撫でる。

「・・・助かったのか?」

「ああ。みんな無事だ。お前が一番ひどいケガだった。」

「・・・まあそうだろうな。あいつらに好き放題にされた・・・?」


ジャックは、左腕や足を動かし、自分の体を確認して、

「なんだ・・・?夢だったのか?」

「いや。夢じゃない。お前はひどい状態だったよ・・・。魔法で直したんだ。」

「魔法?」

「ああ。」

ジャックは、ベッドから降りて立ち上がる。

少しふらついているが、しっかり立つ事が出来るようだ。


周りを見回し、自分がベッドに寝ていたのを見て、

「ここは・・・孤児院か?・・・どうなってる?」

「落ち着て話した方がいいだろうから、とりあえず飯食うか?」

「・・・飯あるのか?」

「ああ。腹いっぱい食っていいぞ。こっちだ」


ジャックをリビングに案内して、座らせる。

「リル。悪いけどジャックの食事の準備をお願いできるかな。」

「はい。」

リルの顔を見たジャックは、

「あれ?あの人って、あいつらの所にいた。」

「ああ。そうだ。」


「ハルト。どうなったのか説明してくれ。」

「ミーアが俺の所に来て、お前が攫われたって教えてくれた。」

「ミーア。ハルトのところに行けたんだな・・・ありがと。」

「うん。」

「それで、お前を助けに行って、あいつらは全滅させた。

殺しては無いが、足を動かなくしてるんで、もう何も出来ないだろう。」

「それは・・・どういう事だ?全滅ってあいつらを全滅させたって?」


「俺、魔法使えるようになった。」

「魔法って・・・。お前使えなかったじゃないか。」

「最近、使えるようになった。」

「そんな簡単に使えたりするもんじゃないだろ!」

「そう言われても、使えるようになったのはどうしようもない・・・。ほら。」

そう言いながら、地面から椅子を出す。

「な!」

ジャックは茫然として、固まってしまった。


「まあ、そうなるよな。

とりあえず、今は魔法が使えるので、狩りをして稼いでいる。この家も俺の家だ。」

「話を聞いて、ますます判らない事が増えたんだが・・・。」


「まあ、話を戻そう。あいつらを全滅させた後、お前を助けて魔法で回復させた。」

「・・・訳は判らないが、納得するしかなさそうだな。

思い出しても震えるような事をいっぱいされたからな。」


ジャックは、ミーアを抱きしめながら目を瞑る。

「その時に、2人女の人がいたと思うが判るか?」

「ああ。1人がその人で、もう1人いたな。」

「2人共、ここに匿ってる。」

「あいつは、あいつらの嫁とかって言ってたぞ。」

「知ってる。だけど、あいつらに裏切られてあそこに連れられて行ってた。」

「・・・確かにな、あの人も、かなりむごい事されてたからな。」


「で、あの盗賊達は全滅させたけど、町にはまだ仲間が残ってそうなんだ。

それに、お前らが襲われたのって、多分俺とアリスの2人組と間違われたからなんだ。」

「ああ。やっぱりお前らの事だったのか。あいつらのアジトにいる時に少し聞いた。」

「俺が襲われて殺されそうになった隙に、アリスが攫われた。

そして、死にかけた俺から、パン屋が俺の持ち物を奪った。


それの報復として、それぞれの犯人に罰を与えたんだが、それがさらに逆恨みを買って、

今回の事件が発生したという事だ。」


「なるほど。そういう訳だったのか・・・って、俺、完全に巻き込まれじゃないか!」

「俺のせいじゃないけど、巻き込んで悪かった。」

「本当に、お前のせいじゃないから謝らなくて良いぞ・・・。

助けてくれてありがとな。」


「で、話なんだが、お前らも一緒に暮らすか?」

「お前・・・魔法使いになったって言うなら、王国に仕えたりはしないのか?

魔法使い様って言ったら、貴族よりも偉い人達らしいぞ。」


ああ・・・。そうなんだ。

なるほど。そんなの知らなかったな。

と言うか俺の知ってるこの世界の情報は足りなさすぎるな。

後で、リルとマディにいろいろ教えて貰おう。


「う~ん。その気はないな。王国に雇われていろいろ拘束されるのは嫌だからな。」

戦争のお手伝いを頼まれるくらいならまだしも、王に仕えて媚びへつらったり、

ほかの貴族に嫉妬されて、策謀とか、陰謀とか・・・無理!

楽しくなさそう。


「状況次第な所はあるけど、町に戻るにしてもほとぼりが冷めるまでは、

ここで暮らすようにしろよ。

それから、町に戻るかここに居るか、決めたらいいよ。

今の町では、お前達を狙う奴も出てくる可能性があるからな。」

「ああ。しばらく置いてくれると助かる。」

「分かった。」


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