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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
3.襲撃
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4.ミーアの救援依頼


「ミーア?」

「・・・!」

ミーアは、俺の姿を見て逃げようとする。


「待って、ミーア!ハルトだよ!」

ミーアは立ち止まって、俺を見る。

俺は、フードを取って顔を見せてあげる。

「ハルト・・・なの?」

「ああ。どうしてここに?」

「ハルト!お兄ちゃんがケガしたの!大人の人に殴られて・・・助けて!」


ミーアは、孤児院時代からの知り合いだ。

兄のジャックと共に、同じ時期に孤児院で過ごしていた。

兄のジャックはすごい妹思いで、いつでもミーアと一緒にいて、

ミーアを守るっていつも言ってた。

ミーアは甘えん坊で、いつもジャックにべったりだった。


孤児院から外に出た時期は、俺よりもジャックの方が少し早く、

俺が孤児院を出たばっかりの時には、3人で一緒に生活し、

いろいろ教えてくれたのもジャックだった。

結局、3人分の食料を見つけるのが大変で、俺が離れて行ったって感じだ。


アリスと一緒にいるようになってからも、何度か会ったりはしてたんだけど、

その後は一緒に過ごす事は無かった。

ジャック達は、俺の住んでた路地から、通りを南側に挟んだ所にいる事が多かった。

ジャックはアリスと同じ6歳で、ミーアは4歳だ。


「どういう事だ?」

「兄ちゃんが大けがしたの!大人が何人も来て、私を引っ張って連れて行こうとして、

兄ちゃんが助けようとして、殴られて兄ちゃん動けなくなって、

ハルトの所に行けってお兄ちゃんが言って逃げて来たの。」

アリスと同じように、人攫い的な奴か・・・しかも何人もっていうのがいやな感じだな。


「ミーアは痛い所とかないのか?」

「うん。」

「それはいつの話?」

「昨日の夜。」

もう1日経ってしまってるじゃないか・・・無事でいろよ!

すぐさまサーチでジャックの居場所を探す。

ジャックは、東区域の貧民街にいる様だ。

状況は判らないが、生きてる事は確かだ。

生きてさえいれば、回復魔法で何とかできる!


ん!?

これは・・・パン屋の家じゃないのか!?

「ミーア。人攫いの奴らはなんか言ってなかったか?」

「・・・男と女の2人組を探してるって言ってた。」


なんて事だ。俺を探して巻き込まれたって事か。

同じ場所に、パン屋・・・それに蹴り男まで居そうだ。

それに、パン屋の嫁もいるようだな。

誘拐男はいないな・・・いや・・・パン屋の家から少し離れた路地で死んでる・・・。

理由は・・・想像できないが、仲間に殺されたのか?

パン屋と蹴り男たちは、仲間ではないと踏んでたがそうではなかったようだ。

くっそ・・・あいつらやりたい放題だな。


俺への報復しようと探してて、ジャックとミーアを見つけて、

似ているからって攫ったって感じの流れか?

「ミーア。俺と知り合いだとか、俺の名前とかって人攫いの前で言った?」

「ううん。言ってない。あ・・・兄ちゃんがハルトの所に行けって言った。」


パン屋が一緒にいたのなら、アリスとの会話を聞いていただろうから、

俺の名前を知ってる可能性もあるって事か。

もしかすると、ミーアを逃がしたのも、ジャックだけ攫ったのもそう言う事なのかもな。

後、パン屋の家にいるのも・・・誘ってるって事か?


・・・殺してしまっておくべきだったのか・・・。

ヘタに生かしてると、情報が洩れ、こんな結果になるという事か。

後悔しても始まらないが、まさかジャックにかかわって来るとは思いもしないかった。


パン屋の中には人数揃えて、待ち伏せしてそうだな。

いまの段階でも、13人くらいがいそうだ。

応援なんかや、外で張ってるやつなんかもいるかもしれない。


すぐに助けに行きたい所だが、まずはミーアの安全確保からだ。

俺を狙ってるなら、ここにいても安全とは言えない。

別動隊がいるのなら、ここにも探しに来るだろう。

1日経って、生きてるならもう少しだけジャックには待って貰おう。

あいつも、ミーアの無事を優先する事に異論は無いだろう。


ミーアは、倉庫に連れて行くのが良さそうだな。

アリスなら面倒を見てくれる出だろう。

「ミーア。一旦安全な所に行こう。ジャックは俺が助けるから。」

「・・・ほんとに?」

「ああ。何とかするから、まずはミーアが安全でないとジャックが心配するから。」

「うん。」


ミーアを連れて、倉庫に連れて行く。

倉庫に移動しながら、少し今後の事を考える。


今回、奴らを全滅させたとして、ジャックとミーアをどうするかな。

浮浪児の知り合いをどんどん引き入れて行くか?

それに生産性はついてこないよな・・・俺とってのメリットが少ない。


逆に、これが終わったらこいつらをまた浮浪児として開放するか?

今回、男女の2人組ってだけで狙われたって事は、あいつらを完全に全滅でもしない限り、

今後も同じように狙われる可能性があるって事だ。


単純な話、ジャック達が今回のように攫われると、俺は助けに行く事になる。

それならば、連れて行ってしまった方が安全だし、心配が減る。


ハルトの知り合いって言っても、仲良かったのはアリスとジャックとミーアの3人だけなので、

次々と囲っていくなんて必要も無いだろう。

という事で、ジャック達は一緒に暮らす方向で考えよう。


倉庫についたら、魔法で作った2重壁の奥に連れて行き亜空間の入り口に入らせる。

「ここに入って。」

「え・・・。なに?これ?」

「次の部屋に行くだけだよ。少し光るように出来てるんだよ。」

ミーアは不安そうにしていたが、俺は一緒に、亜空間経由で地下部屋へ移動する。


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