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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
3.襲撃
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2.思わぬ獲物


お昼ご飯は、昨日の残りのスープに、しょうがで味付けをし直た物を食べる。

後は、パンを薄く切ってあぶった物と、デザートにナシの半分を二人で分けて食べた。


片付けをしたら町に戻る。

今日は、手ぶらで門をくぐり倉庫まで戻って来る。

これで、今後は町の中にいる状態のままで、倉庫から外に出る事が出来るようになる。


2人で倉庫まで戻って来て、亜空間から地下部屋に移動する。

「アリスは、ヘビの解体の続きしててもらっていいかな?」

「判った~。早く帰って来てね。」

「いろいろ行く所があるから、少し遅くなるかも。でも、夕飯までには戻るね。」

「うん。待ってるね。」


まずは、今日アリスに解体してもらったヘビの皮を売りに行こう。

皮屋さんに行って、ヘビ皮を買って貰う。

数に驚かれたが、購入はしてもらえた。

5匹分だったんだが、2匹はアリスが覚える時に皮を破いてしまい、

大銅貨1枚になってしまった。


それでも、銀貨1枚と大銅貨1枚になった。

手持ち

銅貨 : 25枚

大銅貨 : 45枚

銀貨 : 3枚

銅貨100円換算で、7万7,500円になった。


「ありがとうございます。」

「いやぁ。昨日の今日で5匹とは・・・傷なしで狩れる技と言い・・・本当にすごいな。」

「いえ。いろいろ内緒のやり方があって・・・。

それはそれとして、これからもきっとヘビの皮をそれなりに納品出来ると思います。

そこでちょっと聞きたいんですが、このヘビ皮ってどんな物に使われてるんですか?」


「ヘビ皮は、装飾品なんかの柄として、木の製品なんかに張り付けて使う事が多いな。

ただの、飾り付けなので、そんなに需要はないんだ。」


「なるほど・・・。一つ提案してもいいですか?

ヘビの皮の使い方なんですが、財布っていかがでしょうか?」

「財布?金を入れる為の袋か?

大貨があるから結構な大きさの袋になるし、普段は袋のまま渡すから、

その袋に装飾したりはせんが・・・。」

「小貨用の財布です。大貨は、今まで通りに袋に入れてやり取りでいいと思うんですが、

小貨は結構細かいので、財布的な物があれば便利じゃないですか?」

「まあ、そういう使い方なら出来なくもないか。」


「あと・・・。知ってますか?

ヘビの皮で出来た財布を持っていると、お金が溜まるんです!」

「なに!それは本当なのか!聞いた事ないぞ。」

「本当かどうかは、使ってみれば分かります。」

「なるほど!そんな話があるなら使ってみようか。」

「って、宣伝文句にしたら、売れると思いませんか?」

「へ?・・・なるほど!それは売れるぞ!」


この世界に来て思ったんだ。

この世界の人って迷信大好きだし、すっごい素直なんだよな。

教育が無いし、TVなんかのメディアも無い、なのでそんな感じになるんだろうな。

この話が、定着すればヘビ皮の需要も上がるし、

日本でも結構信じられてて、ヘビ皮が売れる理由になってたんだし、

思い込んだら結果が付いて来るって事も良くあるし。

まあ悪意のある話でもないので、この世界でもそういう迷信が増えてもいいだろう。


「ヘビ皮、いっぱい手に入れてきますので、

小貨用の財布を作ってガンガン売っちゃってください。」

「おお!任せとけ!そうとなったら、忙しいぞ!」


思いのほか乗り気になってくれた。

これで、アリスには解体に集中してもらっても良さそうかも。

しばらくは、ヘビ肉生活になりそうな気もするが、

まあヘビ肉もそれなりに美味しいし十分だろう。


次は、ケニーさんの所だ。

ケニー商会に行き、ケニーさんを呼んでもらったら、店の奥にある応接間に通された。

ヘビの頭5つを買い取ってもらって、銀貨2枚と大銅貨5枚を貰う。


「ケニーさん聞きたい事があるんですが、いいですか?」

「はい。結構ですよ。」

「黒マダラヘビじゃなくて、白いヘビがいたんですが。」

「それを狩ったって事ですか?!」

「はい。頭持ってきてます。」

「なんと!白背ヘビを見つけたんですね!素晴らしい!」


「あれって、そんなに珍しいヘビなんですか?」

「もちろんですとも!

冒険者ギルドでも、1年に1回納品されるかどうかってくらい珍しいヘビです。

皮は、模様が綺麗なので、貴族の方に非常に人気で、

宝石用の箱の装飾に使われる事が多いです。

そして、何より毒が素晴らしい。


黒マダラの毒は、麻痺毒なんですが、この白背ヘビの毒は血液毒なんです。

これを魔法薬にする事で、麻痺させるんじゃなくて毒死させる事が可能です。

しかも非常に強力で、かすっただけでも急速に体の力が抜けて死んでしまうのです。


その為、肉を目的としてない時の、魔獣狩りなんかで良く使用されます。

ただあまりに数が少ないので毒の購入費で、赤字になってしまう場合もあるくらいです。」


「結構危険そうな毒なんですね。暗殺とかでも使えそうだったりするやつですか?」

「そうですね。そういう用途で購入される場合もあるんでしょうね。

でも、この毒は特徴的なので、この毒で死んだ事がすぐに判明するらしく、

使い勝手は悪いそうです。」

「そうなんですね。」

まあ、あんまり知りたい情報ではないな。


「それの頭持ってきたんですが、買い取って貰えますか?」

「もちろんです。白背ヘビの値段は、去年取れたという時には大銀貨5枚でした。」

「おお。すごい金額ですね。」


予想外に高いぞ。

「じゃあ、確認してください。」

白背ヘビの頭を渡す。

「確かに。白背ヘビですね。ちょっと震えますね。毒腺も問題ありません。」

ケニーさんは、奥のチェストの中から、大銀貨5枚を取り出し渡してくれた。


「これは・・・あなたと契約したのは、間違いではなかったという事ですね。

素晴らしい成果です。」

「でも、契約は黒マダラヘビだけって書いてましたけどね。

まあ俺としては買ってくれるんであれば、持ってきますけど。」

「確かに・・・そうでしたね。」

これは、ほんとにお金にはもう、困らないのかもしれない。


手持ち

銅貨 : 25枚

大銅貨 : 45枚

銀貨 : 3枚

大銀貨 : 5枚

銅貨100円換算で、57万7,500円になった。


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