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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
3.襲撃
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1.【4日目】順調な外生活


「おはよ・・・ハルト。」

「ん・・・おはよ。」

「朝ご飯は、あっちについてから食べよっか。」

「・・・お腹空いた。」

「あら・・・じゃあ、ナシとパンで軽く済ますか。」

「うん。」

ナシを半分ずつと、パンをスライスして朝食にする。

それでも、結構お腹いっぱいになった。

「ごちそうさまでした!」

「ごちそうさま。じゃあ、外行こっか。」

「うん!行こ~。」


南門で、ロベルトさんに挨拶して外に出る。

そのまま川に行き、水浴びをしてから地下部屋に到着する。


まずは、昨日借りた倉庫に移動出来るかの確認を行う。

玄関ホールに作った土間に、亜空間への入り口を作る。

亜空間の中は、小さな部屋になる様に作っていて、出口が2つある。

1つは今作ったばかりの、地下部屋への出口と、もう1つが、町の倉庫に作った出口だ。


亜空間は、任意の亜空間につなげる事が出来る。

今みたいに、作っておいた亜空間とつなげる事も出来るし、

それぞれ違う亜空間にもつなげる事が出来る。

財布代わりに使っている亜空間なんかは、お金の種類によって別亜空間になっている。


作った亜空間から、倉庫にも地下部屋にも行き来が出来る事が確認出来た。

これで、門を通らないでも外に出る事が出来るようになった。

これはかなり便利になるんじゃないかな。


ついでに、井戸用の桶もここに置いてくる。

こっちの倉庫では、ハーリさんに解体をお願いしたりするので、トイレなんかも必要だ。

倉庫の端に小さめの部屋を作り、穴を掘ってトイレにする。

穴の奥には浄化槽を作り、地上への空気穴も作る。

空気穴の場所は、トイレに使われてそうな路地に出るようにする。


アリスには、ケニーさんの所で借りて来た教科書で文字の勉強をしてもらって、

その間に俺は獲物を狩りに行く。

ちょっと本気で獲物を狩って行こう。


地下部屋から近い順に手当たり次第に狩って行こう。

血抜きが、魔法ですぐに終わる様になった事で、高速狩りが出来た。

追い風で高速移動しながら、見つけ次第に酸欠してナイフで止めを刺し、

速攻血抜きして、亜空間に入れたら、次の獲物に向かうという、

超効率で大量に獲物を狩りつくして行く。

3時間ほどで、結構な数の獲物の確保が出来た。

・黒ヘビ : 10匹

・白ヘビ : 1匹

・黒耳ウサギ : 6匹

・シカ : 4匹

・こうもり : 13匹

・数種類の鳥 : 19匹

・狼 : 4匹

・熊 : 1匹


いろいろ知らない獲物もいたので、処理の方法が分からなかったが、

血抜きの場所は、どんな獲物でも首だと思うので、

とりあえず首を切ってから血抜きするようにした。


白ヘビは、大きさは黒ヘビとほぼ変わらなかったんだけど、

模様が明らかに違ったので、きっと違う種類だろうと別に分けてる。


あと、木にこうもりが集ってたんで、これも一網打尽にして収納しておいた。

鳥は見つける度に、酸欠にしてやってたら、ポトっと落ちるので、

結構楽しんで狩ってしまった。


狼はきっと夜行性だったんだろうと思うけど、巣穴を見つけたので、

巣穴入り口を酸欠にしておいて、様子を見に来た所をサクッとやっておいた。


後、熊なんて言うのもいた。

かなり大きかったので、高く売れるんじゃないかとは思うが、重すぎて町に運べない。


流れ作業のように狩ってしまったけど・・・ちょっと調子に乗った気もする。

簡単に狩れ過ぎて、自分でも引くくらいだ。


今まで森の入り口側しか行ってなかったら知らなかったのだが、少し森の奥には

果物なんかも自生しているのがあったのでいくつか採取している。

ぶどうっぽい物や、野イチゴや、ナシ・リンゴなんかもあったので、

買わなくても、今後手に入れる事が出来そうだ。

これは周りの獣だけ狩っておいて、、アリス連れて採取に来るって言うのもいいかもしれない。


後ニンニクと、しょうがを探してみたら、自生してるのがあった。

これで、料理の味も随分と良くなるはずだ。

スープに、しょうがを入れる事で美味しくなりそうだ。


狩った獲物の中で、現段階で金額が確定しているのだけで計算すると。

黒ヘビ21匹 : 首代で10万円、皮代で3万円

黒耳ウサギ12匹 : 皮代で3万円

シカ9匹 : 皮代で6万円

他は不明だな。


4時間で、合計22万円稼げたって事か・・・美味しいな。

まあ、解体したり、売りに行ったりで単純に4時間で稼げたって、

計算する訳にもいかないが・・・。


換金するにも量を加減しないといけないので、換金もなかなか出来なさそうだしな。

ただこれで、お金の心配する生活にはならなくなったっぽいな。


地下部屋に戻って、解体して今日の売り物を作ってしまおう。

「ただいま~。」

「ん・・・おはよ。」

「え~と。文字の勉強はどんな感じ?」

「う~ん。途中で寝ちゃった。」

「あら。」

「あ。でも、文字は一通り覚えたんだよ。」

「じゃあ休憩がてら、アリスも解体してみよっか。」

「うん!解体やりたい!シカの解体楽しかった。」


解体をやりたがる、6歳ってどうなんだろ・・・まあいっか。

「じゃあ、一番判りやすいヘビの解体をやってもらうね。」


ヘビは狩った時に毒腺ごと頭は落とすので、毒腺を傷つける心配はないし多分一番簡単だ。

「ヘビは頭がないからお腹を割いてから、内臓を取り出して、洗って皮を剥いで終了」

「シカみたいに、骨取りとかはしないでいいんだね。」

「そうだね。骨は実にすごい付いてるから、骨はそのままでいいよ。

ただ、大きくて重いんで気を付けてね。」

「うん。」


まずは1匹解体をしながら、やり方と必要な部位を説明していく。

必要な部位は、桶に分けて行く。

数匹、アリスにやってもらいながら、注意する所を教えていく。

4匹目からは、何も言わなくても一人で出来るようになってきた。


「ヘビは結構重いから解体の作業は疲れるよね。」

「1匹でも、時間がかかる。でもヘビの皮むき楽しい!ピ~って取れるから。」

「ヘビは結構な数狩れたから、休憩しながら解体お願いしててもいいかな?」

「一人でやるのはさみしいな・・・。でも、やらないとお金稼げなんだよね。がんばる!」


「お昼頃になったら、戻って来るのでお願いね。」

「ん?お昼って・・・もうすぐだよ」

「あれ?もうそんな時間なのか。」

「じゃあ、あと1匹だけヘビ解体したら町に戻ろっか。」

「うん。」

挿絵(By みてみん)


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