1.【4日目】順調な外生活
「おはよ・・・ハルト。」
「ん・・・おはよ。」
「朝ご飯は、あっちについてから食べよっか。」
「・・・お腹空いた。」
「あら・・・じゃあ、ナシとパンで軽く済ますか。」
「うん。」
ナシを半分ずつと、パンをスライスして朝食にする。
それでも、結構お腹いっぱいになった。
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさま。じゃあ、外行こっか。」
「うん!行こ~。」
南門で、ロベルトさんに挨拶して外に出る。
そのまま川に行き、水浴びをしてから地下部屋に到着する。
まずは、昨日借りた倉庫に移動出来るかの確認を行う。
玄関ホールに作った土間に、亜空間への入り口を作る。
亜空間の中は、小さな部屋になる様に作っていて、出口が2つある。
1つは今作ったばかりの、地下部屋への出口と、もう1つが、町の倉庫に作った出口だ。
亜空間は、任意の亜空間につなげる事が出来る。
今みたいに、作っておいた亜空間とつなげる事も出来るし、
それぞれ違う亜空間にもつなげる事が出来る。
財布代わりに使っている亜空間なんかは、お金の種類によって別亜空間になっている。
作った亜空間から、倉庫にも地下部屋にも行き来が出来る事が確認出来た。
これで、門を通らないでも外に出る事が出来るようになった。
これはかなり便利になるんじゃないかな。
ついでに、井戸用の桶もここに置いてくる。
こっちの倉庫では、ハーリさんに解体をお願いしたりするので、トイレなんかも必要だ。
倉庫の端に小さめの部屋を作り、穴を掘ってトイレにする。
穴の奥には浄化槽を作り、地上への空気穴も作る。
空気穴の場所は、トイレに使われてそうな路地に出るようにする。
アリスには、ケニーさんの所で借りて来た教科書で文字の勉強をしてもらって、
その間に俺は獲物を狩りに行く。
ちょっと本気で獲物を狩って行こう。
地下部屋から近い順に手当たり次第に狩って行こう。
血抜きが、魔法ですぐに終わる様になった事で、高速狩りが出来た。
追い風で高速移動しながら、見つけ次第に酸欠してナイフで止めを刺し、
速攻血抜きして、亜空間に入れたら、次の獲物に向かうという、
超効率で大量に獲物を狩りつくして行く。
3時間ほどで、結構な数の獲物の確保が出来た。
・黒ヘビ : 10匹
・白ヘビ : 1匹
・黒耳ウサギ : 6匹
・シカ : 4匹
・こうもり : 13匹
・数種類の鳥 : 19匹
・狼 : 4匹
・熊 : 1匹
いろいろ知らない獲物もいたので、処理の方法が分からなかったが、
血抜きの場所は、どんな獲物でも首だと思うので、
とりあえず首を切ってから血抜きするようにした。
白ヘビは、大きさは黒ヘビとほぼ変わらなかったんだけど、
模様が明らかに違ったので、きっと違う種類だろうと別に分けてる。
あと、木にこうもりが集ってたんで、これも一網打尽にして収納しておいた。
鳥は見つける度に、酸欠にしてやってたら、ポトっと落ちるので、
結構楽しんで狩ってしまった。
狼はきっと夜行性だったんだろうと思うけど、巣穴を見つけたので、
巣穴入り口を酸欠にしておいて、様子を見に来た所をサクッとやっておいた。
後、熊なんて言うのもいた。
かなり大きかったので、高く売れるんじゃないかとは思うが、重すぎて町に運べない。
流れ作業のように狩ってしまったけど・・・ちょっと調子に乗った気もする。
簡単に狩れ過ぎて、自分でも引くくらいだ。
今まで森の入り口側しか行ってなかったら知らなかったのだが、少し森の奥には
果物なんかも自生しているのがあったのでいくつか採取している。
ぶどうっぽい物や、野イチゴや、ナシ・リンゴなんかもあったので、
買わなくても、今後手に入れる事が出来そうだ。
これは周りの獣だけ狩っておいて、、アリス連れて採取に来るって言うのもいいかもしれない。
後ニンニクと、しょうがを探してみたら、自生してるのがあった。
これで、料理の味も随分と良くなるはずだ。
スープに、しょうがを入れる事で美味しくなりそうだ。
狩った獲物の中で、現段階で金額が確定しているのだけで計算すると。
黒ヘビ21匹 : 首代で10万円、皮代で3万円
黒耳ウサギ12匹 : 皮代で3万円
シカ9匹 : 皮代で6万円
他は不明だな。
4時間で、合計22万円稼げたって事か・・・美味しいな。
まあ、解体したり、売りに行ったりで単純に4時間で稼げたって、
計算する訳にもいかないが・・・。
換金するにも量を加減しないといけないので、換金もなかなか出来なさそうだしな。
ただこれで、お金の心配する生活にはならなくなったっぽいな。
地下部屋に戻って、解体して今日の売り物を作ってしまおう。
「ただいま~。」
「ん・・・おはよ。」
「え~と。文字の勉強はどんな感じ?」
「う~ん。途中で寝ちゃった。」
「あら。」
「あ。でも、文字は一通り覚えたんだよ。」
「じゃあ休憩がてら、アリスも解体してみよっか。」
「うん!解体やりたい!シカの解体楽しかった。」
解体をやりたがる、6歳ってどうなんだろ・・・まあいっか。
「じゃあ、一番判りやすいヘビの解体をやってもらうね。」
ヘビは狩った時に毒腺ごと頭は落とすので、毒腺を傷つける心配はないし多分一番簡単だ。
「ヘビは頭がないからお腹を割いてから、内臓を取り出して、洗って皮を剥いで終了」
「シカみたいに、骨取りとかはしないでいいんだね。」
「そうだね。骨は実にすごい付いてるから、骨はそのままでいいよ。
ただ、大きくて重いんで気を付けてね。」
「うん。」
まずは1匹解体をしながら、やり方と必要な部位を説明していく。
必要な部位は、桶に分けて行く。
数匹、アリスにやってもらいながら、注意する所を教えていく。
4匹目からは、何も言わなくても一人で出来るようになってきた。
「ヘビは結構重いから解体の作業は疲れるよね。」
「1匹でも、時間がかかる。でもヘビの皮むき楽しい!ピ~って取れるから。」
「ヘビは結構な数狩れたから、休憩しながら解体お願いしててもいいかな?」
「一人でやるのはさみしいな・・・。でも、やらないとお金稼げなんだよね。がんばる!」
「お昼頃になったら、戻って来るのでお願いね。」
「ん?お昼って・・・もうすぐだよ」
「あれ?もうそんな時間なのか。」
「じゃあ、あと1匹だけヘビ解体したら町に戻ろっか。」
「うん。」




