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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
2.転生
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25.3日目の狩り


地下部屋を出たらヘビ探しだ。

森に入らずに、平原を中心に探す事にする。

昨日もそうだが、ヘビは雑草に紛れて平原にも結構いるようだ。

平原のヘビが少しでも減れば、町との行き来の安全も少しは良くなるだろう。まあ気休め程度なんだろうけどな。

なにより、森に入ると木の上から襲われたりするかもなので、そっちの方が安全っぽいしな。


サーチするとすぐにヘビを見つけたので、近づいて酸欠しナイフで首を切り落とし狩る。

昨日バリアを開発する時に気が付いたが、力を魔法で制御できる。

昨日は魔法の触手で持ち上げようとしていたので出来なかったが、ヘビの重量を魔法でヘリュウムの入った風船並みに軽くしてみた。

浮き上がったヘビを魔法の触手で固定し、地面に穴を掘ってさらに魔法で血抜きをしていく。

血抜き魔法も少し工夫してみた。

昨日は、血を押し上げる感じでやってみたが、今回は血を吸いだす方向でやってみる。

押し上げると無理に力がかかって内臓や血管が破裂してたっぽいけど、吸うと少し時間はかかるがどこも破裂せずに吸い出す事が出来た。

今後は、このやり方で血抜きが出来そうだ。


でもこれってよく考えたら吸血の魔法なんだよね。

吸血鬼って言われそうな魔法だな。相手が死んでなくてもこの魔法は使えるだろうから‥‥。


さらにもう1匹みつけ、酸欠ナイフで止めを刺す。

「あれは‥‥シカかな?」

シカっぽい茶色の動物を見つけた。

シカっぽい動物って、いろいろ種類があるので俺には判別出来ないけど、それっぽい動物って事かな。

酸欠で倒しナイフで止めを刺して、血抜きの魔法で血を抜く。


昔、奈良公園に行った時に見た時にシカって結構大きいなと思ったが、俺が子供の体格だからなのか、あの時よりも大きいような気がする。

重さ的には、ヘビよりも重いはずだ。

そこで、魔法だ。

昨日の夜、バリアを考えた時に力を扱うと言う魔法を思いついたのが、重力を扱う魔法だ。

重力を軽減する事で、この重いシカでも軽々と持てるように出来る。


これならアリスと2人でなら、門まで持って行く事も出来るだろうから、今日の持ち帰りはこれにしよう。

さらにハーリさんに解体教えて貰えれば、これからはシカ肉も食べられるようになるだろう。

それにきっとシカの皮は、ウサギの皮よりも高く売れそうな気もするしな。


アリスも気になるし、今日の狩りはここまでにして戻るか。

地下部屋まで戻って中に入り、「ただいま。」って声をかけたけど何の返事も無い。

外に出ちゃったかとちょっと焦ったけど、ベッドを見ると‥‥寝てた。

ベッドには、綺麗にシーツがセットされていたので、俺が頼んだことが終わって暇だったのかもしれない。

まあ昨日の疲れもあるだろうし、お昼ご飯食べて眠くなったんだろう。寝かしておこう。


アリスが寝ている間に、作業を少し進めておこう。

まずはヘビを解体してヘビの皮を確保しておこう。

町に戻って皮屋を紹介して貰えるなら、ヘビの皮も売れるだろう。

早速、キッチンに行ってヘビを解体する。


これでヘビの皮は3匹分になった。‥‥やってから気が付いたけど、ヘビの解体方法がこれではまずかったりしたらどうしよう。

出来そうだからって下手にやるんじゃなくて、ハーリさんに聞いてからやったら良かった。

ただまあ、ヘビの皮に穴が開いたり傷が出来たりはしていないので、間違っていもなんとか修復出来る程度だと思う。

シカの方はまったく解体方法がわからないので、ハーリさんに聞かないとどうにもならない。

ウサギとは大きさも、足の長さも全然違うので似たようなやり方だと思うけど、教えて貰ってからの方が良さそうだ。


次に気になってたのは、雑草を刈った時にいろんな雑草が混ざっている。

この中で俺に見分けが出来る植物があれば、ハーブとか料理の味付けに使えるんじゃないかと期待している。

理想はしょうが・ニンニク・とうがらし・こしょうが自生しているならいい感じなんだけど‥‥。

まあ根の物は取っていないので、しょうがもニンニクも無いか。


取って来た雑草を種類別に分類しながら、亜空間に整理しながら使える物を探して行く。

う~ん。余り自信はないけど、ミントっぽいのや、ハーブっぽいのはあるけど間違いない!とは言えない。

しかも世界が違うので、俺の知識だけで食べて安全かどうかもわからない。

露店で売っている野菜も、タマネギやジャガイモなんかも俺の知っているのと微妙に違うんだよなぁ。

無理して危ない事をする必要も無いので、詳しい人に聞いた方が良さそうだな。ハーリさんの所に行った時に聞いてみよう。

塩味だけでも我慢出来ない事はないから。


俺は寝室に行って、アリスの頭を撫でならが、

「アリス。もうそろそろ町に戻らないといけない時間だよ。」

「ん‥‥。おはよ、ハルト。」


玄関で靴を履いて、地下部屋を出て入り口を埋め戻し、南門に向かって2人で手を繋いで歩いて行く。

南門に到着する前に、シカを用意しておかないといけない。

「この木が良さそうかな?」

「なにするの?」

「今日はシカを取ったから、この木に括り付けて2人で持って帰ろう。」

「うん。」

「木に括るからちょっと待っててね。」


ロープはパン屋から仕入れているので、これでシカの前足どうし、後ろ足どうしで縛って行く。

縛る位置も、胴体直前の部分にする。

そうしないと、胴体だけで俺やアリスの身長を超えて、頭を引きずって歩く事になってしまうからだ。

胴体と、縛ったロープの間に木の棒を差し込み、2人で担ぐが重力制御の魔法で重量は軽くしているので、ほぼ棒だけの重さ程度で担げる。

持てるようにしたら、ここでは担がずに一旦亜空間に入れてしまう。

南門の近所についたら、そこから担いで少しでも楽しよう。

川沿いに街道に向かい、橋まで出たら街道から南門に向かう。

街道に出た所で、シカを亜空間から出してアリスと2人で運ぶ。


南門に近づいて行くと、ロベルトさんがこっちを見てる。

「ハルト‥‥次は、小鹿かよ。」

「はい、たまたま狩れました。」

「いや、いや、いや。たまたま狩れる物じゃないから。」

ロベルトさんは、飽きれた感じで俺の事をみている。


「いろいろ秘密がありますから‥‥。」

「まあ、秘密があるんだろうとは思うけど‥‥まあいいや。」

「これの解体も、ハーリさんに教えてほしくて‥‥。今日大丈夫です?」

「ああ、大丈夫だ。午後3の鐘まで待ってくれ。一緒に行こう。」

「もうちょっとですよね。詰所の裏で待ってますね。」

「ああ、あとでな。」


南門の詰所裏の、空き地でアリスと2人で15分くらい待っているとロベルトさんが、迎えに来てくれた。

「待たせたな。」

「いえ、お手数かけます。」

「今日は、アリスちゃんも行くんだな。」

「はい、アリスにも解体してもらおうと思っているんで、見ておいてほしいんです。」

解体見せる事で出来る部分だけでもやれるようになってくれれば、助かるし、アリスの暇も減るだろうからね。

「わかった。じゃあ、行こうか。」

「はい。」

ロベルトさんと一緒に、シカを2人で担いでロベルトさんの家に向かう。


「またいろいろ、頼っちゃってすみません。」

「子供が遠慮なんてしてんじゃない。こういう縁は大事にしないとだし、ウサギも安く譲って貰ったしな。」

「ありがとうございます。」

「冒険者ギルドで普通に売れれば、解体なんて覚える必要もないんだろうけどな。」

「そうですね。手間も時間もかかるので、多少安くなってしまってもギルドで売れれば良かったんですけどね。」


「だがどんなに解体を覚えても、ギルドに出せるようにはなっておいた方がいいんだがな。」

「どういう事です?」

「鮮度が必要な部位が高価な獲物や、解体が難しい獲物もいるし、依頼に出ている獲物の場合には、追加で報酬が出るから効率も上がるしな。」

「ああ、そういうのもあるんですね。でも対応があれだし‥‥。登録出来るようになったら、考えて見ます。」

「ああ、その事なんだが‥‥。本来の登録方法ではないんだが、狩りの獲物をある程度納品して、町の外での狩りが出来る事を証明すれば、年齢なんかの制限には関係なく登録出来るって方法があったはずなんだ。」

「そうなんですか?」

「ああ。ただ結構な納品をしないといけないんだが、どれくらいと言うのはわからないんだがな。

たぶんでしかないが、通常銅ランクから大銅ランクに上がるのに、ウサギなら5匹程度なので、目安としてはそれぐらいかもしれん。」

「ウサギ5匹か‥‥。」


「ああ、でもな登録されないって事は、顔を覚えられる程度通わないと同一人物と認識されないだろうから、5匹で登録されるかどうかは確実ではないんだ。」

「‥‥それってもしかして、孤児で5歳児の俺なんかの立場だと、1回で納品でもしないとダメって事じゃないですか?」

「いや、さすがにそこまでは言わないが、5匹丁度で上げて貰えるのは難しいだろうな。」

1回でウサギ5匹か‥‥できなくは、ないな。ウサギ溜めて一気に出すだけだけだからな。

ああでも外で狩りが出来る証明って考えると、ウサギ5匹まとめて渡しても、盗んだとかそっちを疑われて証明にはならないかもしれない。

何日も、何回も納品する事で、信用してもらう必要があるのかもだな‥‥。

後は、有無を言わせぬ獲物を納品するか、だな‥‥。


他にも門番の仕事と言うのがどういった物なのかも聞く事が出来た。

門番と衛兵は一緒の仕事だそうだ。

ただ部署が違うだけと言う事なので、警察や治安部隊って感じの仕事のようだ。

門番は手続き絡みが多いので、町を巡回している衛兵の中から、読み書きに計算まで出来る物だけが選別されるそうだ。

貴族を相手にする事もあるので敬語や礼儀なんかも必須の技能らしい。

馬車で移動する貴族と直接話す事は無いが、騎士とは話す事があるらしい。

知らなかったが騎士も貴族なのだそうだ。


街道にヘビやオオカミなんかが出てくる事があり、門の近くの場合にはそれを狩るのも仕事らしい。そういった場合に狩った獲物は冒険者ギルドに出して、門番で分け合うそうだ。


南門から入って来るのは、行商する商人が荷車か馬車で入って来るか、貴族の馬車が入ってくるのがほとんどだそうだ。

特に南門は、王都へと向かう道なので一番貴族の出入りが激しい場所なのだそうだ。

収穫時期が終わったら、収穫物を王都に運ぶために大量の荷物を騎士団が護衛して、王都に向かうのが見ものだそうだ。

出発前には、騎士団が通るのを町の人で見るので、パレードのようになるらしい。


少し前にも、王都から騎士団がこの町を経由して他の町に移動した時に、同じようなパレードがあったそうだ。

ハルトの記憶には、そう言った物はないので気が付かなかったんだろう。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公が頑張っているところ。 [一言] まだ少ししか見てないけど面白いです。 続き楽しみに待ってます。
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