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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
216/223

6-50


「あと最後にこれも、多分練習するまで使わないようにした方がいいんだけど、

追い風の魔法を使えるようにしてる。

これは、背中に風を当てる事で、早く前に進める魔法なんだけど、すごい早くなるので、

壁にぶつかったり、こけたりする可能性があるんだ。

鎧着てるのでケガはしないと思うけど、かなりの衝撃になるはずなので練習してからだね。」

「どれくらい早くなるのですか?」


時速30km/hくらいなんだけど・・・どう表現するかな・・・。

「街道を通れば、アイカからウィダスを半日で往復出来るくらいの速さ・・・。」

「3日かかる行程が半日ですか!?」

「うん。遠くに行く時だけでなく、逃げる時や追う時なんかに便利なはずだよ。

あと、大分練習しないといけないけれど、戦闘時にも使えるのでかなり強くなるはずだよ。」

「確かに戦闘中に、その速度で動けるなら捉えきれないかも知れませんね。」

「ブラントさんとの闘いで、俺も使ったけど、捉え切れてなかったと思うよ。」


「!!もうすぐ、ブラント様と戦うのです!」

「え?」

「銀ランクに上がる時に、戦う事になってます。」

「なるほど・・・。その時には使用禁止!」

「え~!ブラント様に勝って、大銀ランクに一気にアップとか出来そうなのに!」

「いや、そんなずるしちゃダメ。ちゃんと実力で戦ってね。

せっかくブラントさんに教えてもらってるのに、そんなので勝ったら、

ブラントさんの立場無いし。」

「アリーヤ、あんなに目をかけてくれているのに、実力で戦わなくては失礼です!」

「は~い。」


「あと、それだけの速度で動くと、こけたりすると危ないので気を付けてね。

特に、アリーヤは気を付けて。

鎧だと関節は保護されてるけど、アリーヤは鎖帷子なので、こけた時の衝撃で、

かなり危険な状態になるかもしれないから。」

「え!・・・はい。」

「アリーヤは出かける前に、少し訓練場で試してから、出かけるようにしてね。

慣れなそうなら、慣れるまで追い風は使わないようにね。」

「はぁい。」


これは、きっとどっかでコケるな・・・。

30kmなので、原チャと一緒だしそれほど大した事にはならないとは思うけど・・・。

3人は、装備をして訓練場に出かけて行ったので、俺は、鎧作成の続きだ。

紋章は、鉄板を差し込む事で、紋章の描かれている部分だけ見えるようにした。

取り外しを出来るようにしておけば、紋章の形にケチを付けられても差し替え出来る。


これで、依頼された物は終了なので、家電の続きだ。

冷蔵庫が出来たので、次に家電で便利なのは・・・コンロかな・・・。

エアコンと迷ったけど、エアコンって複雑過ぎて、時間かかりそうだ。

コンロなら、火を出すだけなので、エアコンよりはシンプルだろう。


コンロを作るメリットはそれなりにある。

かまどでは、直火なので火力を一定にするのが難しいので、それを一定にする事が出来る。

直火じゃないので、鍋とかに煤も付かなくなる。

後は、薪や炭を燃やす必要が無くなるので、燃料を確保しなくて済む。

煙も出なくなるので、どこでも使えるようになる。

かまどと違い、大きさも格段に小さくなる。


と言う事で作り始める。

コンロの形状は、日本にあった時の大きさで考えたけど、もっと薄くても作れそうだ。

グリルは要らないし、魔法陣書くだけなので場所も取らない。

コンロは、3つ口にして、それぞれに3つの魔法陣を書く。

スイッチもそれぞれに4つづつつけて、消/弱/中/強と選べるようにした。

すぐに火が付くし、火力もすぐに調整できる。

消すのも簡単だし、熱も周りに流れないので、夏場でもキッチンが熱くならない。

かまどでは、部屋も暑くなるので大変だったのだ。

作りのシンプルで、思い通りにあまり困らずに作れた。

鍋が外れたら、勝手に消える機能とか、

熱が上がり過ぎると警告する機能とかって言う所までは、さすがに実装出来ないが・・・。


あと、1個大きな違いと言えば、魔法の火は見えないので、点いているのか消えているのか、

分かりにくい事だ。

IHとかでもそうなんだけど、分かりやすいように、点火している時には、

もう一つの魔法陣で光る様にしておいた。

これが光ってる時には、火がついていると一目で分かるようにしておかないと危ない。


コンロを作ったので、かまど3つの内、2つを潰した。

1つ残したのは、直火で調理したい事があるとの事だ。

確かに、直火の方が香ばしかったりするので、必要かもしれない。


パン窯も、薪を辞めて魔法陣にしようと思ったんだけど、こちらはマディに反対された。

パン窯は、作り直してしまうと調整を最初っからやり直しになるので、

使えるようになるまで時間もかかるし、かなり面倒だそうで今回は触らない事にした。

これで、また一歩日本的な生活に近づいた。


翌朝、クシェルは鎧を持ってケニーさんと、ノアール侯爵家に向かった。

クシェルの訓練も、鎧の採寸の方も無事に終わり、思いのほか何も無く、

順調に依頼はこなしていけている。

鎧の調整については、数回行う予定なので後3~4日程度は、調整が必要だ。


俺はしばらく、鎧の調整と魔法陣の活用を行って行く。

次に作ったのは、お風呂だ。

蛇口を付けてお風呂に水を貯めるのは、楽になったのだが、お湯を沸かすのは、

俺が魔法で行っている。

という事は、お風呂に入りたい時に俺が居ないと入れないのだ。


それは、いろいろ不便なので、お風呂を誰でも沸かせるようにしたくって検討に入る。

水だけ溜めて、後から沸かすと言うやり方をすると、間違えて空焚きすると危険だ。

それなら、固定温度のお湯を出した方が安全なので、そっちの方向で検討する。

水を出す魔法陣と、水を温める魔法陣を同時に起動するようにしてやれば、きっと実現出来る。

という事は、給湯器の仕組か・・・。


水道管をばねのように加工して、その管を熱で温めると言う方法を考えた。

ビールサーバーの作りなんだけど、ビールサーバーはかなり細い管を通して、

冷蔵庫のように冷やした場所を通す作りなのでそれの逆の作りだ。

後は、水を出した時にだけ温めるようにしないといけないので、

スイッチに連動するように工夫した。

瞬間湯沸かし器までの性能は出ないけど、結構温かいお湯が出るようになった。


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